(2024年11月06日更新)
プラン・インターナショナルは、2021年7月からバングラデシュとネパールで実施していた「学校とコミュニティの防災」プロジェクトを、2024年6月に完了させました。
ご支援くださった皆さまに心よりお礼を申し上げるとともに、プロジェクトの成果を写真や現地の声とともにご報告します。
活動のハイライト
学校・地域・行政が一体となりジェンダー平等と防災活動を促進
このプロジェクトでは、学校を中心とした防災活動を通じて、生徒、教師、家族、地域住民が主体的に活動に参加し、地域全体の防災能力を高めることができました。学校では、子どもたちが主導する防災活動に加え、トイレなどの水と衛生施設の改修、生理用品の常備、女子生徒のための更衣・休憩スペースの設置を行い、誰もが安心して学べる環境を実現しました。
その結果、子どもたちの学習意欲が向上し、家族も積極的に活動を支援するようになりました。家庭では、世帯ごとの防災計画作成や防災訓練を実施し、災害に強い家庭菜園や環境にやさしい改良かまどの普及も進めました。
これにより、地域全体の防災能力と気候変動への適応能力が向上し、学校と地域社会においてジェンダー平等と防災の文化が根づきました。この成功モデルは、地方自治体や他の支援団体からも高く評価され、地方自治体の教育・防災関連予算の獲得にもつながりました。今後は、地方自治体が中心となり、学校や地域と連携しながらプロジェクトの活動を継続していく予定です。
現地の声
バングラデシュ
ラトナさん、12歳、ガールズクラブのメンバー

私の住む地域は、よく洪水が起きて作物や野菜がだめになってしまうことが多く、食料不足に悩まされてきました。でも、ガールズクラブに参加して防災と気候変動適応のトレーニングを受けたことで、洪水が起きたときに命を守る方法や食料をどうやって確保するのかを学びました。
特に竹と袋を使った洪水に強い家庭菜園は、周囲が浸水しても野菜を守ることができ、役立っています。私はこの知識と経験を近所の女の子や女性たちに伝え、一緒に実践しています。プロジェクトに心から感謝しています。
サンジダさん、23歳、ユースクラブのメンバー

私たちの地域は、災害への備えや、災害時に人々を守る意識が希薄でした。しかし、このプロジェクトを通じて、防災、気候変動対策、人々の安全確保、ジェンダー平等、リーダーシップなど、多岐にわたる学びの機会を得ることができました。
今では、防災だけでなくさまざまな社会課題への理解を深め、学んだことを地域の人々に伝える活動にも積極的に取り組んでいます。地域への貢献が認められ、役立つ存在になれたことを心から嬉しく思います。このプロジェクトは、私自身の成長にも大きくつながりました。心から感謝しています。
ハマブバさん、国立大学教員

2024年2月にマドラサ(宗教学校)を含む2校を視察し、女の子たちが主体的に防災活動を推進している姿に感銘を受けました。彼女たちは安全な学習環境の整備と防災において素晴らしい変化をもたらしました。清潔で安全なトイレ、プライバシーに配慮した更衣スペース、生理用品の管理棚、使用済み生理用品の適切な廃棄方法、災害リスクや資源のマッピング、そして安全な学校環境のための意見収集・反映システムなどが実現しました。
その結果、中途退学率や児童婚の減少も見られ、女の子たちが安心して教育を受け続けられる環境が生まれました。生徒たちの能力向上、特に女の子たちのエンパワーメントに貢献してくれたプロジェクトに心から感謝します。
ネパール
マサリさん、15歳(8年生)、女子生徒

プロジェクトのトレーニングでは、学校でどのように災害に備えるか、また災害が起きたときにどうすれば安全に避難できるかなどを詳しく学びました。それをもとに避難マップを作成したり、いつどんな災害が起こりやすいかを災害カレンダーにまとめたりしました。
学校や学校周辺の建物や地形が、災害時にどのくらい危険かも調べました。過去に大きな自然災害があった場所を調べてリストを作り、今後同じような災害が起こったらどこが危ないか、危険度を順位づけしました。
この経験を活かして、学校における防災の知識を家庭でも使えるように見直し、皆に伝える活動を始めました。今では自宅にも防災計画があり、改良型かまども導入しています。このかまどは薪の使用を減らし、環境にもやさしく、家事の負担を軽減するのにも役立っています。これから友人たちと協力し、家庭の防災計画や防災知識を地域全体に広めていきたいと思っています。
ラムさん、32歳、中学校教師(ジェンダー平等・社会的包摂フォーカル)

プロジェクトのジェンダー平等・社会的包摂(GESI)オリエンテーションは、誰もが平等な機会を得るに値する人間であり、男女の差別なく自身の才能を発揮すべきだという新たな視点を学校にもたらしました。この原則に基づき、安全でインクルーシブなトイレ・手洗い場の建設、女子トイレへの生理用品設備の設置、そしてジェンダー平等を推進するメッセージを込めた教室の壁画制作などを実施しました。
GESIフォーカルとして、思春期を迎えた女子生徒たちに適切な支援を行うことは私の責務です。プロジェクトを通じてジェンダーの視点に立った支援方法を学ぶことができ、大変役立ちました。
ディネシュさん、51歳、シンズリ県ドゥダウリ市 市長

プロジェクトでは、子どもたちが安心して学べるよう、学校施設の備品整備や教育の質向上に取り組んできました。幼稚園から中学校までの子どもたちが安全に過ごせる学校環境づくりを目指し、コミュニティの防災体制も高めてきました。
当初、私たちの自治体には行政の防災委員会しかありませんでしたが、プロジェクトによる支援や研修を通じて防災への理解が深まり、地域住民によるコミュニティ防災委員会も設立されました。
その結果、地域レベルから国レベルまで連携が強化され、より効果的な防災体制を築くことができました。このモデルを他の自治体にも広めていきたいと思います。
主な活動の成果
| 地域 | 【バングラデシュ】クリグラム県 【ネパール】シンズリ郡 |
|---|---|
| 期間 | 3年(2021年3月~2024年6月) |
| 2024年度 主な支援内容と対象 |
ジェンダー平等の視点に立って、学校施設の改修、防災体制の強化、防災教育・訓練を実施し、女の子と男の子が安心して過ごすことのできる安全な学習環境を整備。さらに学校、コミュニティ、行政が連携し、自然災害発生時に迅速に対応できる体制を整備。 【バングラデシュ】
【ネパール】
|
プロジェクト背景
人口が多く、災害に脆弱な地域が密集するアジアでは、毎年多くの子どもが自然災害の被害を受けています。活動地域であるバングラデシュのクリグラム県とネパールのシンズリ郡では、毎年のように発生する洪水や地滑りが深刻な問題となっています。両地域の中でもとくに支援が必要な学校を選び、シンズリ郡内の8校、クリグラム県内の4校を中心に地域の防災活動強化に取り組みました。







