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カンボジアの教育事情|学校へ行けない子どもたちを支援するには

(2026年07月14日更新)

近年、カンボジアは他の東南アジアの国々と同じく、経済成長が続いています。一方で、都市部と農村部の間では、さまざまな格差が広がっています。子どもたちの教育を取り巻く現状も例外ではありません。こうした状況を改善する鍵は、子どもたちの学習環境を整えるための包括的な教育支援にあります。同時に、地域が主体となって継続できる仕組みづくりも、未来を切り開く大きな鍵となります。

この記事では、カンボジアの子どもたちが学びを諦めずに済むよう、私たちにできる教育支援の方法を探っていきます。

写真:毎日、家族の洗濯をする女の子

毎日、家族の洗濯をする女の子

  • カンボジアで教育支援が必要な理由
  • カンボジアへの教育支援でできること
  • 寄付が子どもたちの学びと未来を支える仕組み

カンボジアで教育支援が必要とされる理由

小学校に入学しても通い続けることが難しいため

カンボジアにおいても、学校での学びの最初の機会となるのが、小学校への入学です。憲法上は6~15歳までの9年間が無償義務教育と定められていますが、実際には、貧困家庭が多い農村部では、途中で通学できなくなる子どもが後を絶ちません。

授業料が無償であっても、制服や学用品は自己負担であるため、貧困世帯ほど就学継続のハードルが高くなります。進学のための試験受験料や、遠方の中学校・高校までの交通費も、農村部の家庭にとっては大きな負担です。こうした経済的要因が重なり、義務教育であっても学びの継続が困難になるという悪循環が起きています。

写真:貧困による中途退学後に復学し、教育の大切さを伝える女の子

貧困による中途退学後に復学し、教育の大切さを伝える女の子

教育環境に課題が残っているため

カンボジアでは、たとえ学校に通えていても、十分な学習量と学習の質が確保されていない現状があります。最大の要因は、教室や教師の慢性的な不足により、午前と午後で生徒を入れ替える二部交代制が採用されていることです。そのため、1日あたり4時間前後しか授業を受けられない子どもが多く、学習定着に必要な授業時間が不足しがちです。

さらに、教員の絶対数が不足していることが、教育の質にも影響しています。都市部と農村部では、教員配置にも格差があるため、専門外の科目を担当せざるを得ないケースも珍しくありません。こうした理由による教師の質のばらつきが、学習成果に直結しています。

学校設備の面も不十分です。黒板や机、図書・実験教材などが不足している学校も多くみられます。給水設備や清潔なトイレが整っていないため、特に生理を迎えた高学年の女の子が欠席しやすくなるなど、学習環境の不備が中途退学を助長しています。

貧困が教育機会を狭めているため

カンボジアでは経済発展によって、貧困率が大きく減少していますが、依然として人口の約16.6%が貧困ライン(1日2.15ドル)以下で暮らしています。そのため、制服・通学かばん・ノートといった基本的な学用品の購入費用が、家庭の重い負担になっています。都市部に比べて収入が少ない農村では、子どもたちが労働力として家計を支えることを求められ、学習の機会を失うケースも多くみられます。

こうした経済的な制約は、世帯所得の高低によって通学継続率に大きな開きが生じる、教育機会の格差を生み出しています。十分な教育を受けずに社会に出ると、読み書きや計算といった基礎技能が不足し、将来の就業機会をさらに狭めてしまいます。その結果、貧困の連鎖を断ち切ることが難しくなるのです。

弟の世話をしながら家で学習する女の子

弟の世話をしながら家で学習する女の子

カンボジアへの教育支援:できること

子どもたちが学校に通えるようになるだけでなく、学び続け、その学びを深められる環境を整えること。これがカンボジアの教育支援の要です。学習環境の改善や学校生活を支える仕組みづくりに加え、地域で支援を継続できる体制づくりまで含めた多面的な支援が、子どもたちの学びを長く支えるために不可欠です。

通学や就学継続のハードルを下げる支援

通学の機会を得ても、学用品が買えない、遠方で通学にお金がかかる、女子トイレがないため月経時に通えないなど、さまざまな理由で子どもたちは教室から遠ざかってしまいます。障害の有無やジェンダーによる不平等が重なると、学び続けるハードルはさらに上がります。だからこそ子どもたちが学校に通い続けるための障壁を取り除く支援が欠かせません。

【具体的な支援例】

  • 学用品の配布
  • 奨学金や就学継続費の支援
  • 女の子への月経衛生・安全対策

学校で学びやすい環境を整える支援

学校で学びやすい環境を整える支援

教室に来られたとしても、空腹な状態や衛生・学習環境の不備があれば、子どもたちが十分に学ぶことはできません。子どもたちが安心して1日を過ごし、学習に集中できるよう学校環境を整えることは、学力向上だけでなく登校意欲の維持にも直結します。

プランが整備した小学校の図書室で本を読む子どもたち

プランが整備した小学校の図書室で本を読む子どもたち

【具体的な支援例】

  • 学校給食の提供
  • 給水設備・トイレ・手洗い設備の整備
  • 調理場・学校菜園など、給食提供のための設備
  • 教室の建設や改修など、学習環境の改善

教員育成と制度強化で教育の質を支える支援

教員育成と制度強化で教育の質を支える支援

子どもたちに教室や教材を届けるだけでは、学びの質は長続きしません。担任の力量や学校運営の仕組みが整ってこそ、支援はその日限りではなく、未来へとつながります。教員育成と教育制度の強化は、持続可能な学びを支える重要な取り組みです。

学校菜園を活用した算数の実践的な授業

学校菜園を活用した算数の実践的な授業

【具体的な支援例】

  • 少数民族独自の言語を使う子どもたちが学びやすいように、多言語教育に対応した教師の育成・配置
  • 指導力を底上げするための現職教員向けの継続研修
  • 教育行政と学校運営を支える仕組みづくり

プラン・インターナショナルでは、こうした子どもたちの成長を長期的に支える方法の一つとして、「プラン・スポンサーシップ」を実施しています。
プラン・スポンサーシップは、支援者に紹介される「チャイルド」との交流を通じて、子どもたち一人ひとりの成長を見守りながら、その子が暮らす地域全体の教育環境や生活環境の改善を支える継続的な支援です。
プラン・スポンサーシップに参加することで、世界の子どもたちが安心して学び続けられる環境づくりを、継続的に支えることができます。

写真:プラン・スポンサーシップ

プラン・スポンサーシップ

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プラン・インターナショナルによるカンボジアの教育支援「地域主導型の小学校給食」

学習効率と初等教育修了率を高め、栄養と学びの好循環が地域に根づくことを目指して、カンボジアの教育支援の要としてプランが実施している活動をご紹介します。

学校給食を通じて子どもたちの学びを支える取り組み

学校給食を通じて子どもたちの学びを支える取り組み

プラン・インターナショナルは2013年、国連世界食糧計画(WFP)と連携し、「地域主導型の小学校給食」プロジェクトを開始。給水設備や調理場、学校菜園を整備し、地域住民に対して調理法・食材管理・運営ノウハウのトレーニングを行うことで、持続可能な給食体制づくりを支援してきました。

学校菜園で野菜を収穫をする子どもたち

学校菜園で野菜を収穫をする子どもたち

なぜ学校給食が学びの継続につながるのか

カンボジアの農村部では、貧困のために朝食をとれずに空腹のまま登校する子どもが珍しくありません。こうした状況が授業への集中力を妨げ、勉強が身につかないことが中途退学の一因となっていました。
この取り組みは、単に栄養補給を行うだけでなく、学習効率の向上と初等教育の修了率アップを同時に目指している点が大きな特徴です。栄養のある食事が提供されることは、保護者にとっても大きなメリットとなります。その結果、毎日通学する習慣が生まれ、345校で給食が定着し、修了率向上につながっています。

カンボジアの教育支援について実話をもとにしたストーリー

ペルさんは、娘の通っていた小学校で、「空腹のまま授業を受ける子が多い」と知り、給食作りのボランティアに応募しました。プランが提供する衛生管理や栄養バランスなどさまざまなトレーニングを受け、調理係として働いて10年になります。カンボジアの学校給食は、ペルさんのような多くの現地の給食ボランティアや地域の人々の協力によって支えられています。

調理室や食堂の整備、学校菜園の導入にとどまらず、地方行政官の能力強化にも力を入れ、地元政府と連携しながら、地域住民が運営主体となる長期的に持続可能な仕組みづくりを進めています。こうした活動は、多くの方々の寄付によって支えられています。

カンボジアの教育支援を通じて子どもたちの未来を支えるために

カンボジアでは、学校に通い続けることが当たり前ではありません。特に農村部では、貧困が教育の継続を阻む大きな要因となっており、就学継続の難しさ、教育環境の不足、貧困による教育機会の格差など、多くの課題が存在します。こうした背景から、通学継続を支える支援、学校で学びやすい環境整備、教員育成と制度強化という3つの教育支援が必要とされています。

プランは、これらを包括した「地域主導型の小学校給食」プロジェクトを展開。学校給食を軸に子どもの栄養と出席率を支える一方で、設備整備や地域で継続できる体制の構築を進めてきました。

カンボジアの子どもたちが学び続けられるように

カンボジアの子どもたちが学び続けられるように

これらの活動は、皆さまからのご寄付に支えられています。いただいたご支援は、子どもたちが安心して学び続けられる環境づくりにつながります。それは、カンボジアの子どもたちの大きな笑顔を育み、将来の選択肢を広げる力になります。

若者の未来を変える

「地域主導型の小学校給食」プロジェクト(カンボジア)

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カンボジアの教育支援に関してよくある質問

運営団体

国際NGOプラン・インターナショナルについて

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

写真:プラン・スポンサーシップ

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