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【経過報告】バングラデシュ「ロヒンギャ難民の識字教育」プロジェクト

(2024年11月06日更新)

プラン・インターナショナルは、2022年9月から、バングラデシュで「ロヒンギャ難民の識字教育」プロジェクトを実施しています。現在までの活動の進捗をご報告します。

プロジェクト背景

ロヒンギャ難民の識字教育

バングラデシュ南部コックスバザール県内にある難民キャンプに住むロヒンギャの若者のほとんどは、これまで読み書きや計算を学んだことがなく、キャンプ内の掲示板に書かれていることや食料・物資の配給情報を理解できない、詐欺や搾取に遭う危険が高いなど、日々多くの不都合やリスクに直面しています。このプロジェクトでは、ロヒンギャの若者たちへの識字教育を実施するとともに、コミュニティ内で識字教育を継続できる体制づくりを目指します。

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活動のハイライト

  • 写真:能力強化研修で教師の役割と責任について学ぶ教師たち
    能力強化研修で教師の役割と責任について学ぶ教師たち
  • 写真:算数の授業を受ける女の子たち
    算数の授業を受ける女の子たち
  • 写真:課外活動用のスポーツ用具やレクリエーションアイテムを受け取った男の子たち
    課外活動用のスポーツ用具やレクリエーションアイテムを受け取った男の子たち
  • 写真:課外活動で刺繍を学び作品づくりをする女の子たち
    課外活動で刺繍を学び作品づくりをする女の子たち
  • 写真:国際教育デーに「恒久平和のための学び」を訴える学習者たち
    国際教育デーに「恒久平和のための学び」を訴える学習者たち
  • 写真:ロヒンギャコミュニティ向けの識字プログラム説明会の様子
    ロヒンギャコミュニティ向けの識字プログラム説明会の様子
  • 写真:ミャンマー語を楽しそうに学ぶ女の子たち
    ミャンマー語を楽しそうに学ぶ女の子たち
  • 写真:コミュニティでの適切な衛生習慣の実践をけん引する若者リーダーたちに衛生用品を配布
    コミュニティでの適切な衛生習慣の実践をけん引する若者リーダーたちに衛生用品を配布

活動内容

今期は、960人のロヒンギャの若者が難民キャンプ内の識字クラスで読み書き・計算を学びました。授業には、英語に加えてミャンマー語も導入し、母語のロヒンギャ語も飛び交う活気あふれる学習の場となりました。週1回の課外活動では、スポーツや手工芸、刺繍などを通して創造性を育み、仲間との絆を深めました。
これらの活動は、若者たちにとって、制限の多いキャンプ生活での心の支えとなっています。保護者や地域の人々も、「若者が規則正しい生活を送り、挨拶をするようになった」、「言動に周囲への敬意が見られるようになった」などの前向きな変化を語り、活動を応援しています。

修了生向けの追加授業では、144人の若者たちが復習に加えて少し高度な内容を学びました。彼らは前期の修了生720人のなかから、出席率、成績、そしてコミュニティへの貢献意欲に基づいて選ばれたリーダーたちです。
識字クラスを終えたばかりの今期の若者リーダー128人とともに、リーダーシップや識字教育普及のためのファシリテーションスキルを磨く研修も受講しました。リーダーとして選抜された彼らは、コミュニティを支えるという強い意志と自覚に満ちています。

現地の声

サダカさん、16歳、女性学習者

写真:サダカさん、16歳、女性学習者

勉強が楽しくてしかたないです。今日は算数の授業で偶数と奇数を、ミャンマー語の授業で水を表す単語などを覚えました。母国ミャンマーの言葉を学べるのは本当に嬉しいことです。英語とミャンマー語、どちらが好きかと言われると、少しだけ英語の方が好きかもしれません。世界中で使える国際共通語だからです。
ただ、識字クラスに通えていない女の子の友だちのことが気がかりです。どうか、識字クラスを増やしていただけないでしょうか?私の周りには、まだ学びたくても学べない友だちがたくさんいます。私はこうして識字クラスに通えていますが、彼女たちはまだ一度も教育を受ける機会を得ることができていません。

ショーミンさん、25歳、女性教師の姉

写真:ショーミンさん、25歳、女性教師の姉

私の妹はミャンマーで8年生を修了し、このプロジェクトの教師になりました。私が受けた教育は4年生までです。基礎的なミャンマー語と英語の読み書きはできます。ロヒンギャのほとんどの人は読み書きができず、子どもが家で宿題をしていても、母親は教えてあげることができません。教科書が読めないからです。
将来的に私たちの手で識字クラスを維持していきたい、という気持ちはあっても、働くことが許されていない私たちにクラスを維持するお金はありません。また、識字クラスを支えるために、保護者や地域の人々にも読み書きを習う機会が必要だと思います。識字教育の担い手を増やすことがとても大事だと思うからです。

バチャさん、77歳、地域住民

写真:バチャさん、77歳、地域住民

私はミャンマーのラカイン州ブディタウン地区の出身です。私の父は、かつて、ミャンマーにやってきた日本人のもとで働いていました。父は私にその時の体験を繰り返し語ってくれました。日本人の上司は口癖のように『教育は大事だ、教育を受けなさい』と言い、父が教育を受けられるよう背中を押してくれたそうです。
父は幼い私に、『もし将来あなたが日本人に会うことがあれば、親切にしなさい』と言いました。このプロジェクトのモニタリングで日本人職員が来ると聞いて、私はぜひ会いに行かなければと思いました。ロヒンギャの若者に教育の機会を与えてくださり、本当にありがとうございます。

ロヒムさん、41歳、学習スペース管理委員会メンバー

写真:ロヒムさん、41歳、学習スペース管理委員会メンバー

このプロジェクトを通して、若者たちは変わりました。まず、読み書きができるようになりました。そして犯罪や不法行為から距離置くことができました。識字クラスが若者を守ってくれているのです。他にも数えたらきりがありませんが、子どもの人身取引や児童婚に関する啓発活動を通じて、コミュニティの未来をも変えています。
2017年のロヒンギャ危機で、私たちの世代は人生を跡形もなく破壊されました。でも、これからの子どもや若者は違います。次世代の彼らの人生を守ることができれば、それでいいのです。彼らを守りたいと思っています。それが私の願いです。

主な活動の成果

地域 コックスバザール県
期間 2年9カ月(2022年9月~2025年6月)
2024年度
主な支援内容と対象
  • 識字教育を行う学習スペースの開設(32カ所)
  • 15歳から24歳の若者を対象とした識字教育の実施(960人、うち女性480人)
  • コミュニティ・ボランティアを対象とした教師育成を含む研修の実施(受講者44人、うち女性22人)
  • 過去の受講者に対する追加授業の実施(144人、うち女性72人)
  • 若者リーダーに対する能力強化研修(272人、うち女性136人)
  • 若者主導の啓発イベントの実施(4回)

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