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ラオス再赴任で感じた確かな変化~少数民族の子どもの教育プロジェクト~
プログラム部
鈴村 久美子
Asiaアジア
ラオス便り
(更新)
ラオスへの再赴任
サバイディー。プログラム部の鈴村です。3年間にわたり実施する「少数民族の子どもの教育」プロジェクトの担当としてラオスに駐在しています。プロジェクトの開始にあわせて、2019年12月に赴任しましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で2020年3月に一時帰国。半年を経た9月に再赴任が叶い、現在ラオスで活動をすすめています。
ラオスは2020年3月中旬に国内で新型コロナウイルス感染症の感染が発覚、厳しいロックダウンと入国管理を行った結果、総感染者数41人、死者0人(2021年1月5日現在)と低い水準に留まっています。国内では外国人観光客の多く集まる地域を除き、マスク着用の義務もなく人々はコロナ発生以前とほぼ変わらない生活を送っていますが、ラオスは内陸に位置し、周辺5カ国と陸続きにあるため、常に感染のリスクを抱えています。医療水準の低いラオスでは、感染が広がる前の予防対策が特に重要です。
車でアクセスができないメコン川沿いの村
活動地パクベン郡の今
半年ぶりに訪れたウドムサイ活動地域のパクベン。そこには、いきいきと活動するラオスの同僚やパートナーである先生たち、郡の行政職員、懐かしい村の人々や子どもたちの姿がありました。再び戻ってこられたことへの喜びをかみしめるとともに、半年間見ることのできなかった活動の様子を大慌てで確認していきました。日本に滞在していた半年間も現地で活動するスタッフと、毎日オンラインでやりとりをしながら一緒に活動をすすめてきましたが、まさに「百聞は一見に如かず」、人々の表情や活動の様子を実際に目にすると、入ってくる情報量が大きく増えます。
パクベン郡の中心地
また、現地のチームメンバーとのたわいもない会話の中で伝えられる「実はあの村では…」「あの先生は…」といった情報も重要です。そのため、現在はプロジェクトをともにすすめるチームメンバーとできるだけ長い時間を過ごし、半年分のブランクを埋めるべく、活動の成果や今後の課題を確認しているところです。
完成した幼稚園の園舎で手を洗う子どもたち
トレーニングでの学びを授業に生かす幼稚園の先生
活動を支えるプランのスタッフ
2020年12月よりこの活動も2年目に入りました。プランの活動地域の多くは都市部から離れた場所にあり、スタッフの多くも家族と離れて活動地域に滞在しています。また、新型コロナウイルス感染症により多くの活動の変更を強いられるなか、柔軟に活動を継続してくれたチームメンバーへの感謝の思いは尽きません。
なかでも、少数民族出身のスタッフが、村の人と現地語でコミュニケーションを取りながら距離を縮めてくれています。プロジェクトの活動地域には公用語であるラオス語を話せない少数民族が多数暮らしており、特に女性は村の外との交流が少ないため、ラオス語を話せない人が少なくありません。
私たちが遠隔地の村で活動するときは、学校の先生や村の民家に泊めてもらうことが多いのですが、皆で夕食をとったあとのくつろぎのひととき、泊めていただいた家のおばあさんと台所でおつまみを食べながら談笑しているスタッフの様子は、頼もしいとともに羨ましい限りです。
現地語を交えて子どもたちと話すプランのスタッフ
早朝、宿泊した村の人から情報収集をするプランのスタッフ
子どもたちの語学力が大きく改善
活動に携わるなかでの喜びは、なんといっても変化を感じられること。この1年の活動の中でも早くも成果が見えてきました。たとえば、幼稚園のない遠隔地の村で実施した、小学校に入る直前の子どもたち向けの「就学準備コース」。コース実施前の2020年3月の時点では子どもたちの平均点が100点満点中18点でしたが、コース終了後の同年10月には41点に。特にラオス語の基礎力の部分で大きな改善がみられました。これまでラオス語を学ぶ機会が無かった子どもたちにとって、ラオス語で授業が行われる小学校へ入学する前に基礎的なラオス語を学んでおくことは、生涯の学力に大きな影響を及ぼします。村を歩いていると、「来年も村に来てまた就学準備コースをやってね」「うちの子はラオス語の基本的な読み書きができるようになったのよ」「娘が学校から借りてきた本を読んでと言うから一緒に読んでるよ」など、参加した子どものお父さんお母さんたちからうれしそうに声をかけられ、日々の苦労も吹き飛びます。
授業の復習をする就学準備コースに参加した女の子
新しい園舎で学ぶ子どもたち
2年目の活動では、1年目の活動から得た課題、改善点を念頭に活動していきます。引き続き、子どもたちの明るい未来のため、皆さまの応援をよろしくお願いします。
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