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[特集]有働由美子さん ウガンダ・レポート 第2回

[特集]有働由美子さん ウガンダ・レポート
第2回 
ウガンダで女の子として生きること

難民居住区のあるアルア県から、南に車を走らせること約8時間、ウガンダの北部のリラ県を訪問しました。ウガンダでは女の子の地位が低く、教育が軽視されています。さらに早すぎる結婚や妊娠、暴力などが女の子の可能性を奪っています。プランがどのように女の子の状況を変え、エンパワーしているのかを知るために、女の子たちに会いに行きました。

写真:ウガンダの女子中学生と

ウガンダの女子中学生と

撮影:金井塚太郎

男の子にひとり混じって活躍

ナンシーさん(20歳)は13歳で妊娠、14歳で出産しました。ナンシーさんの妊娠を知ったボーイフレンドは責任をとるのが嫌だと離れていきました。学校を中途退学し、その後は祖母に頼って生活してきました。ナンシーさんの状況を知ったプランは、彼女が15歳のときに職業訓練プロジェクトで彼女を支援。ナンシーさんは多くの男の子に混じって、以前から興味があった溶接工としての技術を身につけ、工務店に就職しました。今は祖母と息子と3人の生活を彼女が支えています。

写真:ナンシーさんの職場で一緒に

ナンシーさんの職場で一緒に

ナンシーさんが13歳という低い年齢で妊娠したのは、「性について何も知らなかったから」だと言いました。また、ボーイフレンドには何かにつけ暴力をふるわれたそうです。同世代の女の子からは、ボーイフレンドに殴られる話を今もよく聞くとのこと。 ナンシーさんは殴られないために自分でお金を稼いで自立して、と友だちにアドバイスしています。

私が、「この先、結婚は考えないの?」と聞いたら、「悪い男の人と一緒にいるより、ひとりがいい」と笑いました。別れ際、ナンシーさんは「今日は来てくれてありがとう。もっと技術を身につけて、これからもがんばります」と明るい笑顔を見せてくれました。私も「応援してるよ!」と心からの笑顔を返しました。

写真:女性職員はナンシーさんひとり。出来ないことは何もない

女性職員はナンシーさんひとり。出来ないことは何もない

ウガンダの女子中学生たち

プランが建設した、村で唯一の中学校を訪問しました。以前は多くの女の子たちが別の村の中学校まで、長距離を歩いて通いました。思春期の女の子にとって、通学には危険が伴います。途中で嫌がらせや暴力に遭遇するリスクがあるからです。ようやく安心して学校に通えるようになった20人の女子中学生たちに会い、話を聞いてみました。なかでも多かったのは、家事手伝いが大変という意見です。家の掃除や料理、きょうだいの世話などすべてが女の子の仕事とされます。そのために、どうしても授業に間に合わないクラスメートが何人かいるそうです。

写真:「どうしても学校に通いたかった」と自分の経験を話すアポヨさん

「どうしても学校に通いたかった」と自分の経験を話すアポヨさん

クラスメートのなかに、30歳のアポヨさんがいました。彼女は3人の子どもの母親。幼いときに学校に通えず、この年齢になってから自分の強い意志で中学校に通い始めました。同級生はみんなまだ10代前半。しかし、彼女は「看護師になる」夢をもって、彼らに交じって一生懸命学んでいます。そんな姿にとても励まされました。

女性の強さと弱さを考える

女性は一度の暴力で妊娠・出産につながり、人生が変わることもあります。女の子への支援というと、「『男女平等』と言うこと自体が古臭い」、とか、「女性は強いよ」と言う人もいます。けれど、女性にどういう強さがあって、どういう弱さがあるかをきちんと理解し、配慮すべきところはしっかりと配慮することが必要です。途上国も日本も根本的には同じ問題を抱えているのです。

ウガンダの女子中学生たちは、堂々と自分たちの考えを話してくれました。でも男の子に自分たちの問題を話すのは気が引ける、とのこと。男の子たちに遠慮があることを知り、男性優位の意識の根深さを感じました。プランはウガンダで、性と生殖に関する健康のプロジェクトの一貫として、男の子や男性も巻き込んだ手作りの生理ナプキンを普及させているそうです。女性と男性の相互理解を深める取り組みのひとつとして、面白いと思いました。女の子の問題を男の子も男性も一緒に考えることは、とても重要です。それは日本でもまったく同じことです。

写真:有働さんが撮影した動画に興味シンシンの女子中学生たち

有働さんが撮影した動画に興味シンシンの女子中学生たち

コラム:ウガンダの女の子や女性の現状

ウガンダの女の子は、15歳以降、10人中6人がなんらかの身体的暴力を受けているとの報告があります。女の子の教育は重視されず、早すぎる結婚や妊娠も多いのが現状です。とくに農村地域では、親同士が家畜を売買している市場で結婚の交渉をして、牛1頭の代わりに、女の子が嫁がせられることもあります。平均して女性が産む子どもの数は7人ぐらいといわれています。妊産婦死亡率が高く10万人に343人(日本は5人)にものぼっています。また20年にわたる内戦で反政府組織の拠点だった北部では、多くの子どもが誘拐されて兵士にさせられました。なかでも女の子は強制的な結婚や性暴力の被害に多くあったことがわかっています。

  • ※出典:世界子供白書2017年 ユニセフ

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