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(2025年11月28日更新)


先日、日本ではじめて「女性の総理大臣」が誕生しました。

日本においては史上初の出来事ですが、世界に目を向けるとこれまで多くの女性の国家元首や政府の首長(大統領・首相)が活躍しています。

そこで今回は、いまこそ知りたい「女性リーダーの歴史」をわかりやすく解説。
歴史を変えたリーダーから、若者に支持の高い次世代のリーダーまで、一挙解説していきます!

歴史を変えた!偉大な女性リーダー

ここでは歴史を変えたレジェンド的な女性の国家リーダーを3名紹介します。

シリマヴォ・バンダラナイケ(元スリランカ首相)

シリマヴォ・バンダラナイケ(元スリランカ首相)

「世界初の女性首相」が、元スリランカ首相のバンダラナイケ氏です。
1960年に当時のセイロン(現スリランカ)で首相に就任。もともとは首相である夫が暗殺された後に政党のリーダーとして指名されて政界に登場。

任期中には、教育機関や輸送業などの国有化政策を進め、農村の女性支援や社会的平等の実現を目指しました。また、1972年にはスリランカ共和国として位置づける新憲法を制定し、国づくりの方向性を大きく変革しました。
バンダラナイケ氏の登場は、のちに続く「女性が国家トップに立つこと」の先例を作りました。

マーガレット・サッチャー(元イギリス首相)

1979年、英国初の女性首相として就任し、11年にわたり国を率いたリーダー。
厳格な姿勢と強い信念から「鉄の女」という異名で呼ばれた人物。当時低迷したイギリスにおいて、経済・社会面の両方で強い改革を起こした実行力で知られています。

70・80年代は女性が政治の中心に立つことが珍しかった時代。自らの存在で多くの女性に「リーダーになれる」という希望を与えた開拓者的存在です。

マーガレット・サッチャー(元イギリス首相)
エレン・ジョンソン=サーリーフ(元リベリア大統領)

エレン・ジョンソン=サーリーフ(元リベリア大統領)

アフリカ大陸において、初めて選挙で選ばれた女性国家元首がサーリーフ氏です。
戦争や紛争で荒廃した国を立て直すなかで、教育などの公共政策、女性起業家支援を強く打ち出し立て直しに成功。女性の参画と平和構築に貢献したとして、2011年にノーベル平和賞を受賞しています。

時代も国も違う3人ですが、共通しているのは「女性が政治のトップに立つのは難しい」と言われていた時代に、その壁を打ち破ったこと。彼女たちは世界に「女性リーダーの可能性」を示しました。

若者人気も!次世代の女性リーダーたち

続いて、近年注目を集めている女性リーダー4名を紹介。
近年は30〜40代の女性首相が相次いで誕生し、これまでの「強いリーダー像」から、「共感型のリーダー像」へと支持がシフトしています。

サンナ・マリン(元フィンランド首相)

サンナ・マリン氏は、34歳でフィンランド首相に就任し、当時世界最年少の首相として注目を集めた人物です。
労働者家庭の出身で、両親が同性パートナーという経験から、多様性と平等を重視する政治を展開。

在任中は、育児休暇の男女平等化、教育投資の拡大、2035年カーボンニュートラル目標などを推進。SNSを通じた率直なコミュニケーションで若者の共感を得て、とりわけZ世代から注目される存在となりました。

サンナ・マリン(元フィンランド首相)
ジャシンダ・アーダーン(元ニュージーランド首相)

ジャシンダ・アーダーン(元ニュージーランド首相)

2017年、37歳でニュージーランド史上最年少、また3人目の女性首相に就任。
テロ事件やコロナ禍対策では、被害者や国民に寄り添う誠実な発信を続け、強さと優しさを両立したリーダー像を体現。

育児と政治を両立し「子育て中の首相」としてもメディアで話題に。就任当初から共感と対話を重んじる姿勢を示しており、「Be kind(優しくあれ)」という言葉を通じて新時代のリーダー像として人気を得ました。

メッテ・フレデリクセン(デンマーク首相)

2019年、デンマーク史上最年少の首相として41歳で就任。
政治学を学んだ経験を活かし、若い世代の声を政策に取り入れる姿勢が特徴です。

パンデミック時には率直かつ迅速な情報発信を行い、国民との対話を重視したリーダーシップを発揮。SNSを活用した親しみやすい言葉での発信が、広く共感を呼び支持を集めています。

家庭や育児を大切にしながら政治に携わる姿は、同世代の女性に勇気を与えており、北欧らしい「共感型リーダー」として国内外で注目されています。

メッテ・フレデリクセン(デンマーク首相)
蔡英文(元台湾総統)

蔡英文(元台湾総統)

台湾初の女性総統(国家リーダー)として2016年に就任。
米コーネル大学と英LSEなどで法学を学び、知性と実行力をあわせ持つリーダーとして知られています。他国と協力しながら台湾経済を盛り上げつつ、アジアで初めての同性婚合法へと導きました。

SNSでの発信力や柔らかな語り口、猫好きな一面も知られ、若者から「親しみやすく信頼できるリーダー」として高い支持を得ました。民主主義とジェンダー平等の象徴的存在として知られています。

4人に共通するのは、女性として国家のトップに立ち、柔軟な発想でパンデミック対応や社会改革を主導した点です。異なる背景を持ちながら、彼女たちは「女性リーダーの新たな可能性」を示し、国際社会に大きな影響を与えました。

  • All photo by : Shutterstock

男女平等はまだまだ遠い?データで解説

紹介してきたように、世界では数多くの女性リーダーが活躍してきました。
男女の差(ジェンダーギャップ)は縮んだように感じますが、実際はどうなのでしょうか?

最新のデータとともに解説します。

女性の国家リーダー

これまで女性が国家リーダーを務めた国は、全部で60カ国。世界全体の約3割にのぼります。※1

「え、意外と多い!」と思った方もいるかも知れませんが、これらは過去の総数に基づく数字です。現在の時点で女性が国家リーダー(大統領・首相など)を務めている国は25カ国。※2

国連加盟193カ国のうちたった12%。まだまだ男女平等とはいえない状況です。

国連によると、現状のペースでは、国のトップにおける男女平等を実現するには130年かかる見通しに…!果てしない年月がかかります。※3

女性の閣僚

政治の中枢を担う閣僚(大臣)の男女比率はどうなっているのでしょう?
女性の閣僚は、世界平均で約4人に1人(22.9%)。閣僚の半数以上を女性が占める国はわずか9カ国にとどまります。※3

日本の場合は約10人に1人(11%)と、世界平均からみて半分以下の状態です。

女性の国会議員

世界の女性議員の割合は下院(日本でいう衆議院)で約4人に1人(27.2%)。※3

日本は約6人に1人(15.7%)と、こちらも世界平均と比べて少ないことがわかります。

また、世界をみても女性の議員は約4人に1人しかおらず、まだまだ国会のなかで男女平等は遠い状況です。

どうすれば女性リーダーが増えるの?

国家元首や政府の首長、閣僚、議員──女性のリーダーはまだまだ少ない状況。どうすれば女性のリーダーが増えるのでしょうか?
他の国を例に、2つのヒントを紹介します。

1. 「クオータ制」の導入

女性を増やすべく「クオータ制」を導入している国は多くみられます。

クオータ制とは、「議会や政党などに、女性を一定割合以上含めなければならない」というルールのこと。

政治や企業の意思決定の場において、圧倒的に男性比率が高いため、この差を埋めるための制度。

フランス、スペイン、ルワンダ、メキシコなどでは、法的にクオータ制が定められています。
その結果、ルワンダでは女性議員比率が60%を超え、女性閣僚・大統領も生まれました。

法的に定められていない国(スウェーデン、ドイツ、ノルウェーなど)でも、政党が自主的にクオータ制を導入している例もあります。

日本では法的なクオータ制はなく「努力義務」にとどまっています。
ただ、日本の女性議員比率は約15%程度とOECDで最下位クラスですので、「法的なクオータ制を導入すべきでは?」という意見も多くみられます。

2. ジェンダー平等の浸透

ジェンダー平等が浸透している国では、女性のリーダーが生まれやすい傾向があります。

たとえば、ジェンダー教育やジェンダー平等政策に力を入れている北欧5カ国では、すべての国で女性首相を輩出しています。

なかでも特筆すべきは、世界最年少首相のサンナ・マリン氏(フィンランド)の誕生や、世界で初めて同性パートナーを公にして首相を務めたヨハンナ・シグルザルドッティル氏(アイスランド)の起用です。

ジェンダー平等が浸透している国では、「能力があれば誰でもリーダーになれる」という意識が根づいています。

そのため、10代、20代の女性たちが将来の選択肢として「企業のリーダー」や「政治のリーダー」を自然に目指すことができるのです。

誰もが「リーダー」になれる時代へ

日本でも、総理大臣、都道府県知事、市区町村長など、各界のリーダーに女性が就任する例が増えてきました。女性リーダーが珍しくなくなる兆しがみえてきたものの、男女同数になる未来には、まだ道半ばです。

女性のリーダーが増えることは、女の子たちに大きな希望をもたらします。
「私にもできるかも?」「私もリーダーを目指したい!」といった意識が芽生え、同じ道を目指す人が増えやすくなるからです。

元ニュージーランド首相のアーダーン氏は、首相退任のスピーチで「誰であってもリーダーになれる」と語り、その言葉は大きな反響を呼びました。

また、「リーダー=組織を率いる人」だけではありません。
会社、コミュニティ、NPO、ボランティアなど、あらゆる場面でリーダーシップは発揮できます。

リーダーシップを持つことは、主体性を育み、自分の人生を切り開く力にもつながるのです。

女性総理の誕生をキッカケに、ぜひ「女性のリーダー」や「リーダーシップ」について、あらためて考えてみてはいかがでしょうか?

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