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企業によるジェンダー平等への取り組みとは?日本企業の事例と進め方を紹介

(2026年06月10日更新)

ジェンダー平等は、今や多くの企業にとって経営や組織運営と切り離せないテーマとなっています。日本では、男女格差や賃金格差、意思決定層における女性比率の低さなど、解決すべき課題が依然として残っています。近年は、投資家や求職者が企業の姿勢や情報開示を重視する傾向も強まっています。
この記事では、日本の現状を整理したうえで、企業の取り組み事例や、2026年4月施行の改正女性活躍推進法を踏まえた実務対応、施策を社内に定着させるための進め方を解説します。

  • 企業がジェンダー平等に取り組むうえで重要な考え方と実務のポイント
  • 日本企業の事例から見る、効果的な進め方と社内への定着方法
  • 2026年4月施行の改正女性活躍推進法で求められる実務対応の概要

日本におけるジェンダー平等の現状と企業に求められる対応

日本では、ジェンダー平等の実現に向けて、政治分野と経済分野を中心に大きな課題が残っています。2025年に世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数では、日本は148カ国中118位と、先進国のなかでも低い水準にとどまりました。特に政治分野は125位と極めて低く、経済分野も112位となっています。経済分野では、女性管理職や女性リーダーの割合が低いこと、賃金格差が解消されていないことなどが指摘されています。

Global Gender Gap Report 2025

Global Gender Gap Report 2025

こうした現状を受け、企業には採用・評価・昇進における差別の防止、意思決定層への参画拡大、出産や育児、子育てと仕事を両立しやすい働き方の構築、男女平等に関する情報開示など、組織全体での対応が求められています。これらは単なる社内制度ではなく、長期的に人材が能力を発揮できる職場環境を整えるための基盤といえます。

ジェンダー平等の基本や日本の課題については、以下の記事でも詳しく解説しています。

なお、女性活躍推進法の省令改正により、2026年4月1日からは、常時雇用する労働者が101人以上の企業で「男女間賃金差異」の情報公表が必須項目となります。詳しくは後述します。

企業によるジェンダー平等に向けた取り組み事例

多くの日本企業では、ジェンダー平等を経営課題として位置づけ、制度や意識改革、データに基づく改善を進めています。ここでは日本企業の事例をもとに、実際の取り組みのポイントを紹介します。

目標設定と全社浸透を進める取り組み:第一三共株式会社

第一三共株式会社では、女性幹部・管理職の比率に数値目標を設定し、経営層が各部門と対話しながら課題解決を進めています。テレワークの活用や育児・介護支援、不妊治療休暇など、さまざまなライフイベントに対応できる柔軟な働き方を整備している点が特徴です。女性マネジメント職のネットワーク構築やアンコンシャスバイアス研修、男性の育児休業取得促進にも積極的に取り組み、組織全体での理解を深めています。

制度・環境・意識の3面から見直す取り組み:パナソニック株式会社

パナソニック株式会社では「UNLOCK(解き放つ)」をキーワードに、多様性とインクルージョンを推進しています。柔軟な勤務制度やジョブ型人事制度の導入に加え、キャリア形成を支援する仕組みや意識改革プログラムを展開し、制度と運用の両面からジェンダー不平等の解消を図っています。

研修と両立支援を組み合わせた推進:大王製紙株式会社

大王製紙株式会社では、女性向けのキャリア研修やリーダーシップ研修、メンタリングを通じて、管理職を目指す人材の育成を進めています。同時に、育児休業や介護と仕事を両立しやすい社内制度を整え、男女で家事や子どもに関する負担が偏らない環境づくりを進めています。

女性リーダー育成と学びの機会づくり:資生堂

資生堂では、女性リーダーのロールモデルを育成するため、国内外での研修やネットワークづくりを行っています。自分のキャリアを主体的に考える機会を提供し、意思決定層への参画を後押ししています。

2026年4月施行の改正女性活躍推進法で企業に求められること

2026年4月1日から、女性活躍推進法にもとづく企業向けの行動計画や情報公表の必須項目が拡大されました。これにより、ジェンダー平等を含むダイバーシティ推進に関する企業の取り組みは、方針や姿勢の表明だけでなく、データにもとづく説明と継続的な改善がより重視されるようになります。

特に、「男女間賃金差異」と「女性管理職比率」は、従業員101人以上の企業で公表が義務化されました。これらは、男女平等や不平等の実態を客観的に把握するための重要な指標であり、自社の職場環境や評価・昇進の仕組みを見直すきっかけにもなります。

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【公表が必須となる主な内容】

従業員301人以上の企業では、以下4項目以上の情報公表が義務化されます。

  • 男女間賃金差異
  • 女性管理職比率
  • 「機会提供の実績」7項目のうち1項目以上
  • 「両立支援の実績」7項目のうち1項目以上

従業員101~300人の企業では、以下3項目以上の情報公表が求められます。

  • 男女間賃金差異
  • 女性管理職比率
  • 「機会提供の実績」「両立支援の実績」計14項目のうち1項目以上

従業員100人以下の企業は努力義務とされていますが、今後の法改正や投資家・求職者からの期待を見据えると、早期にデータ整理を進めておくことが長期的なメリットにつながります。自社の規模や業種に応じて、無理のない範囲から取り組みを始めることが重要です。

社内でジェンダー平等への取り組みを定着させるステップ

企業内でジェンダー平等への取り組みを一過性で終わらせず、持続可能な形で定着させるには、施策を増やす前に現状を把握し、改善を継続するための設計が欠かせません。ここでは、社内提案に落とし込みやすい進め方を整理します。

  • Step1:現状把握
    賃金差異や女性管理職比率、採用・昇進、育休取得などのデータを整理し、まずは事実として現状を把握します。
  • Step2:課題の特定
    整理したデータをもとに、どの工程や層で偏りが生じているのかを確認し、優先的に取り組む課題を絞ります。
  • Step3:施策の選定
    採用・評価、管理職育成、両立支援などの領域から、影響が大きく実行しやすい施策を選び、段階的に進めます。
  • Step4:KPIと責任者の設定
    KPIや担当部署、期限を明確にし、進捗を定期的に確認できる体制を整えます。
  • Step5:社内外への説明
    取り組み内容や進捗を社内外に共有し、理解と信頼につなげます。

企業価値向上につながるジェンダー平等への取り組みとは

ジェンダー平等への取り組みは、社会的責任を果たすためだけでなく、企業価値を高める長期的な投資でもあります。多様な人材が能力を発揮できる環境を構築することは、意思決定の質を高め、組織全体の持続可能性を支える要素となります。

こうした取り組みを進めるうえで重要なのが、現場の課題に根ざした知見と、国際的な視点をあわせ持つパートナーとの連携です。プラン・インターナショナルは、80年以上にわたり、世界各地で女の子や若者を中心としたジェンダー平等の推進に取り組んできた国際NGOです。教育、保健、暴力の防止、若者のエンパワーメントなど、ジェンダーと深く結びつく分野での実践的な経験と、現地ネットワークにもとづく知見を強みとしています。企業とのパートナーシップでは、寄付や支援にとどまらず、自社のDE&I方針やサステナビリティ戦略と連動した形での協働が可能です。

プラン・インターナショナルと企業のパートナーシップについて詳しくはこちら

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国際NGOプラン・インターナショナルについて

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

写真:プラン・スポンサーシップ

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