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世界の貧困層の食事事情|子どもたちに必要な支援とは

(2024年01月24日更新)

世界では十分な食料が生産されているにもかかわらず、その日の食事にさえ困っている人が多く存在します。なかでも途上国では飢餓状態に陥っている貧困層が多く、早急に支援が必要な状況です。
人々に十分な食事が行き渡らない原因について知り、食料不足に苦しんでいる子どもたちや家族に必要な支援について考えてみましょう。

写真:ソマリア

貧困層の食事事情

途上国に暮らす貧困層の多くが食料を入手できずに苦しんでいます。

ここでは世界の貧困率や飢餓人口のデータを見ながら、食料の確保が困難な理由について解説します。

世界の貧困層と飢餓人口

貧困層とは、1日2.15ドル未満で生活し、日々の食事にも困窮している人々を指します。世界銀行は、2022年末に極度の貧困層がおよそ6億8500万人に上る※1との試算を発表。新型コロナウイルス感染症の流行や各地の紛争の影響で、世界的に食料価格が高騰し、物価上昇により衣食住の確保が難しくなったことが、貧困率の上昇に拍車をかけています。

食事から十分な栄養を得られず、慢性的な栄養不良に陥った状態を「飢餓」と言います。2023年に国連で発表されたデータによると、世界で飢餓に直面している人口は約7億3500万人※2にも上ります。とりわけ、紛争は依然として飢餓の最大の要因であり、世界の飢餓人口の70%が戦争と暴力に苦しむ地域に住んでいます。

写真:紛争が激化したスーダンから逃れてきた家族(南スーダン)

紛争が激化したスーダンから逃れてきた家族(南スーダン)

    【出典】

  1. ※1「極度の貧困人口、コロナ禍で7000万人増 世銀試算」(日本経済新聞)
  2. ※2「飢餓人口2019年と比較して1億2200万人増加 複数の危機が要因で =国連報告書」(World Food Programme)

気候変動などの影響下にある子どもたちを守る

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貧困で食事すらままならない人が減らない理由

「飽食の時代」ともいわれる現代社会においても、依然として日々の食事の確保すらままならない人々が減らない理由としては、どのようなことが考えられるでしょうか。

ここでは貧困層の人々に十分な食料が行き渡らない理由を3つの視点から説明します。さらに、昨今問題となっている、日本の子どもの貧困と食事事情についても解説します。

自然災害による農作物の不作

近年、異常気象による酷暑や干ばつ、洪水などの自然災害が食料不足に大きな影響を与えています。自然災害によって農作物の生産が滞り、安定した供給ができなくなっているのです。途上国では貧困層の多くが自然災害に脆弱な地域に暮らしています。そのため、気候変動や災害への対策強化が不可欠です。

写真:サイクロンによる洪水被害(マラウイ)

サイクロンによる洪水被害(マラウイ)

貧困による悪循環

貧困世帯では現金収入を得ることが難しく、食料を十分確保できずに飢餓状態に陥りがちです。安定して働くことができない場合、貧困から抜け出すことは困難になります。子どもを学校に通わせるお金が工面できない家庭では、子どもたちが教育を受ける機会を得られず、栄養の知識や将来大人になって仕事に就く際に役立つ技術を身につけることが難しくなります。こうした状況では、貧困の連鎖から抜け出すことは容易ではありません

写真:貧困のため16歳で児童婚を強いられた女性(ジンバブエ)

貧困のため16歳で児童婚を強いられた女性(ジンバブエ)

食料廃棄問題

貧困層に食料が行き渡らない要因には、食料廃棄の問題もあります。国連食糧農業機関(FAO)が2011年に発表した報告書によると、世界では毎年13億トンもの食料が廃棄されています。その割合は、食料生産量の3分の1にあたります。先進国では食べ残しや賞味期限切れなどが主な廃棄理由である一方、途上国では食料を適切に保管や加工する技術がないことなどが理由です。

また、2021年に発表された、世界自然保護基金(WWF)とイギリスの企業テスコ(Tesco)による報告書からは、全世界で25億トンもの食料が廃棄されていることが明らかになっています。10年間で食料廃棄量が2倍近く増えていることがわかります。

写真:

    【出典】

  1. 「食品ロスの現状を知る」(農林水産省)
  2. 「本当は2倍?」世界の食品ロス 実態と解決策とは(朝日新聞)

日本における子どもの貧困の現状と食事事情は?

厚生労働省が2023年に公表した「国民生活基礎調査」では、日本の17歳以下の子どもの貧困率は11.5%で、9人に1人の子どもが貧困状態にあります(2021年に調査実施)。日本は、「隠れた貧困」とも呼ばれる相対的貧困率が経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中7位にランキング。特にひとり親世帯でその傾向が高くなっています。

日本の貧困家庭でも、子どもの食事は最も大きな課題です。物価高の影響で、光熱費を節約したり、朝食を抜いたりして食費を切り詰めたりせざるを得ない家庭が増えています。貧困家庭の子どもたちは、コンビニ弁当や惣菜類が中心の食生活になる場合も多く、野菜などが不足しがちです。また、保護者が長時間働いている場合、子どもが1人で食事をしなければならない「孤食」も懸念されています。

写真

認定NPO法人「グッドネーバーズ・ジャパン」が、同法人が運営するひとり親家庭対象のフードバンク利用者へアンケート調査を行った結果、保護者が41時間以上働いている世帯の約37%では、子どもが1日2回以下しかごはんを食べられていないことが明らかになったそうです。また、学校給食のない休日に子どもの食生活がより困窮すると指摘しています。

貧困層の栄養改善のために行うプラン・インターナショナルの取り組み

十分な食事をとることができず、栄養不良に陥ってしまった子どもやたちのために、具体的にどのような支援が求められているのでしょうか。スーダンで実施しているプラン・インターナショナルの活動をご紹介します。

「食料危機下の子どもの栄養改善」プロジェクト

このプロジェクトでは、スーダン白ナイル州の難民キャンプ、国内避難民キャンプおよび周辺地域において、子どもや妊娠中、授乳中の女性の栄養改善にむけた支援を行っています。栄養不良の子ども、妊婦に栄養価の高い栄養治療食や栄養教育を提供しています。
2023年4月15日、スーダンの首都ハルツームで起きた武力衝突の影響で難民が増加。白ナイル州の難民キャンプでは5歳未満の16.9%が急性栄養不良に陥っており、生後6カ月~59カ月の半数以上が貧血であることが確認されていました。プロジェクトは2024年6月まで実施する予定です。

  • ※このプロジェクトは、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の支援のもと実施しています

写真:重度の栄養不良児の治療にあたる看護師(スーダン)

重度の栄養不良児の治療にあたる看護師(スーダン)

貧困に苦しむ子どもたちを支えるために私たちにできること

貧困問題の解決には、各国の政府や国内外のさまざまな団体が取り組んでいますが、依然として課題は山積しています。貧困のために日々の食事すら満足に得られない子どもたちのために、私たち一人ひとりにもできることはあります。

  • 「子ども食堂」などで食事提供のボランティアをする
  •  子どもの貧困に取り組む団体に寄付をする

これらのアクションを通じて、直接的・間接的に子どもたちの食事や栄養改善を支えることができます。また、食品ロスを減らすことも、個人にできることのひとつです。

貧困をなくすこと、飢餓を防ぐことは、持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標にも掲げられている重要な取り組み。この記事を読んでくださったあなたも、子どもたちのより良い未来のために、できることから始めてみませんか?

写真:栄養価の高いおかゆを子どもに与える母親(ギニア)

栄養価の高いおかゆを子どもに与える母親(ギニア)

子どもたちが貧困の連鎖から
抜け出せるように

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国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

写真:プラン・スポンサーシップ

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