本文へ移動

【第7報】輪島市で進む教育復興 9月の豪雨災害を乗り越えて~令和6年能登半島地震緊急支援~

(2024年12月13日更新)

令和6年能登半島地震緊急支援

寄付の募集を締め切りました。ご支援いただきありがとうございました。

2024年(令和6年)1月1日に起きた石川県能登半島地方を震源とする地震により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

発災からまもなく1年を迎えようとするなか、奥能登の被災地では現在も復旧、復興に向けた取り組みが進められています。プラン・インターナショナルも皆さまからの温かいご寄付により、被災地の行政や民間支援団体と連携して支援を継続しています。
今回は、2学期を迎えて復興が進む学校への支援についてご報告いたします。

教育環境の復旧、復興に向けて

写真:間借りしていた当時の給食風景

間借りしていた当時の給食風景

輪島市には小学校が9校、中学校が3校あります。震災で校舎が全半壊した学校は、比較的被害が小さかった学校で授業を行っています。プランが支援する6つの小学校(児童数約400人)も、夏休みまでの約半年間、輪島中学校(在校生約250人)の校舎の一部を借りて運営されました。使える教室の数が限られていたため、仕切りで区切って複数の学年の児童が同時に授業を受けるなど、学習環境は非常に過密となっていました。体育の授業は別の学校へ移動して行い、児童が楽しみにしていた給食も通常の倍量の準備が必要となったため、調理室はパンク状態でした。

この間、輪島市教育委員会は6つの小学校が共同で使える仮設校舎と調理室の建設を進め、2学期からは仮設校舎で授業を再開することができました。プランは教育委員会と協議し、児童たちが自由に走り回ったり、スポーツを楽しんだりできる運動場の整備と、給食室の調理機器の導入を支援することを決めました。いずれも国家予算がつかないことから支援要請を受け、同業の団体と連携して支援しました。

  • 写真:完成した仮設校舎での給食
    完成した仮設校舎での給食
  • 写真:仮設校舎
    仮設校舎
  • 写真:給食の様子を視察する3人の校長先生と調理係の方々
    給食の様子を視察する3人の校長先生と調理係の方々
  • 写真:新たに導入した食中毒の予防に有効な真空冷却器
    新たに導入した食中毒の予防に有効な真空冷却器
  • 写真:体育館の1階部分を整地して人工芝を敷設
    体育館の1階部分を整地して人工芝を敷設
  • 写真:休み時間には児童の格好の遊び場に
    休み時間には児童の格好の遊び場に
  • 写真:休み時間には児童の格好の遊び場に
    休み時間には児童の格好の遊び場に
  • 写真:教育委員会の皆さん(左)プラン山形職員と事務局長棚田(右)
    教育委員会の皆さん(左)プラン山形職員と事務局長棚田(右)
  • 写真:完成した仮設校舎での給食
  • 写真:仮設校舎
  • 写真:給食の様子を視察する3人の校長先生と調理係の方々
  • 写真:新たに導入した食中毒の予防に有効な真空冷却器
  • 写真:体育館の1階部分を整地して人工芝を敷設
  • 写真:休み時間には児童の格好の遊び場に
  • 写真:休み時間には児童の格好の遊び場に
  • 写真:教育委員会の皆さん(左)プラン山形職員と事務局長棚田(右)

現地の声

河井小学校校長 六田先生

震災前から、河井小学校ではピロティは児童にとって雨が降っても遊ぶことができる貴重な場所でした。震災後は地面の陥没などによって危険な状態だったため、児童を立ち入らせることができませんでした。そのうえ、今まで遊んでいた場所に仮設住宅が建てられ、体を動かす場所がなくなりました。9月から仮設校舎に入り、運動場と体育館に加えてピロティが整備され、低・中・高学年に3カ所に分かれて安全に体を動かす場所ができました。晴天時は全校児童が遊ぶことができますし、雨天時でもピロティと体育館は使えるので、児童の遊ぶ機会の確保という点では大きく改善されました。私の主観ですが、以前と比較しても清潔感があり、明るいイメージがあります。
また雨天時や、照明があることで夜も運動が可能な貴重な場所です。現在は小学校のスポーツ少年団の活動にも利用していますが、中学校の部活動でも活用していく予定です。今後も地域の貴重な運動の場としてますます利用されていくことが予想されます。本当にありがとうございます。

輪島市小学校、中学校の遠足・修学旅行を支援

輪島市の学校は、震災により校舎の損壊やグラウンドの亀裂などの深刻な被害に見舞われました。授業や給食の再開が最優先されたため、学校行事は軒並み中止に。思い切り身体を動かせる場所もないなか、子どもたちはストレスを抱えながらも元気に仮設校舎へ通ってきていました。先生方は、学校行事の再開は被災し困窮している世帯にとって、経済的な負担になる可能性があることを懸念していました。そこで、プランは6小学校と輪島市教育委員会と話し合い、子どもたちが少しでも楽しい思い出を作れるよう、遠足や修学旅行にかかる費用を支援しました。

2024年10月、輪島市の6つの小学校は、学年ごとに異なる行き先へのバス遠足に出発。5年生の子どもたちは国立能登青少年交流の家で薪を集めて火を起こす野外炊飯を体験し、カレーライスづくりを楽しみました。一方、輪島中学校の3年生は奈良・京都への2泊3日の修学旅行へ出かけました。
スライドショーで生徒たちの様子をご紹介します。

  • 写真:遠足に向かうバスのなかで(小学校遠足)
    遠足に向かうバスのなかで(小学校遠足)
  • 写真:遠足に向かうバスのなかで(小学校遠足)
    遠足に向かうバスのなかで(小学校遠足)
  • 写真:国立能登青少年交流の家に到着(小学校遠足)
    国立能登青少年交流の家に到着(小学校遠足)
  • 写真:調理に夢中の生徒たち(小学校遠足)
    調理に夢中の生徒たち(小学校遠足)
  • 写真:慣れない手つきで炊飯に挑戦(小学校遠足)
    慣れない手つきで炊飯に挑戦(小学校遠足)
  • 写真:完成したカレーライスを盛り付け(小学校遠足)
    完成したカレーライスを盛り付け(小学校遠足)
  • 写真:バスのなかで(中学校修学旅行)
    バスのなかで(中学校修学旅行)
  • 写真:見学先にて(中学校修学旅行)
    見学先にて(中学校修学旅行)
  • 写真: 皆でポーズ(中学校修学旅行)
    皆でポーズ(中学校修学旅行)
  • 写真:鹿と一緒に(中学校修学旅行)
    鹿と一緒に(中学校修学旅行)
  • 写真:遠足に向かうバスのなかで(小学校遠足)
  • 写真:遠足に向かうバスのなかで(小学校遠足)
  • 写真:国立のと青少年交流の家に到着(小学校遠足)
  • 写真:調理に夢中の生徒たち(小学校遠足)
  • 写真:慣れない手つきで炊飯に挑戦(小学校遠足)
  • 写真:完成したカレーライスを盛り付け(小学校遠足)
  • 写真:バスのなかで(中学校修学旅行)
  • 写真:見学先にて(中学校修学旅行)
  • 写真:皆でポーズ(中学校修学旅行)
  • 写真:鹿と一緒に(中学校修学旅行)

生徒たちの声

震災以降、気持ちが落ち込んでいつもゲームばかりしている。こんな風にみんなで活動できるのは楽しい。

調理がこんなに楽しいと知らなかった。家に帰ったらお母さんを手伝いたい。

電気を使わないでごはんを炊くのがこんなに大変だと思わなかった。震災で停電した時と同じように、今日も電気のありがたみを感じた。

先生の声

輪島中学校3年副担任 小林先生

この度は修学旅行に際しご支援をいただき心より感謝申し上げます。バスを3台ご用意いただいたことで3日にわたる盛りだくさんの行程をスムーズに進めることができました。生徒たちは、友だちとのおしゃべりや映画、カラオケと元気に車内を過ごし、楽しい思い出になったことと思います。「全国からの支援に感謝し、輪島の発展的復興に貢献する」を狙いとした今回の旅行で、生徒たちは改めて支援を実感できました。これからも復興に向け、ひとりひとりができることを考えて頑張っていきます。ありがとうございました。

6つの小学校それぞれの本校舎建設の計画はまだ白紙です。プランは現在の仮設校舎で、クラブ活動や学校行事が少しでも再開できるように支援を継続していく予定です。
また、プランがコアメンバーを務める「災害時子どもの安全な居場所協議会」が、子ども支援の分野で活動してきた団体を集め、これまでの活動を振り返り、うまくいったことやいかなかったことを話し合うオンライン会議を開催します。行政と民間の支援団体など、災害支援に関わるステークホルダー間の調整をより円滑にし、平時からの連携を強化するなどの取り組みを進めていきます。

プログラム部 山形職員のコメント

写真:5年生の遠足を視察(左から山形職員、同行した倉内職員)

5年生の遠足を視察(左から山形職員、同行した倉内職員)

皆さまからの温かいご支援によって、被災地の子どもたちへの支援活動を継続できることに心から感謝申し上げます。

震災が起きてから1年近くが経ち、被災地ではようやくがれきの撤去や倒壊した建物の解体が進んできました(その分、空き地が目立つようになりました)。被災された方々は仮設住宅に落ち着き、生活の再建に励まれ、学校では仮設校舎が建ち、子どもたちの元気な声も聞かれるようになりました。そんな矢先の9月に豪雨が発生し、輪島市では死者15人(2024年10月末現在)、家屋の被害は1,100棟以上に上り、再び引っ越しを余儀なくされた方々も少なくありません。復興までの道のりがさらに遠のいたように感じました。

その時期に市内の小中学生が遠足や修学旅行に出かけ、級友たちと新しい経験をし、楽しい思い出を作ることができて本当によかったと思います。たった数時間の遠足でも、被災地の子どもたちにとっては貴重な息抜き。どの子も前向きなエネルギーをチャージして笑顔で帰宅したと校長先生から伺いました。

厳しい冬の到来を前に、被災地では今も、仮設住宅の運営やコミュニティづくり、被災者の生業支援など、多岐にわたる地道な支援が続けられています。プランも引き続き子どもを中心に置き、主に教育環境の整備や子どもたちの心身の健康を維持するための活動を継続してまいります。

活動レポートTOP

トップへ