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南スーダン難民居住区(ウガンダ)の今~新型コロナウイルスの影響~

プログラム部 
藤村 武蔵

アフリカ・中東

更新)

プログラム部の藤村です。ウガンダ、ウエスト・ナイル活動地域のアルア県に駐在し、南スーダン難民居住区での子どもの保護と月経衛生管理プロジェクトを担当しています。ロックダウン政策の開始による現地の治安状況の悪化への懸念、また日本外務省からのアフリカにおける邦人への帰国注意喚起を受け、2020年4月より一時帰国しています。 他国同様、ウガンダでも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大のため、現地の状況やプロジェクトの進捗に大きな影響が生じています。今回は、感染拡大が続くウガンダにおけるプランの取り組みを紹介いたします。

ウガンダの新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症を取り巻く状況は日々変化していますが、2020年7月19日時点の感染者数は1062人、死者0人となっています。今のところウガンダは、感染者数が10万人以上の南アフリカや5万人を超えたエジプトといった他のアフリカ諸国に比べると、感染拡大を抑えることができています。これは過去にも、エボラ出血熱などの感染症対策に力を入れ、しっかりとした基盤があることが要因ではないかと考えられています。

ウガンダでは、国内で新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認される3日前の3月18日から、国中の教育機関の閉鎖と10人以上が集まる集会が禁止され、3月23日からは全国境の閉鎖と国内移動の制限という措置が取られました。4月1日から施行されたロックダウン政策は、現在も維持されつつ、段階的に緩和にむけた動きが見られはじめているところです。
一方で、4月10日時点で53人だった累積感染者数が、6月中旬には、700人以上に増えたことから、原因を調査したところ、感染者増大の原因は、近隣諸国との間で貨物を運んでいるトラックの運転手や、感染した運転手と接触した人だということが分かりました。そのため、現在はトラック運転手を国境で検査して感染者を国内に入れない措置が取られています。また、6月以降、濃厚接触による感染や医療従事者の中にも感染者が出ていることが報道され、予断を許さない状況が続いています。

感染予防や、遠隔授業に対する支援活動

ウガンダにおける新型コロナウイルス感染症の予防対策は、各県の「感染拡大予防タスクフォース(以下、タスクフォース)」が中心となりすすめられています。各県の保健担当職員が統括し、現地で活動する国連機関や人道支援団体が参加して最新情報の共有、活動の調整等を行いながら活動しています。プランもウエスト・ナイル活動地域のタスクフォースの一員です。

写真:

タスクフォースでの調整会合の結果と居住区内のニーズを考慮し、プランは新型コロナウイルス感染症対応として、ウエスト・ナイル活動地域の南スーダン難民居住区の人々に感染予防のための必要物資の支給を行いました。

物資には、手洗い促進のための簡易手洗い場と石けん、遠距離から新型コロナウイルス感染症に関する情報を拡散するためのメガホンなどが含まれます。そのほかにも、学校が閉鎖されている間ラジオを通じて行われる遠隔授業用の学習教材や、遠隔授業を実施するために必要な教員トレーニングの実施などの支援も行っています。

写真:

プランが提供した学習教材で学ぶ難民の女の子

支給物資(簡易手洗い場、石けん、メガホン)

コミュニティを巻き込んだ対応の必要性

新型コロナウイルス感染症の影響により、プラン・インターナショナルのスタッフも居住区内を自由に移動できないなか、これまで以上に、難民居住区内のコミュティを巻き込んだ活動が大切になってきています。コミュニティ・リーダーたちにメガホンを支給し、住民にむけて新型コロナウイルス感染症についての正しい情報を共有し適切な予防対策を伝える活動は非常に大切です。

写真:

物資支給の様子

また、学校や「子どもひろばの閉鎖により家にいる時間が増えた子どもたちの中には、家庭内暴力や性的虐待の脅威にさらされている子どももいます。特に脆弱な状態に置かれている子どもを発見し、個別の適切なサポートと、場合によっては医療機関や地域の行政機関に照会するという活動も、コミュニティ内の人々の協力を得て実施しています。

  • ※「子どもひろば」
    災害・緊急時に、子どもの保護と心のケアのために設置・運営されます。現地では、混乱のなか、子ども、とりわけ女の子は虐待や搾取の対象となる危険性が高まります。子どもたちが一日もはやく日常を取り戻せるよう、遊びや学習を取り入れることで、子どもたちが抱えるストレスを軽減させ、自尊心を育み、自分を守ることができるようになることも視野に入れて活動します。また、保護者も含めた子どもの保護への理解を深める場としても重要です(詳しくはこちら

大好評の手作り石けんワークショップ

新型コロナウイルス感染症の影響により過酷な状況が続くなか、現地からはうれしいニュースも届いています!今年の2月にプランが難民居住区で実施した手作り石けんワークショップに参加した16歳の女の子のアジャさんは、感染症の影響で石けんの需要が増加していることを受け、今でも作り続け、地域の感染拡大予防に貢献しているとのこと。「このような大変な状況のなか、ワークショップを通して得たスキルにより自分が暮らす地域に貢献できることは、自信にもなるし、何より石けんを売って得た収入で家族を支えることができることが心からうれしいです」と話すアジャさんの言葉は、暗いニュースが続く今だからこそ強く心に響きました。

写真:

石けん作りを続けるアジャさん

私自身、いつウガンダに戻ることができるのか、まだ見通しが立っていませんが、今は日本からウガンダの難民居住区で生活する人々を少しでもサポートできるよう、引き続き精一杯取り組んでいきたいと思っています。

写真:帰国前に撮影したスタッフとの1枚

帰国前に撮影したスタッフとの1枚

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