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【経過報告】「南スーダン難民の保護と衛生改善」プロジェクト~ウガンダ・スーダン~
ウガンダ
グローバル・プロジェクト
スーダン
(更新)
プラン・インターナショナルは、2017年10月から、ウガンダで「南スーダン難民の子どもの保護」プロジェクトを実施しています。また、2019年5月から2020年6月まではスーダンでも実施しました。現在までの活動の進捗をご報告します。
背景
南スーダンの長引く紛争により、他国に逃れて難民となった人は228万人。そのうち約79万人がウガンダで、約85万人がスーダンへ逃れてきました※1。ウガンダで難民となった子どもたちの多くが自国から避難する間に暴力や虐待、家族との離別や死別を経験しているといわれています。また、長引く難民居住区での生活に心理的・精神的に疲弊した親や養育者からの虐待や養育放棄の脅威にさらされています。
スーダンでは難民の急増に環境整備が追いつかず、1つのトイレを600人以上で共有している難民キャンプもあります※2。また、キャンプ内の診療所は竹やビニールシートでつくられた仮設のものしかありません。
- ※1出典:UNHCR Operational Update South Sudan(1-15 March 2019)
- ※2出典:UNHCR Kosti Sub office資料(2018年9月時点)
このプロジェクトは、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の協力のもと、ウガンダには日本人職員が駐在し、活動を実施しています。
活動のハイライト
活動内容
スーダンでは、南スーダン難民を受け入れている2カ所の難民キャンプ内に設置されていた仮設診療所を、竹やビニールシートでできたものからプレハブ式の診療所に建て替えました。また、女性世帯主、障がいがある、高齢者世帯など、難民キャンプの中でも特に脆弱な500世帯を対象に家庭用トイレを設置。対象キャンプの一つでは、プロジェクト開始前は633人で1つのトイレを共有していましたが、ドイツのプランや国連機関と協力して支援を行ったこともあり、2020年6月にはトイレ1つあたりの利用者は14人にまで改善されました。ウガンダでも、「子どもひろば」や若者クラブ、ケースワーカーによる個別支援などの活動を継続して実施しました。スーダン、ウガンダ両国ともに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もありましたが、一緒に行動するスタッフ数を減らす、人との距離を十分にとるなどの感染予防策をとりながら活動を続けています。
おもな活動の成果
地域 | 【ウガンダ】アルア県 【スーダン】ホワイト・ナイル活動地域 |
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期間 | 【ウガンダ】3年2カ月 2017年10月~2020年12月(予定) 【スーダン】1年1カ月 2019年5月~2020年6月 |
2020年度 おもな支援内容と対象 |
【ウガンダ】
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- ※「子どもひろば」
災害・緊急時に、子どもの保護と心のケアのために設置・運営されます。現地では、混乱のなか、子ども、とりわけ女の子は虐待や搾取の対象となる危険性が高まります。子どもたちが一日もはやく日常を取り戻せるよう、遊びや学習を取り入れることで、子どもたちが抱えるストレスを軽減させ、自尊心を育み、自分を守ることができるようになることも視野に入れて活動します。また、保護者も含めた子どもの保護への理解を深める場としても重要です(詳しくはこちら)
関連リンク
プロジェクト担当者の声
プログラム部 道山恵美職員
「スーダンの難民キャンプは国際社会の関心も薄く、インフラ整備をはじめ多くの支援が必要とされている状態で、家庭用トイレの設置もすすんでいませんでした。家庭用トイレがない場合、キャンプ内の公共トイレを利用することになります。公共トイレは安価で速やかに設置できる一方で、利用者にとっては、トイレに入るところを人に見られる恥ずかしさや、夜間に用を足すためには暗い道を歩いて行く必要があるなど、課題もあります。以前は『トイレは1日2回で我慢する』『(夜は怖いから)屋外排泄をせざるを得ない』という女の子や女性もいました。家庭用トイレの設置は、下痢や疾病の予防に留まらず、女の子や女性に安心・安全をもたらすことができる支援であると強く感じています。ほかにも診療所の設置や衛生啓発活動を実施したほか、『子どもひろば』の活動も順調です」