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貧困の連鎖とは?世代を超える“貧しさ”を断ち切るためにできること

(2024年12月25日更新)

世界では今、貧困が深刻な問題となっています。貧困は、単に生活が苦しいというだけでなく、世代を超えて受け継がれていく(連鎖する)と言われています。この問題を解決するために、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の1つ目に、「貧困をなくそう」が掲げられています

貧困には「絶対的貧困」と「相対的貧困」があります。世界銀行に「1日2.15ドル未満で生活する人」と定義されている絶対的貧困は、生きていくために最低限必要なものが得られない状態を意味します。一方、相対的貧困とは、ある国や地域の水準のなかで比較して、大多数よりも貧しい状態を指します。相対的貧困は目に見えにくく、解決が難しいと考えられています。この記事では、貧困がどのように連鎖していくのか、その原因や解決策などを解説します。

「貧困の連鎖」とは?

子どもの貧困対策を考えるうえで、「貧困の連鎖」をあわせて考えることはとても大切です。なぜ親の貧困が次世代に影響するのでしょうか。まずは、貧困の連鎖の定義、その実態について見ていきましょう。

写真:14歳で結婚した女の子(バングラデシュ)

貧困の連鎖の定義

貧困の連鎖とは、親や保護者の貧困が子どもの貧困につながっていくことを指します。教育の機会を十分に得られなかった貧困家庭の子どもは、大人になって就労する際に選択肢が狭まることがあります。さらには、自分自身が親になった際、経済状況の厳しさから、子どもも同じような環境に置くこととなり、社会的にも経済的にも負の連鎖に陥りがちです。

貧困の連鎖の現状

世界中どの国でも、貧困の連鎖は深刻な社会問題として取り上げられています。ユニセフと世界銀行が2023年に発表した調査によると、世界の約6人に1人の子ども(推定3億3,300万人)が極度の貧困のなかで暮らしているといわれています。特に途上国では絶対的貧困が連鎖する傾向が、先進国では相対的貧困が連鎖する傾向がみられます。

日本の子どもの貧困について

2021年時点の日本の相対的貧困率は15.7%です。これは、主要7カ国(G7)のなかでも高い数字で、特にひとり親家庭の貧困が深刻化しています。内閣府の外局である「こども家庭庁」や全国の自治体では、相談窓口や学習支援など、子どもが心身ともに健康に成長できるように、子どもを取り巻くあらゆる課題の改善に向けたプログラムを実施しています。

なぜ貧困は連鎖するのか

貧困が連鎖する要因のひとつに、「教育」が挙げられます。途上国では、貧困層の子どもたちは家計を助けるために働かざるを得ず、学校に通うことができない状況にあります。教育を受ける機会を奪われるため、将来自立するための知識やスキルを身につけることができません。知識やスキルが不足しているため、収入が不安定な単純労働や、身体的に危険を伴う仕事に就かざるを得なくなり、十分な経済力、つまりお金を得ることが困難になります。また、自身も教育を受けずに育ってきたため、親になったときに子どもに教育を受けさせることの重要性を理解できず、世代を超えて貧困の連鎖が繰り返されてしまうのです。

写真:プランが運営する難民キャンプ内の学習スペース(ニジェール)

プランが運営する難民キャンプ内の学習スペース(ニジェール)

先進国においても、経済的に困窮している家庭では生活に余裕がなく、子どもたちの学びや体験の機会が限られています。そのことが学習意欲の低下につながったり、高校や大学などの高等教育機関への進学を断念せざるを得なくなったりする要因となります。このように、貧困の連鎖は教育格差や経済格差と密接に結びついていると言えます。

画像:貧困の連鎖

画像:貧困は教育を遠ざける…深刻化する格差や世界の子どもたちの現状とは

貧困は教育を遠ざける…深刻化する格差や世界の子どもたちの現状とは

貧困の連鎖を断ち切るためにできること

プラン・インターナショナルでは、貧困が子どもたちの教育機会を奪うことのないよう、世界中でさまざまな支援活動を展開しています。ここでは、プランが実施しているプロジェクトをご紹介します。

事例①「地域主導型の小学校給食」プロジェクト(カンボジア)

都市部と農村部の経済格差が広がっているカンボジア。農村地域に暮らす子どもたちは、朝食をとれずに登校し、空腹のあまり授業に集中できずに進級試験に合格できなかったり、中途退学をしてしまったりと、初等教育の修了率が低いことが問題となっていました。
そこで、プラン・インターナショナルは子どもたちの学習効率を上げて、初等教育の修了率を向上させるために、学校給食を導入する取り組みを行いました。

写真:新築された食堂で給食を楽しむ子どもたち(カンボジア)

新築された食堂で給食を楽しむ子どもたち(カンボジア)

主な取り組み

  • 学校給食の導入・運営支援(221校)
  • 学校菜園の導入・運営支援(600カ所)
  • 給水設備の設置(20校)
  • 燃料節約型かまど付き調理室の建設、整備(150校)など
画像:「地域主導型の小学校給食」プロジェクト(カンボジア)

「地域主導型の小学校給食」プロジェクト(カンボジア)

事例②「干ばつ危機下の子どもの教育」プロジェクト(ソマリア)

世界最貧国のひとつであるソマリアは、内戦や相次ぐ干ばつにより多くの人々が厳しい暮らしをしています。困窮家庭では子どもの教育が後回しにされ、長期間学校に通えず、学習面で遅れをとってしまったり、女の子が家計の負担を減らすために児童婚をさせられたりしていました。
そこで、プラン・インターナショナルでは子どもたちの教育機会を守るために以下のような取り組みを行いました。

写真:学用品の配布(ソマリア)

学用品の配布(ソマリア)

主な取り組み

  • 干ばつの影響を受けている児童への学用品の支給
  • 学習の遅れを取り戻すための補習授業の実施
  • 学校の給水施設、男女別トイレの修繕・設置 など
画像:楽しく学ぶ子供たち

【完了報告】ソマリア「干ばつ危機下の子どもの教育」プロジェクト

貧困を断ち切るために私たちにできること

ここまでお読みいただき、貧困の連鎖を断ち切るために「教育」が重要な役割を担っていることをご理解いただけたのではないでしょうか。子どもたちに教育の機会が平等に与えられれば、貧困の連鎖から脱却し、自らの人生を切り開く可能性が生まれます。

写真:教師を目指して勉強に励む女の子(マリ)

教師を目指して勉強に励む女の子(マリ)

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写真:プラン・スポンサーシップ

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