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(2022年12月28日更新)

プラン・インターナショナルのユース・アドボカシー活動に参加するアフリカ出身の3人の若者(イリーナさん、ファリダさん、ママ サンピーさん)が、世界的な食料危機の影響や、ジェンダーを考慮した支援活動の必要性について、当事者の立場から語ります。

私たちは、現在起こっている食料危機が、日々の暮らしにどのような影響を及ぼしているのかを多くの人々に知っていただくために、このブログを共同で執筆することにしました。

8億2800万人が深刻な飢餓に直面

写真:毎日1時間以上歩いて水汲みにいく女の子(エチオピア)

毎日1時間以上歩いて水汲みにいく女の子(エチオピア)

世界は今、これまで経験したことがないほど深刻な食料危機に直面しています。毎日、世界人口の約10%、およそ約8億2800万人もの人々がお腹を空かせたまま眠りについています。私たちが暮らすケニアやエチオピアなどに加え、ニジェール、マリ、ブルキナファソ、南スーダン、ソマリアなどの国々では、壊滅的な干ばつと紛争、食料価格の高騰といった3重苦により、何百万人もの人々が飢餓の淵に立たされています。そして、2023年には、この状況はさらに悪化することが予測されています。

世界の小麦の3分の1を供給し、ひまわり油、大麦、トウモロコシ、肥料の最大の輸出国であるウクライナやロシアが、紛争により輸出を停止したことも、私たちの暮らしに大きな打撃を与えています。

  • ※出典:WFP

教育や健康に負の影響を及ぼす食料危機

写真:1日1食を家族で分け合う

1日1食を家族で分け合う

ケニアでは、2022年1月時点で1リットルあたり22ケニア・シリングだった石油の価格は、今では100ケニア・シリング(1 ケニア・シリング=1.08 円)と、5倍以上になっています。エチオピアでは、5リットル350エチオピア・ブル(1 ブル=2.47 円)だった食用油の価格が、今では1000ブル近くまで上昇。毎日の食事作りにも支障が出ており、大勢の人々が1日1食でしのいでいる状況です。

写真:やせ衰えた家畜を見守る母と娘(エチオピア)

やせ衰えた家畜を見守る母と娘(エチオピア)

食料の確保が難しくなるにつれ、途中で学校を辞めてしまう子どもたちも増えています。また、妊娠中や授乳中の母親は栄養不良に陥り、母子双方に悪影響が及んでしまっています。幼い年齢で栄養不良を経験した子どもたちは、知能や身体の発達に遅れが生じ、生涯にわたり取り返しのつかないダメージを受ける可能性もあります。さらに、気候変動による干ばつのために家畜が死に絶え、収入源を断たれてしまった人々も大勢います。

自然災害と武力紛争で国内避難民が増加

写真:家族と国内避難民キャンプに逃れてきた姉妹(マリ)

家族と国内避難民キャンプに逃れてきた姉妹(マリ)

武力紛争が激化しているアフリカ、中央サヘル地域に位置するマリでは、気候変動に加え、不安定な治安情勢が人々の生活に直接影響を及ぼしています。何カ月、時には何年もかけて耕した土地で丹念に栽培した作物をようやく収穫できるという時に、武装集団の襲撃によりこれまでの努力が台無しになってしまうことを想像してみてください。畑を失い家畜を殺された人々は、家族を養うための収入源を失い、途方に暮れています。
また、ここ数年、マリでは干ばつや洪水、地滑りなど多くの自然災害が発生しており、マリの人々にとって主要な収入源である作物栽培がますます難しくなっています。土地を耕すことができないため、多くの人々が住み慣れた家を離れ、別の土地へと移住して難民となり、さまざまな危険にさらされているのです。

資金不足に陥っている飢餓対策

ウクライナ危機と新型コロナウイルス感染症対策への資金調達が急がれたことで、私たちが暮らすアフリカ東部の「アフリカの角」地域に対する支援活動は、著しい資金不足に陥っています。飢餓の危機がメディアに取り上げられることは少なく、国際社会の政策決定の場で注目されることもほとんどありません。そのため、飢餓の危機に対する財政支援は、決定的に不足しています。

ジェンダーを考慮した支援活動が重要

写真:水汲みと食料確保は女の子と女性の仕事(ケニア)

水汲みと食料確保は女の子と女性の仕事(ケニア)

現在、アフリカの角は、飢餓の瀬戸際にあります。飢饉が宣言されたときには、手遅れなのです。飢饉を防ぐためにも、今こそ行動を起こすべきです。飢餓の危機はジェンダーに関わらずすべての人々に等しく影響を及ぼすはずですが、実際には、世界の飢餓人口の70%を女の子と女性が占めているとの報告があります。飢餓に直面している地域の教育現場では、女の子たちが真っ先に学校を辞めさせられ、早すぎる結婚(児童婚)や強制結婚、ジェンダーに基づく暴力や性的搾取、望まない妊娠が増加していることが確認されています。

この危機に対峙するためには、支援金の増額だけではなく、弱い立場に置かれた女の子や女性たちを保護し彼女たちの権利を推進するための、性と生殖に関する健康と権利の促進やジェンダー・トランスフォーマティブ教育の推進も重要です。
国際社会が私たちの声に耳を傾け、ジェンダー正義と命を救う支援を実現するために一刻も早く適切な支援を行うことを望んでいます。時間は、刻一刻と過ぎています。今すぐ行動を起こしましょう。

執筆者プロフィール

写真:イリーナさん(23歳)

イリーナさん(23歳)
エチオピア在住。大学法学部の4年生。飢餓の危機とセクシュアリティに関する問題を提唱している。


写真:ファリダさん(23歳)

ファリダさん(23歳)
ケニア在住。リーダーシップ、ジェンダー平等、ジェンダーに基づく暴力の問題に取り組み、メンターシップ、アドボカシー活動、ボランティア活動を通じて、教育の発展を支持するコミュニティ組織の創設者。


写真:ママ サンピーさん(20歳)

ママ サンピーさん(20歳)
マリ在住。女の子の権利に関するアドボカシー活動を展開し、早すぎる結婚(児童婚)やジェンダーに基づく暴力に反対するキャンペーンを行っている。以前には、マリの子ども議会で議長を務めたことも。現在、弁護士を目指して勉強中。

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