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インドネシアにおける教育の問題|子どもたちへの教育支援

(2024年02月26日更新)

インドネシアは大小約1万3500もの島々からなる東南アジアの国です。世界第4位の2億7750万人以上の人口を有しています。
しかし、著しい経済発展の陰で、首都ジャカルタなどの都市部と、遠隔地の農村部ではあらゆる格差が生じています。教育もそのひとつです。初等、中等教育の就学率が高い一方で、地域間の教育格差や教師の質の低下、教育への国家予算の不足など、解決に至っていない課題が多くあります。今回はインドネシアの学校教育について考えてみましょう。

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作文を学ぶ子どもたち

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インドネシアにおける教育の現状

まず、現在のインドネシアの教育システムと就学の現状についてみてみます。

インドネシアの教育制度

インドネシアでは、幼児教育を提供する幼稚園などの就学前教育機施設の9割以上は私立となっています。小学校6年間、前期中等教育の中学校3年間、後期中等教育の高校3年間と続き、その後高等教育機関である大学に進みます。そのうち義務教育は日本と同様、中学校までの9年間とされています。ただし、小学校、中学校、高校すべての段階で卒業時には統一国家試験が実施され、この試験に合格しなければ卒業できません。

また学校の種類も2種類あり、教育文化省が所管する一般の学校のほかに、宗教省管轄のイスラム系の伝統や考えに沿った教育を行うマドラサやプサントレンと呼ばれる学校があります。インドネシアの公用語はインドネシア語ですが、上述の学校では地域の文化や言語を学ぶ授業もあります。一般の学校においても、生徒の信仰する宗教に合わせて宗教の授業が設けられています。

写真:インドネシアの学校の教室で学ぶ生徒たち

インドネシアの識字率と進学率

インドネシアの教育文化省は、2016年の調査で15〜59歳の識字率が97.93%に達していることを発表しています。しかしながら、パプア州では読み書きができない人の割合は28.75%にも上り、州によって大きな差が生じているのがわかります。

2022年の就学率をみると、小学校にあたる7〜12歳が99.1%、同じく中学校の13〜15歳が95.9%と高い水準になっています。一方で高校の就学率は2021年から2022年にかけて0.06%と増加傾向にありますが、73.15%に留まり(2022年)、中学までの義務教育に比べて低くなっています。

写真:中途退学したユースたちの授業

中途退学したユースたちの授業

これらのことから、識字率や基礎教育である中学校までの就学率は高いものの、高校への進学率の低さやすべての教育課程での中途退学率の増加など、課題があることがわかります。

    【出典】

  1. 「3,4 Juta Warga Indonesia Belum Bisa Baca Tulis」(Health Liputan6)
  2. 「Angka Partisipasi Sekolah Indonesia Cenderung Menurun pada 2022」(インドネシア中央統計庁)
  3. 「Angka Putus Sekolah di Indonesia Meningkat pada 2022」(インドネシア中央統計庁)

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インドネシアにおける教育問題

インドネシアでは、教育に関わる課題が山積しています。ここでは、インドネシア政府も重要視しているいくつかの問題について解説します。

所得によって教育格差がある

インドネシア政府の中央統計局が2023年に報告した「教育統計」では、社会経済的地位の高い家庭の子どもほど、高校や大学に進学していることがわかります。所得差は、年齢が上がるにつれて就学率の差を広げる傾向にあります。義務教育期間中の7~12歳の就学率においては、高所得層が99.37%、低所得層が98.78%とその差はほとんどみられません。しかし、大学にあたる19~23歳の就学率となると、高所得層が45.01%、低所得層が18.60%と、その差は歴然としています。入学金や学費を無料とする学校運営支援はあるものの、それ以外の費用がかかるため、大学進学をあきらめざるを得ない場合もあります。

写真:児童婚から逃れて高校へ通学する女の子たち

児童婚から逃れて高校へ通学する女の子たち

国民の学力が低い

生徒の学力レベルに関して、インドネシアはOECD(経済協力開発機構)が実施したPISA(学習到達度調査)において、対象81カ国のなかでも低い順位を記録しています。読解リテラシーが71位、数学的リテラシーが70位、科学的リテラシーが67位となっていて、これは読解力や発想力、創造力を養う機会やカリキュラムが少ないことが一因として考えられます。インドネシアでは「教員には絶対に従うべき」という教育文化があるため、生徒は教師の教える内容に対し、疑問を持って自由に発想する経験が不十分であると考えられます。

  • ※PISAとは?
    Programme for International Student Assessmentの略称で、OECDが行っている国際的な学習到達度に関する調査のことです。義務教育が終了する15歳の生徒が、学んだ知識をどれだけ実生活に活用できるかを測ることを目的としています。

教師の質が低い

日本では教師になるには、必ず教員試験に合格しなければなりません。しかしインドネシアでは、適切な訓練を受けた有資格の教師の割合が、初等教育で約45%、中等教育で約48%と半数を下回ります。またインドネシア政府の教育予算は他国に比べて少ないため、教師の給料や養成に割り当てられる予算も不十分です。結果的に教師は副業をせざるを得ず、教師としての仕事に割く時間も減りがちです。このことが、教師の質低下を招く原因のひとつになっています。

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プラン・インターナショナルによるインドネシアへの教育支援

インドネシアでは、都市部と農村部との間に大きな教育格差があります。遠隔地の農村地域では、ジェンダーの違いによっても教育機会に差が生じています。農村部では、結婚を含めた子どもの将来を親が決めるのが一般的で、女の子に教育を受けさせるよりも早く結婚させる慣習が残っているのです。
プランはインドネシアの女の子が児童婚による妊娠や出産で教育を断念することないように、児童婚の弊害や将来の目標など、自分の未来を自分で選択できるよう後押しするプロジェクトを実施しています。

写真:プラン・インターナショナル女の子の児童婚を減らしていく「未来の選択」プロジェクトで意見を述べる女の子

誰もが学び続けることができるように

インドネシアと同じく、アジアの国々のなかには経済成長が著しい状況にあっても、その発展から取り残されている離島や農村が多く存在します。そうした地域では多くの子どもたちが学ぶことの喜びを感じ、夢を持ちながらも、家庭の経済状況や地域の慣習などによって、進学を断念せざるを得ない状況にあります。なかでも女の子たちは、その影響をより強く受ける傾向にあります。

ジェンダーや地域にかかわらず、インドネシアの子どもたちが教育を受け続け、経済的自立や夢の実現を果たせるよう、あなたにできる方法で応援していただけることを願っています。

子どもを中心に、地域全体を支援する
プラン・スポンサーシップに、
ぜひご参加ください。

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国際NGOプラン・インターナショナルについて

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

写真:プラン・スポンサーシップ

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