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ロヒンギャの若者たちの学びを支える仕組み~ロヒンギャ難民の識字教育プロジェクト~

(2024年06月18日更新)

バングラデシュ南部コックスバザール県内にある難民キャンプに住むロヒンギャの若者のほとんどは、これまで読み書きや計算を学んだことがなく、キャンプ内の掲示板・配給情報を理解できない、詐欺や搾取に遭う危険が高いなど、日々多くの不都合やリスクに直面しています。このプロジェクトでは、ロヒンギャの若者たちへの識字教育を実施するとともに、コミュニティ内で継続して識字教育を行うことができる体制づくりを目指しています。

写真:計算を学ぶ若者

計算を学ぶ若者

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識字教育の質を支える教師の学び合い

今期は15~24歳のロヒンギャの若者960人(うち女性480人)を識字クラスに迎え、2024年1月から授業を開始しました。晴れて学習者となった彼らですが、無国籍、貧困、遠い学校、武力衝突など複数の要因が組み合わさった結果として、これまではミャンマーで公教育を受けることができていませんでした。
他方、同じロヒンギャでも教師は8年生(日本の中学校に相当)の修了者であり、比較的恵まれた境遇にあったといえるでしょう。しかし、誰かに読み書き計算を教えるスキルは中学校を修了したからといって身につくものではなく、別途学ぶ必要があります。

写真:「配給の日や誕生日が分かるようになりました!」

「配給の日や誕生日が分かるようになりました!」

そこで、プロジェクトでは教師の能力強化を通じて識字教育の質の向上に取り組んでいます。今期も、定期的に研修を開催し、教師たちに模擬授業の実践とフィードバックを交代で行ってもらうことで、スキルを研鑽する機会を提供しました。また、近隣の教師が毎週1カ所に集い、その週に行われた授業の振り返りと翌週の授業計画や進行を確認する場も設け、教師間の学び合いを促進する仕組みも用意しました。

写真:副教材づくりの能力強化研修を受ける教師

副教材づくりの能力強化研修を受ける教師

写真:授業の振り返りと翌週の準備をする教師

授業の振り返りと翌週の準備をする教師

学習者を見守る地域の人々

32カ所に設けた識字クラスは男女別で編成され、女性用クラスの教師は女性が務めます。識字教育を開始した2019年当初は、女性教師や女性学習者へのからかいなどのハラスメントが報告されることもありました。ロヒンギャ社会には女性が学び、働くことに対する根強い抵抗があったためです。そこで、識字クラス開始前には、学習者の保護者への説明会を行うだけでなく、地域住民、とりわけ難民キャンプリーダーや宗教的リーダーを集めて説明会を開催することにしました。

写真:コミュニティ向け説明会(男女別)に駆けつけてくれた住民たち

写真:コミュニティ向け説明会(男女別)に駆けつけてくれた住民たち

コミュニティ向け説明会(男女別)に駆けつけてくれた住民たち

これまでの活動実績が実を結び、今では地域住民が若者向け識字教育の熱心な支援者となって若者たちの学びを見守ってくれています。そんな彼らに、今期も識字教育が始まること、地区のどこに識字クラスが設置され、何人の若者がそこで何を学ぶのか、女性が教育を受けることで家庭や地域がどう前向きに変化するのかなどを一つひとつ丁寧に説明し、理解と支援を求めました。キャンプ内の治安が悪化の一途をたどるなか、地域住民の温かいまなざしは学習者が学びを継続する力となっています。

課外活動の楽しみが学びを支える

ロヒンギャの若者たちに識字クラスの何が楽しいかと聞くと、多くが「課外活動で同世代の仲間と過ごす時間が楽しみ」だと答えます。「課外活動を通じて仲良くなった仲間が待っているから、識字クラスを休みたくない」と答える若者もいます。今期も週一回は課外活動の日とし、学習者の関心に合わせてサッカーやミャンマーの伝統的なゲーム、手工芸や刺繍などができるよう必要物資を支援しました。さらに、教育や国際女性デーの機を捉え、地域住民に向けてメッセージを発信するイベントも開催しました。イベントの企画、開催にあたっては、若者たちが主導的役割を果たすようプロジェクトスタッフは側面支援に徹し、若者たちの意見や創意工夫を引き出すようにしました。

写真:手作りの防災啓発ポスターを掲げる男性学習者

手作りの防災啓発ポスターを掲げる男性学習者

写真:女性ファシリテーターから刺繍を学ぶ女性学習者

女性ファシリテーターから刺繍を学ぶ女性学習者

若者の要望を受けミャンマー語の学習も追加

いつの日かミャンマーに戻ることを心に描く若者たちは、キャンプ生活に必要な英語の習得がひと段落すると、将来必要となるミャンマー語の勉強に目を向けるようになりました。その強い要望に応えて、今期からミャンマー語の基礎学習を追加しました。

写真:「いつか戻る日が来るから、ミャンマー語を学ぶことができてとても幸せ」と語る女性学習者

写真:「いつか戻る日が来るから、ミャンマー語を学ぶことができてとても幸せ」と語る女性学習者

「いつか戻る日が来るから、ミャンマー語を学ぶことができてとても幸せ」と語る女性学習者

英語による読み書き計算モジュールが半分終わり、折り返し地点を迎えた2024年4月以降、ミャンマー語での基礎的な読み書き計算が本格的に始まりました。今後も、ロヒンギャの若者たちの声を取り入れ、改善のために不断の見直しをしながらプロジェクトを実施していきます。

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