(2026年01月22日更新)

あなたは、恋愛、人間関係、キャリア──すべて自分で選べていますか?
SNSを見ると、恋愛、結婚、性、キャリアにまつわるさまざまな価値観があふれ、何が本当の「自分の選択」かわからなくなることがあります。そんな今だからこそ知っておきたいのがSRHRという考え方です。
SRHRとは「自分のからだ、性、そして生き方を、自分自身で決める権利」のこと。
この記事では、今すぐ身につくSRHRの視点をわかりやすく解説していきます。
SRHRとは?
SRHR(読み方:エスアールエイチアール)は、「Sexual and Reproductive Health and Rights」の略。日本語では「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツ」や「性と生殖に関する健康と権利」とも言われます。
もっとわかりやすく表現すると、SRHRは「自分のからだ、性、そして生き方を、自分自身で決める権利」のことです。
「性や生殖」と聞くと、性教育の印象が強いかもしれません。でも実はもっと広く、人生全体に関わるテーマです。
SRHRに含まれるのは、たとえばこんなキーワード。
これらを「自分で決める」ことは当たり前のように思えますが、実際には周りの声や社会の価値観に左右されやすいことでもあります。
たとえば、恋愛や性行為を相手に委ねてしまったり、子どもを持つか持たないかの判断に、家族や周囲の意見が影響してしまったり――そんな経験がある人もいるのではないでしょうか。
SRHRとは、正しい知識を持つことで、自分のからだや人生について主体的に選択できる力を育むための概念です。
みんなが「大切だと思う」SRHRって?
SRHRは、恋愛や結婚、性やからだのことなど、さまざまなテーマを含む言葉です。そのなかで、みんなが「大事だ」と思っているのは、どんなテーマでしょうか?
国際NGOプラン・インターナショナルが全国1万人を対象に行った「一億人のためのSRHR調査」では、多くの人がSRHRで重視する項目として、「恋愛・結婚・子どもの有無の自由」をあげています。
男女によって意識の違いがはっきりと表れたのが「性的な行為の決定権」です。
女性では30代で1位だったのに対し、男性では4位。
上の図は30代までのデータですが、女性は30代・40代・50代のすべての年代で、「性的な行為の決定権」が1位となっています。
このことから、「性行為の主体性」は、女性にとって大切なテーマであることが見えてきます。
また、10代の女性では、「性と生殖に関する情報へのアクセス」「性感染症等の医療ケアへのアクセス」を大切だと考える人が多いという結果も。
男女で差が見えたSRHRのトピック
周囲やパートナーなどから「尊重されているSRHR」について聞いた質問では、性別/年代問わず「恋愛・結婚の自由」「体のプライバシー権」は尊重されている傾向が高いことがわかりました。
一方、男女で異なるのが「性的な行為の相手を選ぶ自由」の項目。
女性は20・30代(上記図にはないですが40代〜60代まで)、ほぼすべての年代で「性的な行為の相手を選ぶ自由」が尊重されているとランクイン。
逆に男性は全年代でランクインしない結果に。
さきほどの「大切だと思うSRHR」でもありましたが、男女で共通している価値観は「恋愛・結婚の自由」に対して、男女間で最もギャップが大きいものは「性行為」の項目であることがわかっています。
昨今、「性的同意」が話題になりますが、男女間でこれだけ価値観が異なるため、パートナーとのコミュニケーション、価値観のすりあわせが重要になりそうです。
また、相手から「最も尊重されていない」と感じるSRHRは、世代/性別共通して「ジェンダーに基づく暴力や強制がない」という項目でした。
たとえばこんな声──
さらにユース世代においては、「性に関する正しい情報にアクセスできない」という声も。
たとえばこんな声──
8割以上が「性的同意」を知っている。でも…
「性的同意」は、SRHRのなかでも重要なテーマ。
調査によると、「性的同意」という言葉は85%が認知しており、「性的同意は大事だ」という認識は、多くの人に共通しているようです。
しかし、その内容まで理解している人は54%にとどまり、毎回同意を確認できているのは26%と低い水準に。
「性的同意」という言葉を知っているだけではなく、継続して学ぶ意識や、実践することがとても大事ということがわかります。
やってみよう!SRHRセルフチェック
SRHRについて理解・実践できているか、簡単にチェックできる「セルフチェック」を作成しました。
以下9項目のなかで、いくつ当てはまりますか?
【目安】
- 8個以上:理解・実践がかなり高い人
- 5〜7個:もう一歩。さらに理解を深めましょう
- 4個以下:今日から少しずつ育てていきましょう
もちろん、今はできていない項目があっても大丈夫!
SRHRについて知ること、そしてこれから意識していくことが大切です。
今日からできるSRHRアクション
SRHRに興味を持った方は、今日からできる4つのアクションを試してみてください。
正しい情報源をもつ
医療や性教育については「正しい情報源」を持つことが大切です。
SNSやネット記事などには、誤情報が含まれていることがあります。迷ったときには、以下のような信頼性の高い情報源から入手しましょう。
- 公的機関(厚生労働省、日本産科婦人科学会、男女共同参画局など)
- 産婦人科医など専門家の発信
- 国際機関の発信(WHO、UNFPAなど)
- *国際情報はすべて英語のため難易度は高いですが、最近ではAIや翻訳ツールを使って簡単に調べることができます。
相談先を知っておく
生理、避妊、性感染症など、性や体について困った時に、リアルに「相談できる場所」を持っておきましょう。
相談場所を知っておくだけでも、心の安心感は大きく高まります。たとえばこちら。
- かかりつけの婦人科・泌尿器科
- 自治体やNPO/NGOが行う相談窓口
- ユース向け相談窓口
- 信頼できる大人(10代の場合)
パートナーとコミュニケーションを取る
避妊方法、性的同意、自分の境界線(嫌なこと・苦手なこと)などについて、パートナーと話し合ってみましょう。一度だけでなく、定期的に話し合うことが大切です。
最初は勇気がいるかもしれませんが、「今日はこういう気分」「あなたはどうしたい?」といった、小さな声かけからはじめてみましょう。
社会問題へアクション
日本社会には、痴漢、セクハラ、性暴力、ジェンダー役割の押しつけ、生理の貧困などなど…SRHRに関する課題が山ほどあります。
そんな社会課題に対して、少しでも関心がある人は小さなアクションを起こしてみましょう。
たとえばこんなこと――
- SRHRに関するプロジェクトを応援やシェアする
- 選挙にて、SRHRに関する政策を表明している候補者に投票する
- SRHRに関するパブリックコメントに投稿する
- SRHRの活動を行う団体に寄付をする
SRHRを「人生を切りひらく力」に
ここまで解説してきたように、SRHRを知り、実践することは「人生を切りひらく力」になります。
恋愛、結婚、出産、人間関係、仕事に至るまで――
あなたの人生のどの選択も、家族や恋人、周囲の目に関係なく、「あなた自身」が決めていいものです。
SRHRを知って、あなた自身の「選ぶ力」を育てていきましょう。
そして、自分だけでなく他者のSRHRも尊重することで、誰にとっても生きやすい社会へと近づくはずです。ぜひ、この機会に考えてみてはいかがでしょうか?
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プランでは、国内外の女の子たちのSRHRを守り、推進する活動を行っています。
「暴力の被害にあった女の子を守る」プロジェクトや、「女性性器切除から女の子を守る」プロジェクト、「早すぎる結婚の防止」プロジェクトなど、さまざまな取り組みを実施しています。
これらの活動についても、ぜひあわせてチェックしてみてください◎
SRHR for JAPANとは?
記事内の出典「1億人のためのSRHR調査」は、プランが主体団体としてパートナー団体や国際機関、企業や専門家などと取り組むキャンペーン「SRHR for JAPAN」の一環として実施したものです。
詳しくはこちらをご覧ください。







