(2024年06月27日更新)
ベトナムの農村地域では、少数民族の間で早すぎる結婚(児童婚)をする割合が高く、ハザン省やライチャウ省に暮らすモン族では、女の子の53.4%が18歳未満で結婚しています。早すぎる結婚をした女の子は、学校を中途退学することが多く、将来収入を得る機会を失うことにもつながります。
プラン・インターナショナルは、女の子たちが自分の将来を自分で決定することができるように、意識啓発活動や経済的自立を促すトレーニングなどを3年間にわたり支援してきました。
人々の意識の変化と若者の自立を促進するための環境の構築
プロジェクト開始から3年目を迎えた今期は、地域の人々に早すぎる結婚の防止を呼びかけるため、トレーニングに参加した子どもや若者たちが、学校やコミュニティの集会場所でゲームや寸劇、写真、動画制作を通じた意識啓発活動を企画・実施しました。また、政府機関のリーダーなどを招いたアドボカシーイベントにて、早すぎる結婚の弊害について発表。その結果、政府機関職員の意識に前向きな変化が見られ、以前より頻繁に、早すぎる結婚を防止するための取り組みが実施されるようになってきました。
若者、特に女性の経済的、社会的自立を促すための収入向上支援では、農業・畜産技術トレーニングや食品加工トレーニングを継続し、より多くの若者たちが伝統的な手法に頼らずに収入を得ることができるようになりました。また、今期は、ハザン省とライチャウ省の政府関係者らが互いの省を訪問し、それぞれの地域における官民連携や若者が従事している農畜産業・食品加工の成功事例など、3年間の活動成果の学び合いも行いました。さらに、3年間を通して13カ所に建設した研修センターでは、若者が協力して収入向上活動を行うなど、地域の若者の自立を促進するための環境が整備されました。

村の集会にも使用されている研修センター

ジェンダー平等トレーニングの様子
3年間の活動を通して、多くの若者たちが伝統的な手法に頼らない農畜産業の技術を身につけ、経済的な自立につなげることができました。また、地域一丸となり、早すぎる結婚の防止に積極的に動き始めました。多くの子どもや若者たちが活動を通して得た学びを活かし、地域から早すぎる結婚の慣習がなくなるまで、手を取り合って意識啓発を続けていくという強い意志を持っています。

右からタイー族、ヌン族、キン族の若者

右からタイー族、ヌン族、キン族の若者
関連リンク
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- 【スタッフブログ】「早すぎる結婚をなくしたい!」ベトナム現地スタッフが活動にかける思い







女性たちの声
次の世代が同じ困難に直面しないように
プロジェクトに参加したズさん(仮名、24歳、ヌン族の女性)
「17歳のときに農業を営んでいる男性と結婚しました。当時、夫と義理の家族は伝統的な手法を使った農業に頼った生活をしていたため収入が安定せず、家計はとても厳しい状況でした。家計を良くするため、自分も仕事をしたいと夫に訴えましたが、『女は子どもの世話だけしていればいい』と、許してもらえませんでした。ある日、地域の行政職員からプランが収入向上トレーニングを実施すると聞き、参加したいと思いました。忙しい家族に代わり、私が参加して、よりよい生計活動についての知識を持ち帰りたいと説明し、家族に納得してもらいました。
ズさんが世話をして大きく育てた豚
トレーニングでは、豚の飼育方法を学ぶとともに、女性にも収入を得たり、お金の使い方を決めたりする権利があることを学びました。トレーニング参加後、私が育てた豚を売り、得たお金を適切に管理している姿を見て、家族の考え方も変わりつつあります。私にお金の使い方を事前に相談してくれるようになったほか、夫も育児に参加するようになりました。プランのトレーニングを通して地域の女性たちの状況が改善されたことは明白です。ただ残念ながら、まだ昔の私と同じような思いをしている女性たちもたくさんいます。私の体験談を話すことが地域の女性のエンパワーメントにつながると信じて、積極的に地域の集会に参加し自分の体験を共有しています。これからもほかの女性たちと協力して、地域をより良くしていきたいと思います」
子どもや若者、地域住民の意識に見られた変化の兆し
ティエンさん(政府機関である女性連合の職員)
「これまでも女性連合はジェンダー平等促進のための活動を実施してきましたが、地域の現状に沿った活動ができていませんでした。また、職員のジェンダーに関する知識も十分ではなく、質の高い活動を実施することが困難でした。このプロジェクトでは、まずはトレーナーとなる女性連合のスタッフがトレーニングを受け、能力を強化することができました。その結果、質の高いジェンダー平等トレーニングを実施することができるようになりました。
ジェンダー平等トレーニングを実施するようになって3年経ちましたが、子どもたちや若者たちに前向きな変化が見られるようになりました。『18歳未満で結婚を申し込まれたけど、断ることができた』『友だちが早すぎる結婚をしそうで困っている。助けてほしい』と声をかけられることが増えました。また、地域の子どもや若者が自主的にジェンダー平等を促進するための意識啓発活動を行う姿も見られます。皆さまからのご支援がなければ起こりえなかった変化です。心からお礼申し上げます」
トレーニングで指導するティエンさん(写真奥右)