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【経過報告】「希望を捨てない」若くして母親になった女の子~南スーダン難民の保護と衛生改善プロジェクト~

ウガンダ

グローバル・プロジェクト

更新)

11/25は「女性に対する暴力撤廃の国際デー」。紛争下ではさまざまな暴力が表面化し、特に女の子や若い女性にむけられる暴力や性暴力は増える傾向にあります。こうした状況は、紛争から逃れた先の難民キャンプで特に顕著です。
避難先で性的搾取に合い困難に直面したキャロルさん(仮名)のストーリーを通じて、女性たちが受けている暴力とプランがどのように支援しているかについてご報告します。

南スーダンから避難した女の子が直面した困難

キャロルさんは2016年、12歳のときに母国南スーダンの紛争を逃れ、兄と2人でウガンダに避難してきました。

難民居住区で小学校に通っていたキャロルさんは、通学路で男性からしつこく言いよられるようになりました。いつも断っていたのですが、お金や衣類、食べ物をサポートしてくれると言われ、仕方なく3回だけ性的な関係を持ちました。

写真:15歳で母親になった難民の女の子

15歳で母親になった難民の女の子

その後妊娠していることがわかり、それを男性に伝えると、警察を恐れた彼は、「このことは誰にも言うな」と言って、南スーダンに逃げていきました。ウガンダでは、未成年との性的行為は厳しく対処されるためです。

「私の妊娠に気づいた近所の女性がそのことを兄に伝えると、兄は私を家から追い出しました。伝統を重んじる兄は、シングルマザーとなる私を許せなかったのです。私はしばらく近所の知人の家で暮らし、村長の働きかけで兄の家に帰らせてもらうことができました。しかし、その後も周囲の人たちからは冷たくされ、学校の生徒には笑われ、近所では多くの人に売春婦と呼ばれました」

プランとの出会い

そんなキャロルさんに転機をもたらしたのは、プランとの出会いでした。
「妊娠3カ月ごろからひどく体調が悪くなりましたが、近くの診療所にも連れて行ってもらえず、ただ耐えて過ごしていました。そんなとき、友だちがプランに連絡すれば、何か助けてくれるかもしれないと教えてくれ、プランが運営する『子どもひろばを訪ねました。

写真:家庭訪問にむかうケースワーカー

家庭訪問にむかうケースワーカー

そこで働くボランティアに事情を説明したところ、スタッフが相談にのるから、家に帰って待つように言われました。

半信半疑で家に戻ると、プランのケースワーカーが訪ねてきてくれました。彼は、私の事情を聞き、その場で診療所への紹介状を書いてくれました。ケースワーカーは2日後にまた家を訪ねて来て、今後もサポートを継続することを提案してくれました。兄に対しても、現実を受け入れて私が健康的に出産できるようサポートするよう説得し、私には、出産して授乳期間が終わったら、また学校で勉強する希望を捨てないよう励ましてくれました。その後も定期的に家に来てくれ、私の健康状態や兄との関係性を確認してくれました」

  • ※「子どもひろば」
    災害・緊急時に、子どもの保護と心のケアのために設置・運営されます。現地では、混乱のなか、子ども、とりわけ女の子は虐待や搾取の対象となる危険性が高まります。子どもたちが一日もはやく日常を取り戻せるよう、遊びや学習を取り入れることで、子どもたちが抱えるストレスを軽減させ、自尊心を育み、自分を守ることができるようになることも視野に入れて活動します。また、保護者も含めた子どもの保護への理解を深める場としても重要です(詳しくはこちら

プランは、キャロルさんにマットレスやシーツ、タオル、子どもの服、蚊帳、洗濯石けんや赤ちゃん用の石けん、ベビーパウダーを支給しました。キャロルさんは「子どもひろば」で開催されている若者サポートグループにも参加し、同じような境遇にある若者と一緒にグループカウンセリングやライフスキルトレーニングを受けました。ビーズを使って鞄やネックレス、ブレスレットを作る活動にも参加し、そこで作ったものを売って、少しですが収入を得ることもできました。

写真:ビーズで小物を作る若者サポートグループ

ビーズで小物を作る若者サポートグループ

自分に対して肯定的な気持ちを持てるようになったと言うキャロルさん。
「夢を諦めない大切さや友だちを尊重することも学びました。過去のことにとらわれず、将来に待ち受けている喜びに目をむけ生きていきたいと思っています。そして、子どもを大切に、愛情を注いで育てていきます」と力強く語ってくれました。

コロナ禍で学校が休校となり、難民居住区でも子どもや若者が家で過ごす時間が増えました。特にキャロルさんのような女の子や若い女性たちが家庭内暴力やジェンダーに基づく暴力、早すぎる結婚の被害に遭うケースが増加しています。そのような被害に遭った場合、自分を責めてしまいがちですが、それは個々の責任ではなく、防ぐことのできなかった社会・コミュニティの責任です。

写真:難民居住区の様子

難民居住区の様子

自分を恥じず、自信を取り戻し、人間としての尊厳を持って生きていくことができるよう、プランは今後も、多角的な活動を通してひとり一人が抱えている問題に寄り添いながらサポートしていきます。

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