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コロナ禍、シリア難民キャンプの女の子たちの日常~ヨルダン~

世界の各地から

女の子だから

更新)

世界中の人々の生活に大きな影響をもたらしている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。住む場所を追われ難民キャンプに暮らす女の子たちの日常も、大きく変わりました。

感染症に脆弱な難民キャンプ

ヨルダンの砂漠の中にあるアズラック難民キャンプには、シリアからの難民3万5000人以上が暮らしています。広大な敷地に建てられたキャンプですが、小さな家が連なり狭い住居に家族が暮らしています。清潔な水や保健施設も限られており、感染症予防に対しても脆弱です。

2020年3月以来、ヨルダンは厳しいロックダウンが実施され、最初の数カ月間は、午後6時以降の外出は厳しく取り締まられました。規制は緩和されていますが制限は続いており、新たに新型コロナウイルスの感染者が出た場合、ブロック全体が隔離されます。
移動制限や学校の閉鎖は、女の子の教育の継続を難しくし、性暴力やジェンダーに基づく暴力に遭う危険を高めています。

写真:砂漠の中にあるアズラック難民キャンプ

砂漠の中にあるアズラック難民キャンプ

閉塞感、孤立感に陥る女の子たちをサポート

このパンデミックのなかプラン・インターナショナルは、女の子たちを孤立させないための「ヒマヤティ・プロジェクト」を立ち上げました。プロジェクトでは、女の子たちはオンラインを介して運営されるセッションに参加し、ジェンダーやライフスキルについて話し合うことで交流し続け、お互いを支え合うことができるようにしています。

パンデミックのなかの難民キャンプでの生活を、プロジェクトに参加した十代の4人の女の子たちの声を通じてご紹介します。

写真:シェイマアさん 16歳 シリア、アレッポ出身

シェイマアさん 16歳 シリア、アレッポ出身

2016年から家族とアズラック難民キャンプに暮らすシェイマアさん。パンデミックにより生活は大きく変わりました。一日の大半を自宅で過ごし、母親の携帯電話を借りてほかの女の子と連絡を取り合いながら、プランが運営するセッションに参加しています。
セッションには、ロックダウン中の対処方法、ストレスを軽減し時間を有効に使う方法などを学ぶライフスキル・セッションが含まれています。また、アートやクラフトのセッションでは、家にある材料を使ってできることを学び、ほかの人に教えています。シェイマアさんはまた、英語の練習のために語学学習アプリを使用しています。

写真:母親のスマホでオンライン授業に参加

母親のスマホでオンライン授業に参加

「起床後、まず弟たちに寝ているところを片付けるように言います。私は長女なので、弟たちは私の言うことを聞かなければなりません。母の家事を手伝ってから、オンラインレッスンに参加しています。その後アプリで英語を勉強しています。ときどき動画を撮り、ダウンロードしたアプリで編集しています。
パンデミックが始まってから、多くのことが変わりました。家にいることが多くなり、孤立感だけでなくなにかに占有され続けている気がします。それは不思議な時間です。オンラインセッションは、同年代の女の子たちと連絡を取り合うのに役立っています。誰かと連絡を取り合う必要がありますよね?孤立したままではいられません。物事について話すのはいいことだし、自分と同じような経験をしている人がいることを知ることで安心することもあります。

写真:自宅で両親とインタビューに答えるシェイマアさん

自宅で両親とインタビューに答えるシェイマアさん

プロジェクトに参加したことで、時間を有意義に過ごせたと感じることができます。また、初めて学んだ用語などについて振り返っています。ジェンダーに基づく暴力やいじめなどの用語は、コミュニティでは十分に理解されていません。何人かの人に教えてあげたことで、コミュニティによい影響を与えられたと感じます。最初は拒否する人もいます。『彼女は授業を受けていただけなのに、今度は私たちに講義をしている』と言うのです。でも伝え続けたことで、最終的にはそのことについて話しを聞いてくれるようになりました」

シェイマアさんの両親、アブドラさんとラディヤさんは、娘のことを誇りに思っています。「シェイマアはまだ成長過程ですが、自分で決定し、周囲へ自分の意見を伝えています。強い子です」

写真:ファティマさん 14歳 シリア、 ダラア出身

ファティマさん 14歳 シリア、 ダラア出身

2014年から家族とアズラック難民キャンプに住んでいます。シリアからヨルダンへ逃れてきた旅を、「ハードで残忍」だったと今も鮮明に覚えていると言います。「ほとんどの道のりを歩き、途中食べ物も不足していたことを覚えています」
冬は、風が吹き荒れ土埃が舞うため、これまで以上に多くの時間を屋内で過ごすことになります。一日中家にいることに慣れていなかったファティマさんは、孤立し閉じ込められているように感じると言います。ひとつよかったことは、姉との距離が縮まったことです。

「新型コロナウイルス感染症の前は、私たちの時間の大半を学校が占めていました。授業に出席して宿題をこなす。今では、すべてがオンラインで行われ、家にいる以外できることはあまりありません。
朝食を食べ、姉と一緒に座ります。今では彼女のことをよく知っています。それから少し外に出て、何か問題が起きていたら対応します。家に戻って昼食に何を食べようかと話し合いながらいつも喧嘩になりますが、一緒に過ごすのは楽しいです。
でも「ヒマヤティ・プロジェクト」に参加するようになり少し忙しくなりました。

写真:自宅で母親、姉とインタビューに答えるファティマさん

自宅で母親、姉とインタビューに答えるファティマさん

写真:小さな住居が並ぶ居住地域

小さな住居が並ぶ居住地域

一番大切なのは、友だちや仲間と連絡を取り合うことだと感じています。今の時間を最大限に活用することにしました。芸術や手芸などのオンラインセッションを受けて、家で料理も習っています。よい料理人になりたいと思いますが、みんなに言わせると私には長い道のりが必要だそうです。

写真:オンライン授業を受けるファティマさん

オンライン授業を受けるファティマさん

「ヒマヤティ・プロジェクト」のセッションでは、イライラを感じることや嫌がらせ、差別、ジェンダーに基づく暴力などのネガティブな中傷や人々の行動について話します。そして、これらの問題にどうやって対処し、コミュニティにポジティブな変化を吹き込むことができるかについて話し合っています。パンデミックが終わり、大人になったら警察官になりたいと思っています。この社会にはもっと平和と安全が必要だと感じているから」

写真:左からファティマさん、父親、ヤラさん

左からファティマさん、父親、ヤラさん

ファティマさん(15歳)とヤラさん(14歳)の姉妹 シリア、ラッカ出身

ファティマさんとヤラさんの姉妹は、2016年からアズラック難民キャンプで暮らしています。パンデミックの前は、学校に通ったり、ほかNGOが運営する遊びや学習会に参加したりしていましたが、今は家で過ごさなければなりません。小さな家に8人家族で生活しており、家の中で過ごす難しさを感じています。

写真:オンライン授業を受ける姉妹

オンライン授業を受ける姉妹

「朝起きて、家事をして、お母さんの料理を手伝う、毎日が同じことの繰り返しです。大家族なので、小さな家に一日中にいるのは気詰まりです。私は大きくなったらプロの料理人に、妹のヤラはエンジニアになりたいと思っているので、そのための勉強をして忙しくしています。家に一つだけある携帯電話を使って、『ヒマヤティ・プロジェクト』に参加しています。私はアートやクラフトのセッションに参加し、身の回りにある材料を使っておもちゃなどを作ることを学んでいます。ヤラはジェンダー平等について学ぶプランのプログラム『チャンピオンズ・オブ・チェンジ』のセッションに参加して、ジェンダーに基づく暴力などの問題についてほかの女の子たちと話し合っています。セッションは、自分の身の回りをポジティブに変える方法を学ぶのに役立ちます」

母国シリアへの帰還も叶わず、難民キャンプでの生活が長引いています。子ども時代のほとんどをここで暮らし、思春期を迎えている子どもも多くいます。プランはコロナ禍においてもオンラインを活用したさまざまな学びの場を提供し、女の子たちが今後の人生をよりよいものにしていけるよう支援していきます。

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