(2026年02月10日更新)
- ゴミ問題が深刻化している背景と主な原因
- 日本や世界で進む廃棄物の現状
- SDGsとゴミ問題の関係
- 私たちが日常生活で実践できる廃棄物削減の具体策
私たちは、大量生産・大量消費社会に生きています。それは同時に大量の廃棄物を生み出すため、地球のあらゆる場所でゴミが溢れる結果を招き、自然環境にさまざまな負荷をかけています。SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な目標)では、目標12「つくる責任 つかう責任」を中心に、14「海の豊かさを守ろう」、15「陸の豊かさも守ろう」など、廃棄物削減と資源循環を求めていて、ゴミ問題の解決は持続可能な社会づくりの核心と位置づけられています。ここでは、深刻化するゴミ問題の原因や現状、私たちが実行すべき取り組みについて、解説します。

海岸に打ち上げられたゴミ(ハイチ)
もくじ
ゴミ問題の主な原因とは?
ゴミ問題には、多面的な原因が複雑に絡み合っています。社会全体の大量生産・大量消費化や食品ロス、使い捨ての一般化など、資源の浪費と環境負荷を加速させる要因が多く見られます。まずは、それらの原因について詳しく解説します。
消費社会の発展(大量生産・大量消費)
高度経済成長とグローバル化により、大量生産・大量消費が加速し、人々の生活が豊かになりました。その結果、短期間で使い捨てられる商品や過剰包装が一般化。以前のような修理・再利用よりも買い替えが優先されることで、廃棄される量が増え、埋立地の逼迫や温室効果ガスの排出を招いています。
食品ロス
日本では食べ残しや売れ残りなどの食品が、年間464万トンも大量廃棄されていると推計されています。この廃棄量は、国民1人あたり毎日おにぎり1個分に匹敵する量です。食料の廃棄には、輸送や焼却だけでなく、埋立ての際にエネルギーとコストがかかり、CO₂排出やメタン発生で環境負荷を増大させています。
国連環境計画(UNEP)の「食品廃棄指標報告2024」によると、世界で廃棄された食料は年間10億5,000万トンにものぼり、10億食分に相当する食料が毎日捨てられていることになります。その一方で、世界の約3分の1もの人々が食料不足に直面しています。同じ地球上で、廃棄と飢餓が並存する、という非合理な現状が起きていることがわかります。
ライフスタイルや価値観の変化
オンライン注文やテイクアウトの普及で「早い・安い・便利」が重視され、ビニール袋や皿などのプラスチック製品や紙コップ、梱包材など、使い捨て商品の需要が急拡大しました。低価格かつ手軽さゆえに、再利用や手間のかかる修理よりも買い替えが選ばれる傾向が常態化しています。
社会全体の認識不足
ゴミ削減の重要性が、生活者に十分共有されていないことも理由のひとつです。人々の意識や行動は変わりにくいため、徹底した環境教育や情報提供が必要です。不法投棄や分別不足、リサイクル体制の遅れなどが続けば、ゴミの増加と環境負荷がますます拡大していくことになります。

プラスチック廃棄物を分別する"Slums Go Green"メンバーたち(ケニア)
ゴミが増え続けるとどうなる?世界と日本の現状と課題
ゴミに関する問題は日本だけでなく、世界でも深刻さを増しています。
単なるゴミの適正処理に関わる課題にとどまらず、途上国の児童労働や健康被害といった地球規模の環境・人権課題と直結しています。
ここでは、日本と世界、途上国で起きている現状と課題についてみていきます。

”雪は減り、ゴミが増えた”とのメッセージを込めたユースの絵(ネパール)
【日本の現状】最終処分場の不足と焼却処理の課題
環境省の調査によると、令和5年度のゴミ総排出量は約3,897万トン、東京ドーム約105杯分に相当します。長期的には横ばいから微減傾向にあるものの、その総量は依然として莫大です。さらに全国の最終処分場の残余容量は約9,575万m³、残余年数は約24.8年と試算され、今のペースで埋め立てが進めば2040年代半ばには現行施設が限界に達する恐れがあるといわれています。
日本はゴミ処理の約7割が焼却処分されており、焼却施設の老朽化も進んでいます。更新・維持には1基数百億円単位のコストがかかるうえ、焼却時にはCO₂やダイオキシン類が発生し、脱炭素の観点で大きな課題となっています。
自治体間で施設更新や新設用地の確保は困難を極めています。将来にわたって安全な処理を可能にしていくためには、ごみの発生量そのものの削減や、処分場の延命策や埋め立て量の圧縮など、複合的な解決策が求められています。
【世界の現状】排出量の増加予測と地域による「処理格差」
世界全体では、都市ゴミの発生量は2020年時点で約22億4,000万トンに達しました。人口増と都市化が続くかぎり増加は止まらず、2050年には約38億8,000万トンに達し、実に73%もの膨張が見込まれています。
それらのゴミの回収・処理能力は国や地域で大きく差が開いています。先進国の収集率が約98%なのに対し、南アジアは65%、サハラ以南アフリカは46%にとどまっており、未収集のゴミが路上や空き地に放置されるほか、雨季には川や海へ流出するケースも多く、海洋ゴミやマイクロプラスチックの一因ともいわれています。

放置されたゴミを拾うユースたち(ミャンマー)
収集されないゴミは、野焼きや不法投棄され、有害ガスや地下水汚染を通じて周辺住民の呼吸器疾患・水系感染症を引き起こします。とりわけ貧困地域や農村部では、ゴミ山から金属やプラスチックを拾い集めて売ることで生計を支えている子どもや女性たちも多くみられます。ケガや病気によって健康を害するだけでなく、教育の機会の喪失など、深刻な影響が出ています。
【途上国の課題】ゴミ山での生活と子どもたちへの影響
焼却施設や埋立地が不足する多くの途上国では、巨大なゴミ集積所の周辺にスラムが形成され、生計を立てるためにゴミ山に依存する生活を余儀なくされています。その象徴的存在だったフィリピン・マニラ北部トンド地区の「スモーキーマウンテン」は政府が閉鎖し、住民を強制移住させましたが、今も類似地域が存続する事態となっています。
こうしたゴミ山で、鉄・銅・プラスチックなど換金性のある廃棄物を拾い集めるのは、多くが子どもたちです。ケガや有害廃棄物への暴露、山体崩落の危険にさらされながらも、貧困のために日の出から日没まで働かざるを得ず、学校に通うことができません。教育を受けられないまま成年に達すると、就業の選択肢が限られてしまい、貧困の連鎖を断ち切ることが難しくなります。

スラム街でゴミの中を探す男の子(インド)
ゴミ問題の解決に向けて私たちにできる取り組みとは?
日本では循環型社会の実現を目指し、政府・自治体・企業が「3R」を軸にゴミ削減を推進しています。3R(スリーアール)とは、①Reduce(リデュース=発生抑制)、②Reuse(リユース=再使用)、③Recycle(リサイクル=再資源化)の総称ですが、近年は不要・過剰な物自体を「買わない・受け取らない」Refuse(リフューズ)を加えた「4R」として、より根源的な削減アプローチが重視されています。

廃棄物を利用してバッグを作り生計を立てる女性たち(ケニア)
4Rの実践の例
Refuse(リフューズ):断る
- 不要なレジ袋や使い捨てのカトラリー、過剰な包装を断る
- ストックを確認し、“念のため購入“を減らす
- 試供品やチラシなど、すぐゴミになるものを安易に受け取らない
Reduce(リデュース):減らす
- マイバッグ、マイボトル、マイ箸を持ち歩く
- 詰め替え用製品を選び、容器のゴミを減らす
- 食品ロスを減らすため、必要な分だけ買い、作った料理は食べきる
Reuse(リユース):繰り返し使う
- 着なくなった服は、フリーマーケットやリサイクルショップ、知人に譲る
- リターナブル瓶(ビール瓶や一升瓶など)や充電可能な電池など再使用前提の製品を選ぶ
Recycle(リサイクル):資源として再生する
- 住んでいる地域のルールに従って、ゴミを正しく分別する
- ペットボトル、缶、びん、古紙、プラスチックトレイなどを資源ゴミとして出す
- リサイクル素材から作られた製品(再生紙など)を積極的に選ぶ
多くの人が毎日の暮らしの中で4Rを実行すれば、社会全体のゴミの排出量を大きく押し下げ、問題解決へ向けた大きく貢献することになるでしょう。
一人ひとりの一歩が、ゴミ問題解決の大きな力になります
ゴミによる地球環境へのこれ以上の悪影響をくい止めるには、私たち消費者がライフスタイルを大きく変えて大量廃棄をやめ、かつゴミの適正な処理が実行されることが、不可欠です。
私たちが週1枚のレジ袋を断れば、日本では年間60億枚を超えるプラゴミ削減に相当すると試算されています。一人ひとりの一歩は小さくても、多くの人が具体的なアクションを起こせば大きな変化となります。それぞれが身近にできることから少しずつ始めることで、地球を循環型社会に変える大きな推進力を生み出していくことができるのではないでしょうか。

有機分解した食品廃棄物から練炭を作るユースメンバー(ウガンダ)
途上国におけるゴミ問題は、単なるゴミや環境課題にとどまらず、子どもたちの未来に直結しています。1人でも多くの子どもたちが教育を受けられるよう、私たちプラン・インターナショナルとともに子どもたちを応援してください。貧困の連鎖を食い止めるために。

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ゴミ問題の原因に関するQ&A
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国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。












