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子どもの教育を支える仲間との出会い~トーゴ出張記~
プログラム部
船越 美奈
Africaアフリカ
(更新)
プログラム部の船越です。「障害のある子どもの教育」プロジェクトの立ち上げにあわせて、現地に駐在する武田職員とともに、アフリカのトーゴへ出張してきました。プラン・インターナショナルに入局して約18年になる私は、これまで多くの国々を訪れましたが、トーゴは初めてです。それでもどこか懐かしさを感じたのは、最初に出張した国が隣国のガーナだったからなのでしょう。ここでは、トーゴ出張で出会った人々をご紹介します。
教育現場を支えるボランティア教師
ボランティア教師のミボーカイさん(左)
2つしか教室がない小学校の分校で出会ったのは、4年前からボランティア教師として働くミボーカイさん(30歳)です。この分校では、ボランティア教師2人が1年生~4年生まで55人の教育をすべて担っています。
「大学には2年通いましたが、家計が苦しく中途退学しました。それでも、教師になる夢を諦められなくて。いつか試験に合格して、教師になりたいです」。そう語るミボーカイさんに収入を尋ねると、「子どもたちの保護者から、合計で月に1万セーファーフラン(約2000円)を受け取ることになっています。でも、実際にはこの金額に満たないことも多いです。学校に通うバイクのガソリン代も高いので、生活は厳しいです」と教えてくれました。
教師不足が深刻なトーゴで、ボランティア教師がいなければ、多くの子どもたちが教育を受けられなくなることは明らかです。教師を増やすことはもちろん、ボランティア教師が置かれている状況が少しでも良くなるよう、教育省への働きかけを強化する必要性を実感しました。
教室もトイレも手づくりする住民
優しさと風格を感じさせるセイヤオ村長
別の小学校では、村長のセイヤオさん(57歳)にお話を伺いました。1年生~6年生までが通うこの小学校では、教室が足りず、11年前に住民が協力し合って自力で教室を作ったそうです。
「教室の茅葺き屋根は、雨でダメになってしまうので、毎年張り替えています。4年前にはトイレを3基作りましたが、これもすぐ壊れてしまいます。子どもたちに、もっと良い学習環境を整えてあげたい」と語る村長。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防のために手作りした、足踏み式の手洗い器具も見せてくれました。
プロジェクトでは、開始2年目の計画のなかで、この小学校の建て替えを予定しています。教室建設の進捗管理は住民が中心になって進めるため、「この村なら大丈夫」という思いを強くしました。
住民が手作りした教室
手洗い器具は、住民自慢の一品
障害のある子どもを支える巡回教師
手話を教えるアナテさん
最後にご紹介するのは、障害のある子どもや教師を支える巡回教師のアナテさん(45歳)です。2018年~2021年まで実施していた前身のプロジェクトから、プランが継続して支援しているモー県では、3年前から活動している巡回教師が4人います。このうち2人は点字、2人は手話を担当し、小学校56校を巡回しながら、教師や子どもたちの指導を行っています。
以前は小学校の校長だったというアナテさんに、巡回教師としてのやりがいを尋ねました。「支援を受けて、これまで学校に通うことができなかった障害のある子どもたちが教室に増えました。出席率も高く、成績も上がっているのが素晴らしいと思います。この前、聴覚障害のある子どもが私の姿を目にして、『僕の先生だ!』と笑顔で一生懸命声を出そうとしてくれたときには、友だちになれたようでうれしかったです」
障害のあるなしに関わらず、全員で手話を学ぶ教室では、子どもたちの笑顔がとても印象的でした。プロジェクトの成功のカギとも言える巡回教師とは、今後も良い関係を築きながら協力して活動していきます。
出張の度に思うのは、世界中には、子どもたちのために一生懸命活動する人たちが本当にたくさんいるということ。プランは主役ではなく、こういった人たちを支えるための存在だと思っています。これを読んでいる皆さんに、トーゴのヒーローたちを少しでも近くに感じていただけますように。引き続き応援をよろしくお願いいたします。
元気よく見送ってくれた幼稚園の子どもたち
子どもたちと一緒に折り紙遊びも
- ※このプロジェクトは、外務省(NGO連携無償資金協力)の支援のもと実施しています
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