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2/6は国際女性性器切除(FGM)根絶の日~シエラレオネ、ケニア~

世界の各地から

更新)

2月6日は、国連が制定した『国際女性性器切除(FGM)根絶の国際デー』です。女性性器切除(Female Genital Mutilation、以下、FGM)は女性の通過儀礼として、今も世界の一部の地域で行われている施術です。現在、世界30カ国で行われており、少なくとも2億人の女の子と女性がFGMの影響を受け生活しています。※1施術はおもに幼児期から15歳までの女の子に対して、ときには成人女性に対しても行われます。このままだと2030年までに世界では、毎年450万人以上の15~19歳の若い女の子が、FGMの危機にさらされると予測されています。※2この施術は訓練を受けた医療専門家が実施したとしても安全ではなく、施術に対する医学的正当性もありません。

  1. ※1.UNICEF (2016). FGM: A Global Concern.
  2. ※2.UNFPA (2018). Female Genital Mutilation.

シエラレオネでのFGMの現状

FGMが今も行われている国のひとつシエラレオネ。なかでも北部州では、96.3%の少女がFGMを強いられています。FGMは、シエラレオネでは、女性だけからなる社会組織で、女の子が女性となる通過儀礼として広く行われています。

ザイナブさん 17歳 「FGMに反対」クラブのリーダー

写真:ザイナブさん

13歳のときに学校の「FGMに反対」クラブに加わったザイナブさんは、今はこのクラブを率い活動しています。母親はボンド・ソサエティの施術者ですが、ザイナブさんは施術を受けるのを拒否し、反対活動を行っています。

「私の両親を含めた地域に暮らす多くの人は、学校に通わなかったためFGMの危険性を知りませんでした。私の母は幼いころに女性組織の施術者になり、教育を受ける機会がなく、FGMが悪いことだとは知りませんでした。地域社会でFGMを受けないと差別され、ひどく非難されます。 そして、保護者たちもそうした考えを引き継いでいるため、ときに子どもたちにFGMを強制します。そうしたことをやめようとしているのが私たちの活動です。

FGMは、女の子たちの未来を失います。出血と死の危険性に加えて、保護者がFGMの儀式の費用を捻出するために生活を切り詰めるため、女の子が学校を中途退学する原因にもなります。それは、早期結婚と10代の妊娠につながります。
また、施術者と儀式に来る人々のために食べ物を用意するため、儀式後保護者たちは学校へ通わせるお金もなくなるのです。FGMは貧困を拡大します」

アイシャさん 16歳 ガールズ・パワー・グループのメンバー

写真:アイシャさん

12歳でFGMを受けることを余儀なくされ、その後すぐに、結婚をするよう言われたアイシャさん。それを拒否したとき、アイシャさんは家から追い出されました。

「私は施術後すぐに両親から結婚しなければならないと言われました。子どもだった私は『結婚する必要があるの?学校に行けるの?』と尋ねました。そう尋ねること自体簡単なことではなく、会話にはならず両親との戦いでした。両親が望んでいたのは、私が結婚することだけでした。それを断ったとき、両親は私を勘当し縁を切るだけだと言いました。それは本当につらい体験でした」

アイシャさんは、自宅で暮らすのが困難な状況にある若者たちを支援する学校で暮らしています。プランが展開しているガールズ・パワー・グループに参加し、ほかの子たちのメンターとして、自分の体とその権利について、そしてFGM早すぎる結婚から身を守る方法を教えています。 彼女はいつか看護師になることを夢見ています。

イサツさん 15歳 施術者になった女の子

写真:イサツさん

2015年にエボラ出血熱で両親をなくしたイサツさんは、生活のためにおばにすすめられ施術者になりました。彼女自身10歳のときにFGMを受け、13歳で結婚、すぐに母親となりました。
切除に多くの問題があること、特に死の危険があることを知っていたイサツさんは、施術をやめる決心をしました。

「FGMについて話すことはそう簡単ではありません。継続を希望する人たちから多くの反発を受けました。慣習をやめたくない人たちからひどい言葉も浴びせられました。でも気にしません。私は正しいことをしているとわかっているから。継続を希望しているひとたちは、何が自分にとっていいことかがわかっている私たちの世代の声に耳を傾けるべきです」

  • *プライバシー保護のため、本文中の名前は仮名です

FGMを廃止すべき理由

  • FGMは性別に基づく暴力です
  • FGMは女の子の未来を奪います
  • FGMは貧困を拡大します
  • FGMは女の子を強制的に学校から引き離します
  • FGMは、早すぎる結婚と10代の妊娠につながります
  • FGMはトラウマになる可能性があります
  • 若者は自分の権利と身体について知っており、伝統を終わらせたがっています
  • FGMは女の子と女性の権利の侵害です

写真:FGMを廃止すべき理由

ケニア、国の取り組みとともに

アドボカシーオフィサー 澤柳孝浩職員からのコメント

写真:FGM根絶を誓った伝統的リーダーたちと澤柳職員(中央)

FGM根絶を誓った伝統的リーダーたちと澤柳職員(中央)

2019年11月に、ケニアの首都ナイロビで開催された世界人口開発会議(ICPD+25、以下ナイロビ・サミット)に出席しました。この会議での焦点のひとつが、FGMを含む女の子、女性に対する有害な慣習をなくすことでした。ケニアには、早すぎる結婚を禁止する法律がありますが、いまだに20%を超える女の子、女性がFGMの施術を受けているといわれています。
ナイロビ・サミットに先立ち、ケニアのケニヤッタ大統領は全国の伝統的/宗教的リーダーを大統領公邸に集め、早すぎる結婚を2022年までにゼロにすることを誓いました。また、周辺国の元首にも働きかけ、施術者が国外に逃れた場合には、ケニア国内と同様に訴追できるように求めています。

プランがFGM撲滅プロジェクトを実施しているタラカ活動地域の伝統的リーダーたちも、この大統領との対話に参加し、「女の子の権利を侵害している早すぎる結婚を即刻やめさせなければならない」と訴えています。こうした意識は、プランが長い時間をかけてリーダーたちと対話をすすめてきたことにより形成されました。慣習を変えることは、容易ではありませんが、人々がFGMの有害性に気がつくことで、支援地域から前向きな変化が出てきています。

シエラレオネやケニアをはじめ、ほかの国々での活動のなかでも人々の意識に変化が起きています。プランは引き続き当事者たちの立場に寄り添い、ともに早すぎる結婚撲滅への活動をすすめていきます。

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