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SDGs目標1「貧困をなくそう」達成に向けた取り組みとは?

(2025年09月09日更新)

「持続可能な開発目標(SDGs)」は、地球規模の課題を2030年までに解決へ導くための17のゴールと169のターゲットで構成されています。
なかでも目標1「貧困をなくそう」は、すべての人に最低限の生活水準を保証し、絶対的貧困と相対的貧困の両方を終わらせるという最優先課題です。ところが、世界銀行の最新の統計では、「極度の貧困」のもとで暮らす人は世界に約8億800万人存在するとされ、気候変動や紛争が貧困の連鎖を深めています。
この記事では、目標1の概要と官民の最新取り組み事例、そして企業が果たすべき役割を解説します。

SDGs目標1「貧困をなくそう」とは

目標1:貧困をなくそう

SDGsは2015年に国連で採択され、前身のミレニアム開発目標(MDGs)を発展させる形でより幅広い課題を扱う枠組みとなりました。目標1は「あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困を終わらせる」ことです。ここでの貧困は、単に収入や資産が不足している状態にとどまりません。栄養不足、教育や医療へのアクセス欠如、差別、災害への脆弱性といった複数の要素が重なった生活上の不利を指します。

世界銀行は2025年6月、購買力平価の見直しを受けて国際貧困ラインを1日2.15米ドルから「1日1人あたり3米ドル」に引き上げました。これにより統計上の貧困人口は約1億人増えると試算され、開発途上国だけでなく先進国でも深刻化する貧困状態が浮き彫りになっています。

SDGsでは、17の大目標(ゴール)それぞれに「ターゲット」と呼ばれる具体的な達成基準が設けられています。目標1には計7項目が定められており、「いつまでに・何を・どの程度」の形で貧困削減を測定できるようになっています。

ターゲット(具体的な達成目標)
1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
1.3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。
1.4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。
1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。
1.a あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。
1.b 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。

SDGs目標1「貧困をなくそう」の実現に向けた取り組み

SDGs目標1の達成は、単に各国が自国の貧困を削減するだけでは足りません。飢餓や格差、不安定な雇用は国境を越えて連鎖するため、国際機関・政府・企業・市民社会が相互に補完し合う「官民パートナーシップ型」の取り組みが不可欠です。以下では①国際社会、②日本政府、③企業という3つの主体に分けて、代表的な施策とその意義を整理します。

国際的な取り組み

国連機関は各国政府や市民団体と手を組み、仕事づくりから農業開発まで幅広く貧困を減らしています。主に、以下の3機関が資金・技術・政策面で補い合うことで、SDGsの達成に向けて取り組んでいます。

国連による貧困の解決に向けた取り組みの例

  • 国連開発計画(UNDP)
    各国政府や市民社会と協力し、雇用創出、教育、技術訓練、基本サービスの提供などを支援
  • 食糧農業機関(FAO)
    飢餓と栄養不良の解消、持続可能な農業・農村開発を推進
  • 国際農業開発基金(IFAD)
    農村地域において絶対的貧困の状態にある人々に対して、農業開発プロジェクトへの融資や技術支援を実施

日本政府の取り組み

日本では「相対的貧困」や子どもの貧困が大きな課題です。政府は、以下の法律や制度を通じて支援を拡充することにより、国内外の貧困の悪循環を断とうとしています。

日本政府による貧困の解決に向けた取り組み例

  • 子どもの貧困対策法の施行と改正
    教育の格差是正、学習支援、生活支援、就労支援などを自治体と連携して実施
  • 生活困窮者自立支援制度
    働きたくても働けない人に対し、就労支援、住宅支援、家計相談などを通じて自立を支援
  • 児童扶養手当や就学援助制度
    ひとり親家庭や低所得家庭への支援を拡充し、子どもたちの教育機会を確保
  • ODAによる国際支援
    発展途上国に対する教育・保健・農業支援などを通じて、世界的な貧困削減にも貢献

企業による取り組み

社会的責任を果たすために、SDGsへの取り組みを進めている企業は増加傾向にあります。ESG指標が重視されるなか、企業は人権とジェンダー平等に配慮したサプライチェーンを構築し、環境的・社会的リスクを抑えています。

企業による貧困の解決に向けた取り組みの例

  • フェアトレード製品の販売
    適正な価格で商品を調達することで、途上国の生産者の生活安定を支援
  • 雇用の創出や職業訓練の提供
    就職困難者を対象にした雇用支援や従業員のスキルアップ研修を提供
  • NGO/NPOとの連携による寄付・支援
    活動に共感できる団体とパートナーシップを結び、貧困対策活動を間接的にサポート

たとえば、プラン・インターナショナルのような国際NGOと連携することにより、専門知識や現場ネットワークを活用でき、企業単独よりも実効性の高い支援や事業展開が可能になります。

企業がSDGs目標1「貧困をなくそう」に取り組む意義

貧困問題は教育機会の欠如や健康被害、社会的排除など多くの課題を引き起こす根本テーマです。そのため、国や自治体だけでなく企業もステークホルダーとして解決に関与することが求められます。自社のビジネスリソースやネットワークを活かした貧困対策は、社会的責任を果たすだけでなく、信頼やブランド価値を高める好機となります。
また、雇用創出や教育支援は自社の成長戦略とも直結します。貧困層への技能訓練や職業教育は新しい労働力の確保と地域経済の活性化につながり、将来的な市場拡大を後押しします。これらを継続的に行えば国際的なESG評価にも寄与し、中長期的な企業価値向上が見込めます。

このように、SDGs目標1への貢献は「社会課題の解決」と「企業の競争力強化」を同時に実現できる取り組みです。まずは自社の強みや事業領域と照らし合わせ、どのプロジェクトが最も社会的インパクトとビジネス的メリットを両立できるかを検討することが重要です。

2030年までに「貧困をなくそう」―公正で豊かな未来をともに―

貧困問題は経済・環境・平和のすべてと結びつく社会課題です。2030年までにSDGs目標1を達成するには、政府・企業・市民がそれぞれの立場で継続的に参加し、情報や知見を共有し合うことが大切です。CSR担当者の皆さまは、プラン・インターナショナルと連携した支援活動や寄付を通じて、公正で豊かな未来をともに築きませんか。

CSR活動や社会貢献によるSDGsの取り組み支援はこちらから

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国際NGOプラン・インターナショナルについて

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

写真:プラン・スポンサーシップ

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