(2026年09月17日更新)
世界経済フォーラム(WEF)が、2026年版「グローバル・ジェンダー・ギャップ報告書(Global Gender Gap Report 2026)」を発表しました。日本は145カ国中117位となり、前年から順位を1つ上げたものの、依然としてG7のなかでは最下位となっています。
ジェンダーギャップ指数は単なる順位の比較ではありません。性別によって学びや仕事、社会参加の機会に差が生じていないかを示す指標でもあります。
この記事では、2026年版の結果を紹介するとともに、日本社会に残る課題や、ジェンダー平等の実現に向けて必要な取り組みについて考えます。
ジェンダーギャップ指数とは
ジェンダーギャップ指数(Global Gender Gap Index)は、世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表している指標です。
男女間の格差を以下の4分野から評価し、各国のジェンダー平等の状況を比較しています。
- 経済参画と機会(Economic Participation and Opportunity)
- 教育達成(Educational Attainment)
- 健康と生存(Health and Survival)
- 政治的エンパワーメント(Political Empowerment)
指数は0から1で示され、1に近いほど男女格差が小さいことを意味します。
2026年版のジェンダーギャップ指数:世界の状況
2026年版のジェンダーギャップ指数では、アイスランドが17年連続で世界1位となりました。
続いてフィンランド、ノルウェーが上位にランクインしています。また、ナミビアは前年より順位を4つ上げ、4位となりました。
2026年 上位5カ国
| 順位 | 国名 | 指数 |
|---|---|---|
| 1位 | アイスランド | 0.930(93.0%) |
| 2位 | フィンランド | 0.872(87.2%) |
| 3位 | ノルウェー | 0.857(85.7%) |
| 4位 | ナミビア | 0.845(84.5%) |
| 5位 | イギリス | 0.842(84.2%) |
2026年 下位5カ国
| 順位 | 国名 | 指数 |
|---|---|---|
| 141位 | アルジェリア | 0.618(61.8%) |
| 142位 | コンゴ民主共和国 | 0.595(59.5%) |
| 143位 | パキスタン | 0.595(59.5%) |
| 144位 | イラン | 0.585(58.5%) |
| 145位 | チャド | 0.578(57.8%) |
日本の順位は117位 前年から1ランク上昇
日本の総合順位は145カ国中117位となりました。
前年の118位から1ランク上昇し、総合指数も66.6%から67.0%へとわずかに改善しました。一方で、先進7カ国(G7)のなかでは引き続き最下位となっています。順位の上昇はみられたものの、日本のジェンダー平等の実現には依然として大きな課題が残されています。
分野別に見る日本のジェンダーギャップ
-
経済分野
経済分野のスコアは60.9%となり、前年の61.3%から低下しました。
労働参加率や賃金格差、管理職比率などに関する課題が、引き続き日本の順位に影響しています。 -
教育分野
教育分野は99.4%と、男女ほぼ同等の水準に達しています。識字率や初等教育では長年ほぼ完全な平等が維持されており、残る課題は高等教育進学率のわずかな差です。
-
健康分野
健康分野は97.3%で、高い水準を維持しています。男女間の大きな格差は見られず、日本は長年にわたりほぼ平等な状況を保っています。
-
政治分野
政治分野のスコアは10.5%となり、前年から2ポイント上昇しました。
女性議員や女性閣僚の割合は依然として低いものの、2026年は高市早苗首相の就任によりスコアが改善しました。ただし、依然として政治分野のジェンダー格差は大きく、日本の総合順位を押し下げる要因となっています。
順位は上昇したが、課題が解消されたわけではない
日本の総合順位は前年から1つ上昇しました。しかし、その背景には政治分野のスコア改善がある一方で、経済分野のスコアは前年を下回っています。
日本では教育や健康の分野で高い達成率を維持しているものの、意思決定の場への参加や経済的機会などにおいて、依然として男女間の格差が残されています。
こうした格差は、女の子や若者が将来の進路や生き方を選択する際にも影響を及ぼします。誰もが性別に関わらず能力や可能性を発揮できる社会の実現に向けて、制度や慣習、固定的な性別役割意識の見直しが求められています。
プラン・インターナショナル アドボカシーグループリーダー 長島職員のコメント
日本のジェンダーギャップは長期的には改善しています。しかし、2026年も145カ国中117位です。初の女性首相誕生という歴史的な変化が政治分野のスコア改善につながった一方で、経済分野は前年を下回りました。象徴的な前進を、社会全体の構造的な変化につなげられるかが問われています。
日本では法改正など制度整備も進んでいますが、制度をつくるだけでは十分ではありません。プラン・インターナショナルが日本の高校生2,000人を対象に実施した意識調査では、約7割が学校でジェンダー・ステレオタイプに触れ、7割を超える高校生が、その影響によって自分の可能性が狭められていると感じていることが分かっています※。
このような固定観念が、進路や職業、将来の生き方の選択にまで影響していることを、私たちはより深刻に受け止める必要があります。課題はまだまだ多く、職場だけでなく学校や家庭を含め、制度、教育、社会の意識を一体として変えていく、迅速かつ包括的な取り組みが求められています。
長島 美紀
アドボカシーグループリーダー。政治学博士。プランでは、女の子のリーダーシップに関する調査提言をはじめ、女の子や若い女性のエンパワーメント、ジェンダー課題に関する調査研究・政策提言を担当。2021年4月からは内閣府男女共同参画推進連携会議有識者議員、2023年からW20ジャパンデレゲート(2024年より共同代表)も務める。
女の子や若者が自ら未来を選べる社会のために
世界では今なお、多くの女の子が教育、就労、政治参加などさまざまな場面で不平等に直面しています。日本でも、進路選択や仕事、家庭内の役割分担などに関する固定的なジェンダー規範が、女の子や若者の選択肢を狭める要因となることがあります。
プラン・インターナショナルは、すべての子どもが平等に権利を享受し、とりわけ女の子が自らの意思で未来を切り開ける社会の実現を目指して活動しています。
ジェンダー平等は、一部の人のためではなく、すべての人がより生きやすい社会をつくるための課題です。
今回のジェンダーギャップ指数の結果をきっかけに、私たち一人ひとりが身近な課題として考え、誰もが自分らしく生きられる社会について一緒に考えてみませんか。
2026年10月11日「国際ガールズ・デー」
「国際ガールズ・デー」は、「女の子の権利」や「女の子のエンパワーメント」の促進を、広く国際社会に呼びかける日。 プラン・インターナショナルはこの日を中心に、さまざまな活動を繰り広げています。






