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識字率とは?国別の現状や識字率が低い原因、生活にもたらす影響

(2024年06月10日更新)

文字の読み書きや、文章を理解する能力を識字といいます。世界には教育を受けられず、簡単な読み書きすらできないために、日常生活に支障をきたしている人々が依然として大勢います。
この記事では、世界の識字率の現状について説明するとともに、非識字が人々の暮らしにもたらす影響についても詳しく解説します。

写真:黒板に文字を書く女の子(ニジェール)

黒板に文字を書く女の子(ニジェール)

識字率とは

ユネスコによると、識字とは日常生活で用いられる簡単で短い文章を理解して読み書きできることと定義されています。そして、識字率とは、特定の国や地域における読み書きができる人の割合のことをいいます。識字率は15歳以上を対象に算出され、教育水準の指標にもなります。現在世界には、7億7500万人もの非識字者がおり、その約3分の2が女性だといわれています。

写真:教室でノートをとる女の子たち(ナイジェリア)

教室でノートをとる女の子たち(ナイジェリア)

世界の識字率の現状

先進国の多くでは、識字教育を含む質の高い教育が普及しているため、識字率も高くなっています。一方、途上国では、特に農村部や貧困層において教育の機会が限られているため、識字能力の向上が課題です。ここでは、ユニセフの「世界子供白書2023」の統計データを参照しながら、地域別の識字状況や、特に識字率の低い国について解説します。

【地域別】世界の識字率

地域別に見ると、識字率100%を達成しているのはヨーロッパや中央アジアで、東アジアや太平洋諸国、ラテンアメリカやカリブ海諸国も98%以上となっています。一方で、南アジア、アフリカ地域は他の地域に比べて識字率が低く、男女間格差も顕著です。

地域名 男性(%) 女性(%)
東アジア・太平洋諸国 99 99
ヨーロッパ・中央アジア 100 100
東ヨーロッパ・中央アジア 100 100
ラテンアメリカ・カリブ海諸国 98 99
中東・北アフリカ 92 88
南アジア 92 89
サハラ以南のアフリカ 79 74
東部・南部アフリカ 80 80
西部・中部アフリカ 78 68

世界の中でも識字率が低い国や地域

国別のランキングで識字率が低い国々は下表の通りです。南スーダン、ニジェール、中央アフリカ共和国の3カ国は、いずれもサハラ以南アフリカに位置しています。これらの国々は、慢性的な貧困に加え、紛争、干ばつによる飢餓などの深刻な問題に直面しており、子どもたちの教育を後回しにせざるをえない現状があります。

写真:難民のための一時保護施設内の子どもひろば(南スーダン)

難民のための一時保護施設内の子どもひろば(南スーダン)

*若者(15~24歳)の識字率

国(地域)名 男性(%) 女性(%)
南スーダン 48 47
ニジェール 51 36
中央アフリカ共和国 48 29
日本の識字率は100%ではない?

日本では、全国的な識字調査は戦後に一度、連合国総司令部(GHQ)のもとで実施されただけです。調査によると非識字者は1.7%で、この結果と、その後の義務教育の普及により、「日本の識字率はほぼ100%」であると認識されてきました。しかし近年、実態は少し異なることが分かってきました。戦中・戦後のなか教育を受けられなかった人や、病欠や不登校などで小学校・中学校で十分な学びを得られなかった「形式卒業者」、外国人労働者の増加など、ひらがなや漢字の読み書き、計算などに困難を抱える人々の存在が明らかになりました。自治体が運営する公立の夜間中学や、民間の自主夜間中学が、こうした人々の学び直しの支援を始めています。

識字率が上がらない原因

読み書き能力や基本的な計算の能力を身につけるためには、義務教育を含めた教育の拡充が不可欠です。しかし、世界にはさまざまな理由で教育を受けられない子どもたちが大勢います。

ここでは、識字率の向上に不可欠な、子どもや若者の教育を妨げている要因を3つ挙げます。

戦争や紛争

紛争によって学校が閉鎖されたり、住んでいた場所が危険にさらされ、難民として別の地域で生活せざるを得なかったりすると、子どもたちは正規の教育を十分に受けることができません。なかには兵士として戦場に立たされているケースもあります。ユニセフが2018年に実施した調査では、紛争や災害の影響を受ける国々に暮らす15~24歳の若者の10人に3人が読み書きできず、その割合は世界の非識字率の3倍にものぼるということが報告されています

写真:学校が国内避難民の人々の避難所に(スーダン)

学校が国内避難民の人々の避難所に(スーダン)

学ぶ環境

政治的、経済的に不安定な状況が続いている国々では、教育や医療などの公的なサービスへの投資が後回しにされがちです。その結果、学校数自体が不足し、教育環境改善のための資金や、教師などの人材も足りないなど、さまざまな教育課題が生まれています。このことも、識字率の低さに影響を及ぼしています。

写真:慢性的な社会不安、食料危機が続くハイチ

慢性的な社会不安、食料危機が続くハイチ

女性に不利な慣習や差別

世界には、女の子や女性に教育は必要ないという考え方が根強く残っている国や地域があります。18歳未満での早すぎる結婚(児童婚)や望まない妊娠によって学校に通えないケースも多くみられます。児童婚を強いられた女の子たちは、学校を中途退学せざるを得ないことが多く、家事や育児をこなさなければなりません。ジェンダー不平等による女の子の教育機会の損失が、識字率の低さにもつながっています

写真:

識字率の低さが生活に与える影響は?

識字率の低さは、個人の生活だけでなく、社会や国全体の持続可能な発展にも影響を及ぼします。非識字の場合、職業の選択肢が狭まり、低収入の仕事にしか就けない可能性が高まります。その結果、貧困や社会的な疎外・差別が世代を超えて連鎖することも。また、選挙や契約に関する文書が理解できず、社会活動や政治への参加が難しくなる場合もあります。親が教育を受けていない場合、自分の子どもにも教育は必要ないと考えるケースも多々あります。

写真:10歳のときに家事使用人として働きに出された女の子(パラグアイ)

10歳のときに家事使用人として働きに出された女の子(パラグアイ)

識字率の向上を支援するプラン・インターナショナルの取り組みとは

写真:質の高い教育をみんなに

持続可能な開発目標(SDGs)の目標4.「質の高い教育をみんなに」のターゲット6では、2030年までにすべての若者と成人が、男女ともに読み書き能力、基本的計算能力を身につけられるようにすることを掲げています。識字率の向上には、一人ひとりの生活の質を向上させるだけでなく、社会全体の経済的、文化的発展を促進する力があります。

プラン・インターナショナルは、バングラデシュ南部のコックスバザール県にある難民キャンプで、母国ミャンマーで迫害され逃れてきたロヒンギャの子どもや若者たちへの支援に継続的に取り組んでいます。
現在実施中の「ロヒンギャ難民の識字教育」プロジェクトでは、支援から取り残されがちな15歳から24歳までの若者を対象とした識字教育に力を入れています。識字クラスに参加した若者たちからは、知識を習得することへの純粋な喜びの声や、さらに学びたいという意欲的な声が上がっています。

写真:学用品セットを受け取った女の子と女性たち

学用品セットを受け取った女の子と女性たち

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国際NGOプラン・インターナショナルについて

プラン・インターナショナルは、女の子が本来持つ力を引き出すことで地域社会に前向きな変化をもたらし、世界が直面している課題の解決に取り組む国際NGOです。世界75カ国以上で活動。世界規模のネットワークと長年の経験に基づく豊富な知見で、弱い立場に置かれがちな女の子が尊重され、自分の人生を主体的に選択することができる世界の実現に取り組んでいます。

写真:プラン・スポンサーシップ

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