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【経過報告】ソマリア・スーダン「女性性器切除から女の子を守る」プロジェクト

(2024年11月06日更新)

プラン・インターナショナルは、2023年1月からソマリアで、2020年7月からスーダンで「女性性器切除から女の子を守る」プロジェクトを実施しています。現在までの活動の進捗をご報告いたします。

プロジェクト背景

女性性器切除から女の子を守るプロジェクト

アフリカと中東地域の約30カ国で、約2000年前から続くと言われている「女性性器切除」(Female Genital Mutilation、以下FGM)。大人の女性になるための通過儀礼・結婚の条件として、幼児期から15歳ごろまでの女の子の性器の一部を切除するものです。不衛生な環境で麻酔なしで行われることも多く、激痛と出血をともない、命を落とす女の子もいます。死に至らなくとも、感染症や出産への悪影響を引き起こし、強い恐怖が心の傷として残る場合もあります。

FGMを禁ずる国際条約を批准し、法律で禁止する国も多いなか、ソマリアはFGMが合法である数少ない国の一つで、15歳から49歳の女性のうち99%が施術されています※1。スーダンではFGMが刑法で禁止されていますが、法の執行が不十分であるため、今も水面下で広く続けられており、15歳から49歳の女性のち86.6%が施術されています※2。FGMが女の子や女性におよぼす負の影響について知られつつありますが、「大人の女性になるために必要なこと」、「女の子が良い結婚をするための条件」などといった考えが根強く、やめるという決断を下すことが難しいのです。
このプロジェクトでは、ソマリアとスーダンでFGMの被害を受けた女の子の心身のケアと同時に、FGMの根絶を目指して、家族や地域住民、行政への働きかけを行っています。

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活動のハイライト

  • 写真:母子保健についての啓発トレーニング
    母子保健についての啓発トレーニング
  • 写真:衛生管理に関する啓発セッション
    衛生管理に関する啓発セッション
  • 写真:モバイルクリニックの診療を待つ女性
    モバイルクリニックの診療を待つ女性
  • 写真:「FGM根絶の日」のイベント
    「FGM根絶の日」のイベント
  • 写真:啓発トレーニングを実施するファシリテーターを育成
    啓発トレーニングを実施するファシリテーターを育成
  • 写真:女の子や男の子、若者たちとのFGM根絶に向けた対話セッション
    女の子や男の子、若者たちとのFGM根絶に向けた対話セッション
  • 写真:職業訓練・起業支援のオリエンテーションに参加する女の子と若い女性
    職業訓練・起業支援のオリエンテーションに参加する女の子と若い女性
  • 写真:石けんづくりトレーニング
    石けんづくりトレーニング
  • 母子保健についての啓発トレーニング
  • 衛生管理に関する啓発セッション
  • モバイルクリニックの診療を待つ女性
  • 「FGM根絶の日」のイベント
  • 啓発トレーニングを実施するファシリテーターを育成
  • 女の子や男の子、若者たちとのFGM根絶に向けた対話セッション
  • 職業訓練・起業支援のオリエンテーションに参加する女の子と若い女性
  • 石けんづくりトレーニング

活動内容

【ソマリア】

巡回診療を通じて地域の母子保健サービスへのアクセスを向上

昨年に続き、今年も巡回診療(モバイルクリニック)の運営を行い、FGMの後遺症で苦しむ人々の治療や母子保健にかかる医療サービスの提供を行ってきました。昨年治安の悪化で活動ができなかった東部スール州においても活動を開始し、より広範な地域でモバイルクリニックを展開しました。受診に訪れた住民に対して、医療サービスの提供に加え、診察までの待ち時間を使って啓発セッションを行い、母子保健に関する基礎的知識を伝えています。また、FGMの深刻な後遺症を抱える患者を地域の病院へ紹介し、適切な治療を提供する仕組みも本格化させました。このように、活動地域では、モバイルクリニックを拠点にFGMの後遺症や母子保健関連の問題について気軽に相談し、適切な治療にアクセスできる環境が整いつつあります。

【スーダン】

FGM根絶を目指し、「変革者」となる女の子や男の子、若者たち

地域でFGMを根絶するための啓発トレーニングをリードするファシリテーターを育成。ファシリテーターの主導で、女の子や男の子、若者へのトレーニングを行い、彼らが「変革者」となり、地域住民に働きかけFGM根絶を目指す体制を構築しました。今後は彼らが啓発セッションをリードし、地域全体でFGM根絶の機運を高めていきます。
また、早すぎる結婚(児童婚)のリスクがある女の子や若い女性に職業訓練や起業支援を実施。地域の実情を踏まえ、収入向上につながる可能性の高い、裁縫や刺繍、美容、パンや石けん作りなどのスキルを教えました。女の子や女性は訓練で得たスキルを活用し、社会的・経済的な自立を目指していきます。さらに、地域リーダーや行政関係者、助産師にFGMを禁止する法律遵守のためのトレーニングを行い、地域全体でFGMを防止する枠組みを強化しました。

現地の声

アミナさん、16歳、地域住民(ソマリア)

私は16歳で結婚し、すぐに妊娠しました。出産の際、FGMの深刻な合併症に見舞われましたが、遠隔地に住んでいたため、適切な治療を受けることができませんでした。出産後、数週間にわたり出血と激痛に苦しみ、赤ちゃんに母乳をあげることさえできませんでした。
このプロジェクトが始まり、私が住む地域にもモバイルクリニックが来てくれたおかげで、初めて医師に自分の症状について相談し、FGMの合併症と診断されました。その後、地域の病院を紹介され、修復手術を受けることになりました。手術は無事に成功し、今では健康に生活できています。モバイルクリニックのチームの皆さんに心から感謝しています。

アシュマさん、29歳、教師(スーダン)

写真:アシュマさん、29歳、教師(スーダン)

私は教師として働いています。地域の根深いジェンダー不平等や、ジェンダーに基づく暴力であるFGMを根絶したいと思い、トレーニングに参加しました。トレーニングはとても興味深く、あらためて、地域からFGMを根絶していくべきだと強く感じました。これから、私自身が変革者となり、地域住民にFGMの根絶を訴えかけていく役割を担います。地域をより良くするために精一杯頑張りたいです。

主な活動の成果

地域 【ソマリア】トグディール州、スール州、マローディ・ジェーハ州
【スーダン】ガダーレフ州
期間 【ソマリア】2023年1月~2027年12月
【スーダン】2020年7月~2025年10月
  • ※スーダンのプロジェクトは、2022年12月まで白ナイル州で実施し、2023年7月からガダーレフ州で実施しています。
2024年度
主な支援内容と対象

【ソマリア】

  • 巡回診療によるFGMを施術された女の子・女性を対象とした医療サービスの提供および妊産婦を対象とした母子保健サービスの提供(女性9620人)
  • 新生児から18歳までを対象とした医療サービスの提供(女の子2362人、男の子2056人)
  • 保健・医療従事者を対象としたFGM合併症を含む医療サービス・母子保健サービス提供にむけた能力強化(女性1人、男性4人)
  • コミュニティヘルスプロモーターの育成(女性14人、男性18人)
  • 地域住民を対象とした「女性性器切除(FGM)の根絶ための国際デー」の啓発イベントの実施(1回、120人)

【スーダン】

  • 啓発トレーニングを実施するファシリテーターの育成(女性24人、男性12人)
  • 女の子や男の子、若者を対象としたジェンダー平等促進およびFGM根絶にむけたトレーニング(24回、女の子1787人、男の子900人)
  • 早すぎる結婚のリスクがある女の子や若い女性に対する職業訓練や起業支援(女の子・若い女性100人)
  • 地域住民を対象としたFGM根絶にかかる啓発セッション(4回、女性1万8545人、男性1万5人)
  • ラジオを通じたFGMや早すぎる結婚を根絶させるための啓発キャンペーン(1万4500人)
  • 地域リーダーや行政関係者、助産師を対象としたFGMを禁止する法律遵守のための能力強化(女性42人、男性18人)
  • 地域住民や行政によるFGM防止にむけた子どもの保護メカニズムの構築(11コミュニティ、女性89人、男性76人)

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