(2026年05月12日更新)
女の子支援に特化したNPO・NGOは、世界と日本のジェンダー課題に向き合い、企業が社会的価値と経営価値を同時に高めるための有効な連携先です。しかし、教育格差や若年女性の孤立など女の子を取り巻く課題は複雑で、どの団体と連携すべきか判断が難しいのも事実です。
この記事では、女の子支援NPO・NGOの具体例、支援が求められる背景、企業連携のメリット、そして失敗しないパートナー選びの軸を解説します。

- 女の子支援が世界・日本で必要とされる社会的背景がわかります
- 女の子支援NPO・NGOと連携することで企業が得られる経営メリットを知ることができます
- 企業が説明責任を果たしながら連携先を選ぶためのチェック項目がわかります
もくじ
女の子支援に取り組むNPO・NGOの例
女の子支援に取り組むNPO・NGOは、女の子や若年女性の孤立、貧困、児童婚など多面的な課題に対応しています。ここでは、企業が連携を検討しやすい代表的な団体を紹介します。
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
プラン・インターナショナルは、世界80カ国以上で子どもたち、とりわけ女の子の権利向上に取り組む国際NGOです。
途上国では教育支援や児童婚防止に取り組み、女の子が自分らしく可能性を伸ばせる環境づくりを推進しています。あわせて、紛争や食料危機などの危機的状況下では、最も大きな影響を受けやすい女の子の保護を重視し、緊急下における女の子の安全確保や支援にも力を入れています。

暴力の被害にあった女の子たちの保護(インド)
日本国内でも15〜24歳の女の子や若年女性を対象に、居場所づくりや相談支援を展開。女の子の居場所「わたカフェ」「ゆうカフェ」では、社会福祉士や臨床心理士、助産師などの専門職がチームを組み、一人ひとりの状況に応じた丁寧な伴走支援を行っています。また、全国から利用できるチャット相談窓口を設け、不安や悩みを抱える女の子が気軽に相談できる体制を整えています。

ピッコラーレ(にんしんSOS)
ピッコラーレは、妊娠をきっかけに孤立しやすい人に寄り添い、必要な情報提供や関係機関へのつなぎを行う団体です。相談窓口「にんしんSOS」を通じて妊娠に関する相談を早期に受け止め、必要な制度・医療・支援につなげています。また、居場所のない妊婦のために、医療・食・住を支える取り組みや居場所づくりにも力を入れています。若年層を含む幅広い相談に対応し、孤立や虐待のリスクに向き合っています。
特定非営利活動法人 女性サポートAsyl
女性サポートAsylは、家庭内暴力や経済的困窮などにより居場所を失った女性や母子に対し、一時的な居場所の提供と生活再建に向けた支援を行う団体です。北海道を拠点に、生活困窮者向けのシェルター事業や相談支援を通じて、安全な居住環境の確保と、自立に向けたステップづくりを支えています。地域機関と連携しながら若年層を含む女性に寄り添い、地域で頼りにされる存在となっています。
女の子の支援はなぜ必要?世界と日本が直面するジェンダー課題
途上国では、貧困や社会的慣習を背景に、女の子が教育より家事や家族の役割を優先させられることが少なくありません。その結果、早い段階で学校を離れ、児童婚によって学ぶ機会を失うケースもあります。教育機会の欠如は、将来の仕事や社会参加の選択肢を狭め、本人の自立だけでなく、地域や国全体の発展にも影響を及ぼします。
また、紛争や食料危機などの不安定な状況下では、女の子が学校から離れるリスクがさらに高まり、安全や健康が脅かされることもあるため、危機下での保護や支援が重要とされています。

14歳で結婚した女の子(バングラデシュ)
一方日本では、若年女性の孤立や見えにくい貧困が問題となっており、SNSを通じた搾取や犯罪被害のリスクが高まっています。相談窓口につながりにくい状況のなかで、安心して過ごせる居場所や早期相談、場合によっては緊急支援への導線が欠かせません。しかし、公的支援だけでは個別事情に対応しきれず、NPO・NGOなどの支援団体が相談支援や居場所づくりを補完する役割を担っています。こうした民間の取り組みに関心を寄せ、企業が連携を通じてジェンダー課題の解決に関わる動きも広がっています。
企業が女の子支援に注目する理由とは?NPO・NGOとの連携がもたらす経営的価値
女の子支援NPO・NGOとの連携は、持続可能な開発目標(SDGs)の達成だけでなく、企業のブランド価値向上、人材育成、未来の事業機会創出にもつながります。
【ブランド価値の向上】ジェンダー平等(SDGs目標5)への貢献
女の子支援はSDGs目標5への具体的な貢献として示しやすく、「社会課題に向き合う会社」という信頼を得られます。
取り組みの例
- 公式サイトやSNSで「今年も女の子支援のため〇〇に寄付しました」と報告
- 店頭POPで「売上の一部を女の子支援に寄付」と掲示
- 社員が女の子支援NPOのボランティア活動に参加し、社内報や企業のホームページ・SNSに投稿

人的資本経営の推進
女の子支援を通じて、社員が多様な困難やジェンダー課題を理解する機会になります。DE&I推進や企業文化の形成にも効果があります。
取り組みの例
- 社員有志でNPO・NGOの女の子支援ボランティアに参加
- 社内勉強会で「女の子の困りごと」をNPO・NGO担当者から学ぶ
- 新入社員研修に「社会貢献体験」として、女の子支援NPO・NGOでのボランティア活動を組み込む
たとえばプラン・インターナショナルでは、女の子や若年女性の声、支援現場で得られた知見を共有する機会を通じて、企業をはじめとする多様な主体が連携し、人材育成やDE&I推進を考えるきっかけを提供しています。

企業でのDE&I研修
事業機会の創出
NPO・NGOの現場知見は、商品開発やサービス改善に役立つ可能性があります。若年女性のニーズを反映した共創は、新しい市場をひらく機会にもなります。
企業がNPO・NGOと連携する際に確認しておきたい15の項目
女の子支援に取り組むNPO・NGOは、団体規模や体制、活動領域が大きく異なります。そのため、「共感」だけで連携先を選ぶのではなく、次の3つの観点から、説明責任を果たせる団体かどうかを確認することが重要です。
- 戦略の適合性:自社の強みを活かし、本業と相乗効果を生めるか
- 信頼性とガバナンス:透明性・財務・体制が整い、説明責任を果たせるか
- インパクトと実行力:支援が現場に届き、成果を可視化・発信できるか
以下では、企業が連携先を検討する際に役立つ15のチェック項目を整理しました。
| 確認の観点 | チェック項目 | 確認のポイント(詳細) |
|---|---|---|
| 戦略の適合性 | ① 特定課題への特化 | 女の子の課題に対する専門知見があり、独自の解決策が明確か |
| ② DGsへの貢献 | 目標5を中心に、自社が重視する目標との関連を説明しやすいか | |
| ③ 支援エリアの整合性 | 自社の事業領域やサプライチェーンの活動地と重なっているか | |
| ④ 本業との接続 | 資金提供以外に、自社の技術・製品・人材を活かす余地があるか | |
| ⑤ 中長期ビジョン | 単発ではなく、数年単位で成果を育てていける関係を築けるか | |
| 信頼性とガバナンス | ⑥ 情報の透明性 | 活動内容や成果が数値(人数・回数など)を含めて公開されているか |
| ⑦ 報告体制 | 年次報告書や活動レポートが定期的に発行・更新されているか | |
| ⑧ 財務の健全性 | 寄付金の使途や財務諸表が分かりやすく開示されているか | |
| ⑨ 第三者による認証 | 認定NPO・公益法人の取得やネットワーク団体への加盟があるか | |
| ⑩ 専門家の関与 | 社会福祉士、心理職、助産師などの有資格者が現場にいるか | |
| インパクトと実行力 | ⑪ 現場の実効性 | 啓発だけでなく、女の子に直接届く支援プログラムがあるか |
| ⑫ 継続的な接点 | 単発イベントで終わらず、継続的な相談や伴走支援があるか | |
| ⑬ 成果の可視化 | 支援を受けた女の子が「どう変わったか」を数値化しているか | |
| ⑭ 社会への発信力 | 現場の声を社会へ届け、課題解決の機運を高める力があるか | |
| ⑮ 企業との連携実績 | 社員参加、共同企画など、企業が関わりやすい仕組みがあるか |
企業と協働して実現する、女の子のエンパワーメントと持続的な支援
プラン・インターナショナルは、世界80カ国以上で活動を展開する、国連に公認・登録された国際NGOです。長年にわたる途上国での継続的な女の子・女性支援の知見を生かし、日本国内でも若年女性に向けた居場所づくりや相談支援を行っています。安心して過ごせる場の提供やチャット相談、専門職による伴走支援など、現場に寄り添った取り組みを継続しています。
こうした国内外の実績に加えて、内閣府から認定を受けた公益財団法人としてのガバナンス体制を備えており、企業が社会課題への向き合い方を検討する際の参考にもなる存在です。企業のサステナビリティ方針に応じた協働プログラムを設計することも可能です。
まずは、企業がどのように女の子のエンパワーメントに関わりたいかという思いを共有いただくことから、最適な連携の形を一緒に考えていくことができます。

女の子支援に取り組むNPO・NGOに関するQ&A
運営団体
国際NGOプラン・インターナショナルについて
国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。















