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(2026年09月04日更新)


みなさんは「気候変動」と聞くと、なにを思い浮かべますか?
猛暑や豪雨、大型台風の発生といった異常気象をイメージする人が多いと思います。

しかし、気候変動の影響はそれだけではありません。世界では、気候変動によって学校に通い続けることが難しくなったり、将来の選択肢が狭まったりする子どもたちもいます。なかでも途上国の女の子たちは、その影響を受けやすい立場に置かれています。

今回は、あまり語られることのない「気候変動×ジェンダー」の問題について、わかりやすく解説していきます。

そもそも気候変動とは?

「気候変動」とは、地球の気候が長い期間にわたって変化すること。
主な原因は、自然現象によるものと、人為的なものがあり、近年の急激な気候変動は「人為的なもの」とされています。

石炭・石油・ガスなどの化石燃料を燃やすことで排出されるCO₂などの「温室効果ガス」によって、地球の平均気温が上昇し続けています。

気候変動

平均気温が上がることで、猛暑、豪雨、干ばつ、熱波、山火事などの極端な自然現象が起こりやすくなり、それによる食料不足や水不足、住む場所を追われるなど多方面に影響を及ぼします。

気候変動で、学校に通えなくなる女の子

特に途上国への影響は深刻です。

国連女性機関(UN Women)によると、気候変動がこのまま進めば、2050年までに最大1億5,800万人の女性と女の子が新たに貧困状態に陥る可能性があるといわれています。※1

気候変動により洪水や干ばつなどの災害が起こると、食料や水が不足したり、仕事や住む場所を失ったり、学校に通えなくなったりと、人々の暮らしに深刻な影響が及びます。

さらに、そこにジェンダー格差が重なることも。
気候変動による貧困が深刻化したとき、「男の子の教育を優先する」「女の子は家事をするもの」といったジェンダー規範によって、女の子の教育が後回しにされてしまう場合があります。

実際にプラン・インターナショナルの調査でも、気候変動による経済的な困窮や家事負担の増加などが、女の子の教育へのアクセスを妨げる要因になることが報告されています。※2

水不足が起きると、女の子の負担が増える?

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途上国のなかには、今でも水くみや薪集めなどを女性や女の子が担う地域があります。
気候変動で干ばつや水不足が起こると、より遠くまで水を探しに行かなければなりません。

水くみに何時間もかかれば、その分、学校で勉強する機会や、友だちと過ごす時間が失われます。

国連人口基金(UNFPA)によると、女性や女の子は水や薪を求めてより長い距離を移動せざるを得なくなり、ジェンダーに基づく暴力のリスクが高まると警告しています。※3

災害時の「性暴力」リスクの高まり

洪水、台風などの災害が起きると、多くの人が「避難所」で暮らすことになります。

そこでは、普段とは異なる環境のなかで大勢の人が生活するため、プライバシーを確保できる場所が不足することも。

UNFPAの調査によると、こうした状況下では、女性や女の子に対する性的虐待や人身取引(人身売買)、搾取のリスクが高まると報告されています。※4

災害そのものが差別を生み出すというより、もともと社会に存在していた「ジェンダー格差」や「性暴力」の問題が、災害によってさらに深刻になると考えるとわかりやすいかもしれません。

気候変動が「児童婚」につながる?

さらに深刻な問題のひとつが「児童婚」です。
児童婚とは、18歳未満の子どもが結婚、あるいはそれに相当する関係に入ることを指します。世界では今も、多くの女の子が18歳になる前に結婚しています。

なぜ、児童婚と気候変動は関係しているのでしょうか?

たとえば、干ばつや洪水によって農作物や仕事を失い、家庭が深刻な貧困状態になったとします。
女の子を学校に通わせ続けることが難しくなり、家計の負担を減らすために結婚させる──そんな選択をする家庭が出てくることも。

UNFPAは、環境危機が「収入や資産の喪失」「学校教育の中断」「コミュニティの避難」といった、もともと児童婚につながっていた要因をさらに悪化させると指摘しています。※5

プラン・インターナショナルが支援活動を行う地域でも、気候変動による生活苦のなかで女の子が学校を中途退学し、早すぎる結婚に直面するケースが報告されています。※6

このように、気候変動による災害をきっかけに食料不足や貧困が深刻化し、学校教育の中断や児童婚のリスク増加など、さまざまな問題が連鎖していくことがあります。気候変動は、女の子たちの学びや将来の可能性を奪いかねない危機でもあるのです。

日本にもある?「気候変動×ジェンダー」の問題

ここまで主に途上国の例を紹介してきましたが、なかには「遠い国のこと」「私には関係ない」と感じる人もいるかもしれません。

しかし、日本も無関係ではありません。
プラン・インターナショナルが日本国内の15〜39歳の2,070人を対象に行った調査では、過去5年間に「気象災害で自分または家族が被災した経験」があると答えた人は非常に多いことがわかりました。※7

さらに、15〜19歳で避難経験のある人では、進学や通学の中断など教育への影響を受けた割合が女性64.7%、男性61.8%にのぼっています。

また、災害時の影響には、より大きなジェンダー差がみられました。
避難所で「プライバシーや安全に不安を感じた」女性は47.5%で、男性の23.4%の約2倍に。
また、「家事やケアの負担が増えた」女性も39.2%と、男性の17.8%を大きく上回っています。

このように、私たちの社会にもともとあるジェンダー不平等が、気候変動によって表面化することがあります。

気候変動への対策:私たちができるアクション

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気候変動への対策は、国を問わず世界共通のテーマです。ここからは私たち一人ひとりができるアクションを紹介します。

普段の生活を見直してみる

生活のなかでCO₂を減らす工夫はたくさんあります。特に「移動手段」「買い物」「食事」が実践しやすいです。

たとえば、移動手段は、短い距離ならなるべく徒歩、もしくは自転車移動を。長距離移動では公共交通機関を利用してみましょう。

買い物をするときは、必要なものを必要な分だけ買う、使い捨てを減らす、長く使える商品を選びましょう。

そして食事では、フードロスを減らすほか、環境への負荷に配慮した食材を選択することも、気候変動対策のひとつです。
自分ができる無理ない範囲で、地球にやさしい選択をしていきましょう。

ジェンダー平等の意識を持つ

気候変動による災害が起こると、社会のなかのジェンダー不平等が表面化していきます。

たとえば──

  • 「女性は家族のケアを担うもの」
  • 「女の子は進学や就職よりも家庭を優先するべき」
  • 「災害時も女性が子どもや高齢者の世話を優先するべき」

普段からこうした性別役割にとらわれていないかを見つめ直し、ジェンダー平等を意識して行動することも大切です。こうした意識は、災害時や困難な状況のなかでも、誰か一人に負担が偏りにくくすることにつながります。

社会や企業の取り組みに関心を持つ

個人だけでなく社会全体が気候変動に対して関心を持ち、ともにアクションを起こすことが大切です。

私たち一人ひとりも、環境や人権に配慮しサステナビリティの精神を持った企業の商品やサービスを選ぶことで、その活動を後押しすることができます。

また、気候変動対策やジェンダー平等の推進に取り組む自治体や政策に関心を持つことも、社会を変える一歩になります。
気候変動は、もはや環境問題だけではありません。人権やジェンダー平等とも深く関わっていることを知り、社会全体の課題として考えてみることも大切です。

***

いかがだったでしょうか?

「気候変動」は、猛暑や豪雨といった異常気象だけでなく、人々の教育や暮らし、将来の選択にも影響を及ぼします。
ぜひこの機会に「気候変動×ジェンダー」の視点から、私たちの社会にどのような影響が生じているのか考えてみてください。

国際NGOプラン・インターナショナルでは、気候変動やジェンダー課題解決に向けてさまざまなプロジェクトを行っています。

気候変動の影響により失われた森林を再生するプロジェクトや、ベトナムでの早すぎる結婚の防止プロジェクト、インドにおける暴力の被害にあった女の子を守るプロジェクトなど、さまざまな取り組みを実施中です。

なお、プランが毎年10月11日の国際ガールズ・デーに発表している「世界ガールズ・レポート」の2026年のテーマも「気候変動と女の子」です。公開されたら、ぜひチェックしてみてください。

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