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エシカルファッションとは?注目される背景や私たちにできる取り組み

(2025年12月17日更新)

この記事では、エシカルファッションの基本概念から国際的な評価基準、サステナブル・スローファッションとの違いまでをわかりやすく解説します。また、認証マークの選び方や不要衣類の循環といった日常で実践できる方法、企業が国際NGOと協働し社会課題の解決に挑む取り組み例も紹介。衣服選びを通して社会に良い影響を生み出すための具体的なヒントが得られます。

エシカルファッションとは?

エシカルファッション(Ethical Fashion)は、衣服の「作る・運ぶ・売る・捨てる」あらゆる段階で、人と地球環境への配慮を徹底する取り組みを指します。エシカル=倫理的・道徳的という語源どおり、強制労働や過剰な資源消費を抑え、労働者の人権と自然の再生力を守ることが柱となります。ここでは、その理念と具体的な評価基準をわかりやすく解説します。

イメージ:ハンガーに吊るされた洋服

エシカルファッションの8つの基準

エシカルファッションを評価するうえで世界的な指標となっているのが、英国発のファッション業界プラットフォーム「Common Objective(CO)」が策定した“8つの基準”です。COは、ブランドやサプライヤーが社会的・環境的インパクトを可視化し、改善を図れるよう支援する目的でこの評価軸を構築しました。
特徴的なのは、単に「エコ素材を使っているか」を見るのではなく、労働環境・動物福祉・地域社会への貢献といった倫理的側面までバランス良くカバーしている点です。製造現場から流通、さらには廃棄プロセスまでを一貫してトレースできるため、ブランドは透明性を高めやすく、消費者は信頼できる“エシカルブランド”を選択しやすくなります。

「Common Objective(CO)」の “8つの基準(CO Eight Criteria)”

  1. 環境保護:自然環境を守り、環境負荷を減らす取り組み
  2. リサイクルと廃棄物:廃棄物削減と資源の再利用を促進
  3. 環境に優しい素材:持続可能で身体や環境に害の少ない素材を使用
  4. 公正取引:生産者が公正な報酬と取引環境を保証されること
  5. 適切な労働条件:労働者の安全や健康、権利を尊重する
  6. 伝統技術の支援:地域の伝統的な技術や文化を尊重し支援する
  7. 倫理的調達・サプライチェーン管理:透明性と倫理性のある調達を目指す
  8. 動物に優しい:動物福祉に配慮した方法で作られていること

エシカルファッションに関連する考え方

エシカルファッションと並んで語られる概念に、サステナブルファッションとスローファッションがあります。3つは互いに重なり合いながらも、焦点の当て方が異なります。

サステナブルファッション:
地球環境保全を最優先に掲げ、原材料調達から廃棄プロセスまで“持続可能性”を追求する広義のファッション概念。
スローファッション:
少量生産・長期使用を推奨するライフスタイル寄りの思想。大量生産・大量消費が前提のファッションとは対照的に、服1点を長く愛用することで廃棄物と資源消費を最小化する。

エシカルファッションはこれら2つを内包しつつ、「労働搾取や動物虐待を行わない」「地域社会に利益を還元する」といった“倫理”の要素を強調している点が特徴です。特にレザー製品に関しては、動物福祉や環境負荷への配慮が求められ、素材の選択や生産過程の透明性が重要視されます。

なぜ今、エシカルファッションが注目されているの?

背景にあるのは、従来型ファッションが抱える環境破壊・労働搾取などの社会課題への関心の高まりです。特に2013年に起きたバングラデシュ・ラナプラザ縫製工場の崩壊事故は、1,100人以上の犠牲者を出し“ファッションの裏側”に潜む劣悪な労働環境を世界に知らしめました。この悲劇を契機に「安さの裏に何があるのか」を問う声が急増し、透明性と倫理性を兼ね備えたブランドを選ぶ消費者が増加。
さらにSDGsや脱炭素経営などグローバルな潮流も後押しし、企業側もサプライチェーンの見直しやエシカル基準の導入を急いでいます。結果、エシカルファッションは“一過性のトレンド”ではなく、業界を再構築する新たなスタンダードとして注目を集めているのです。

ラナプラザの事故

2013年4月、バングラデシュ・ダッカ近郊の縫製工場ビル「ラナプラザ」が違法増築と壁の亀裂を無視して操業を続けた結果、突如崩落。約1,100人が死亡し2,500人超が負傷した。安価なファストファッションを支える低賃金・長時間労働、安全軽視が世界に可視化され、サプライチェーンの透明性とエシカルファッション推進の必要性を強く訴える転換点となった。

身近なことから始める「エシカルファッション」との向き合い方

「エシカルファッション=高価で専門店しか買えない」と感じる人も多いかもしれません。しかし、エシカル消費は専用ブランドの服を購入するだけにとどまりません。新しい服を選ぶ前に“本当に必要か”を考え、手持ちの服をどう活かすか意識を変えるだけでも十分に実践可能です。ここでは、認証マークのチェックから不要衣類の回収に参加するなど、今日から始められるおすすめの向き合い方を紹介します。

認証マークのついた製品を選ぶ

エシカルファッションの“確かな証拠”を手がかりにしたいなら、まずは認証マークに注目しましょう。認証マークとは、商品やサービスが第三者機関の審査を経て特定の基準・規格を満たしていると証明するラベルのこと。店頭やECサイトでロゴを見つければ、その一着が環境・社会面で一定水準をクリアしているとひと目でわかります。代表的なものを覚えておくと、買い物の判断が格段にスムーズになります。

エシカルファッションに関連した認証マークの例

  • GOTS(Global Organic Textile Standard)
    オーガニック繊維製品に関する国際的な認証基準で、オーガニック原料の使用割合、有害化学物質の厳格な管理、排水処理の基準、労働者の権利保護など、環境・社会の双方に配慮した要件を定めています。
  • 国際フェアトレード認証ラベル
    生産者が公正な取引条件のもとで安定した収入を得られるよう支援する認証で、農家や労働者の生活改善と地域の持続的発展を目的としています。原材料や生産工程のトレーサビリティが確保されている点も特徴です。
  • エコテックス®スタンダード100(OEKO-TEX® STANDARD 100)
    繊維製品に含まれる有害化学物質を厳しい基準で検査し、人の健康に害を及ぼさないことを保証する国際認証です。用途や年齢別にクラス分けされ、特に乳幼児向け製品は最も厳しい基準が適用されます。
  • GRS(Global Recycled Standard)
    リサイクル素材の含有率を第三者が認証する国際基準で、化学薬品管理、環境負荷の低減、労働環境への配慮なども対象としています。資源のトレーサビリティを重視し、リサイクルの信頼性を担保する点が特徴です。

不要衣類の回収・リメイクに参加する

着なくなった古着をゴミ袋へ直行させる前に、衣料品の回収・リメイクの仕組みを活用しましょう。近年は店舗に回収ボックスを設置し、リユースやアップサイクル/リサイクルに回すアパレル企業も増加中。資源として循環させれば、原料やエネルギーを新たに投入する量を抑えられます。自宅で眠る衣類を定期的に整理し、回収拠点へ持ち込むだけでも立派なエシカルアクションです。

本当に必要な服だけを買う

購入前に「これは本当に必要?」「10回以上着るイメージがある?」と自問するだけで、衝動買いは大幅に減ります。質の高い定番アイテムを選び、リペアやお手入れをしながら長く着続ける──そんな“少数精鋭クローゼット”は、廃棄物も環境負荷も抑える最短ルートです。

ブランドの取り組みを調べる

買い物は“投票”でもあります。企業の公式サイトやサステナビリティ報告書をチェックし、「どこで・誰が・どうやって」作ったかを確認しましょう。情報開示が透明で、方針が自分の価値観に合うブランドを応援すれば、市場全体にエシカルな流れを後押しできます。

エシカルファッション推進に向けた企業の取り組み事例

エシカルファッションは、素材や生地選びから生産者の権利、環境配慮、社会貢献まで多面的な取り組みが求められています。近年は、Tシャツの収益寄付や天然素材を生かした商品づくりなど、企業がプラン・インターナショナルと協働しながら社会課題の解決に貢献する事例が増えています。ファッションを通じた支援の広がりが注目されています。

イメージ:綿花

ユニクロの「PEACE FOR ALL」プロジェクト

ユニクロは2022年に、ファッションの力で平和と社会課題の解決を後押しする「PEACE FOR ALL」をスタート。著名アーティストやクリエイターが“平和”をテーマに描いたグラフィックをTシャツに落とし込み、販売利益の全額をプラン・インターナショナル他、複数の国際NGOへ寄付しています。消費者は普段着としてTシャツを選ぶだけで、貧困・差別・紛争などに直面する人々への人道支援に参加できる仕組みです。ユニクロが持つ世界2500店以上のグローバルネットワークを活用することで、寄付の輪が国境を越えて拡大し続けています。

写真:早すぎる結婚(児童婚)の理解を深めるため、クイズ形式で学ぶ子どもたち

豊島株式会社のオーガニックコットンを使った吸水ショーツ開発

ライフスタイル提案商社・豊島株式会社は、2005年からオーガニックコットンの普及プロジェクト「ORGABITS(オーガビッツ)」を展開。オーガニックコットンが使用されたアイテムを通して地球環境や社会に貢献することを目指し、さまざまなブランドへオーガニックコットンの採用を提案してきました。2021年には女性社員が中心となり、エシカルファッション視点で設計した吸水ショーツブランド「Hogara(ホガラ)」をローンチ。肌当たりの良いオーガニックコットンと高機能吸水層を組み合わせ、サニタリー期間の女性の課題解決や、使い捨て生理用品のゴミ削減に貢献しています。

イメージ:綿花

さらに売上の一部をプラン・インターナショナルへ寄付し、女の子や女性の教育・衛生課題をサポート。サステナブル素材の採用と社会貢献を両立した好事例として注目されています。

エシカルファッションを入口に、社会課題解決の輪を広げよう

私たちが服を選ぶ行為は、SDGs目標12「つくる責任・つかう責任」を体現する第一歩です。エシカルファッションは単なる流行ではなく、貧困、ジェンダー不平等、強制労働といった深刻な社会課題と密接に結びついた“社会的アクション”。生産背景に目を向けることで、搾取の連鎖を断ち切り、働く人々の尊厳と地球環境を守ることができます。

写真:プランのトレーニングに参加した女性(バングラデシュ)

プランのトレーニングに参加した女性(バングラデシュ)

同時に、ファッション産業/アパレス業界を取り巻く根本課題の解決をめざす団体へ寄付やキャンペーン参加で支援することも、私たちにできる大切な選択肢です。貧困やジェンダー格差により教育を受けられず、危険な労働に従事せざるを得ない子どもたちの未来を切りひらく取り組みは、持続可能な社会の礎を築く鍵となります。

自分のワードローブを見直すだけでなく、課題の現場に寄り添う団体を継続的に応援すれば、行動のインパクトをさらに大きくできます。まずは、国際NGOが展開するプロジェクトや寄付プログラムをチェックしてみませんか。

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運営団体

国際NGOプラン・インターナショナルについて

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

写真:プラン・スポンサーシップ

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