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ドイツの難民支援活動
事務局長
佐藤 活朗
Japan日本
事務局より
(更新)
2015年以降、地域の紛争をきっかけとして、シリア、イラク、アフガニスタンなどから大量の難民が発生。プラン・インターナショナルはエジプトでのシリア難民支援に加え、ヨーロッパで最大の100万人以上を受け入れたドイツでも、2016年初めから支援活動を行っています。
2016年12月、ドイツでのプランの難民支援活動の経験と学びを支援国関係者に共有するワークショップがハンブルクで開かれ、参加してきました。
対策拠点施設のひとつ
イラクから家族とともに避難してきた
15歳の女の子
プラン・インターナショナルの経験と学びの共有
ワークショップでは、ドイツの職員から、難民キャンプ(以下キャンプ)では子どもたちや女性がどうしても弱い立場に置かれがちなこと、これに対してプランが途上国の災害などの際に行う心理社会的ケアや子どもたちが安心して遊んだりできるスペースの運営などは有意義であると確認されたこと、しかし実施にあたっては現場の実情を把握したうえできめ細かい配慮が必要なことなどが発表されました。
先進国(支援国)での活動という点では、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震で活動した日本のプランはより経験があり、ドイツの経験や教訓は東日本大震災などと重なる部分も多くありました。私からは、東日本大震災では被災直後はまず物資の提供を行い、次第に被災者の心理社会的ケアに重点を移し、自治体や地元専門家と連携しながら水平展開していった日本の経験を共有しました。一方、ドイツでの詳しい事前調査に基づく計画作り・進捗確認や充実したサポート体制など、学ぶ点も多くありました。
今回のワークショップのように、子どもたちや女性の直面する課題に対して、世界中に広がる仲間が知恵や経験を出して学びあい、またすすんで政府、企業、市民団体など連携して、迅速に改善や水平拡大につなげていくことが国際NGOであるプラン・インターナショナルの強みだと思いました。
子どもたちが持つ可能性を後押し
訪問したハンブルクのキャンプは倉庫を利用したもので、東日本大震災直後の避難所の光景をまざまざと思い出しました。仕切り無しの混住だった当初に比べると、今は一応の仕切りがありますが、あくまで仮の住まいです。
シリアからの難民の家族
キャンプで子どもたちが書いた絵
キャンプではプランが支援している15歳前後の難民の子どもたちグループと交流しました。シリア、イラク、アフガニスタンと、もともと言語や文化も様々な彼女・彼らは、ドイツ語や英語を半年足らずで習得したといいます。皆これまで経験しただろう数々の苦難を感じさせないほど明るく、今は皆で協力してキャンプ運営の手伝いや小さい子どもたちのケア、地元のユースとの交流などを積極的に進めています。あるシリア出身の女の子は、将来教師になりたいという希望を話してくれました。
プランのドイツの難民支援チームにも、自分自身が幼少時に難民としてドイツに来た、献身的なスタッフがいました。彼らに接して、子どもたちの誰もが可能性を持ちそれを実現する力を持っている、そして少しの支援でその開花を後押しすることができることを再確認しました。
元難民の職員(左から2人目)
国際的な課題 先進国も当事者としてともに取り組む
グローバル化の進行で地球は小さくなり、災害や難民などの問題は一国にとどまらない国際的な課題となっています。2015年国連で合意された持続可能な開発目標(SDGs)でも、先進国が途上国を助けるという旧来のパターンに替えて、人類が共有する課題に国境を越えて取り組むという考え方が明確にされました。プラン・インターナショナルでは東日本大震災の経験を現在「災害に強い学校」プログラムを通じ、アジアなどの学校で災害時の被害を最小限にするために生かしています。ドイツの経験も今後に生かせるはずだと意を強くして、クリスマスが近づくドイツを後にしました。
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