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トーゴの学校現場でいま起きていること~障害のある子どもの教育支援プロジェクト~

(2024年05月02日更新)

写真:子どもに手話を教える教師

子どもに手話を教える教師

トーゴでは、障害があることを恥と考える文化が根強く残っており、障害のある子どもは家庭内に隠されたり、地域でいじめの対象となったりしがちです。また、学校設備は十分に整っておらず、障害のある子どもたちを対象とした教授法も導入されていないため、障害のある子どもの多くは教育を受ける機会を奪われています。
プラン・インターナショナルは、2022年3月より中央州モー県およびカーラ州バサール県で「障害のある子どもの教育支援」プロジェクトを開始。多様性を尊重する「インクルーシブ教育」を普及させ、障害のある子どもたちが社会で居場所を得て、質の高い教育を受けられるようになることを目指しています。プロジェクトを開始してからおよそ2年が経ちました。
今回は、学校現場でみられた変化をご紹介します。

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壁は教師だった!障害のある子どもが通学できる環境を目指して

写真:教師への手話トレーニングの様子

教師への手話トレーニングの様子

プロジェクトの開始前、障害のある子どもが学校へ行けない理由を調査したところ、教師の理解不足から入学を認められなかったケースがあることが分かりました。つまり、学校の教師が障壁となり、障害のある子どもが通学できていなかったのです。
そのため、このプロジェクトでは、バリアフリーの学校設備を整備するだけではなく、地域の学校教師100人にトレーニングを実施し、障害の種類や原因、対応策、インクルーシブ教育や手話、点字について伝えました。これらのトレーニングにより、教師が障害のある子どもの入学を阻むケースはなくなりました。

現地の声

写真:障害のある子どもへの対応を自信もって語るカラウさん

障害のある子どもへの対応を自信もって語るカラウさん

カウラさん(教師トレーニング参加者)
「私の勤務する学校には、聴覚障害のある子がいました。この子は学校で、誰とも遊べていませんでした。私は聴覚障害のある子どもにどう接したら良いか分からず、サポートすることができませんでした。このプロジェクトでトレーニングを受け、聴覚障害のある子どもへの対応方法を学び、この子が皆と一緒に遊べるように働きかけることができました。今では、この子も学校の友だちと仲良く遊んでいます」

巡回教師が直面した問題!予想を超える業務量

このプロジェクトでは、障害教育を専門とする4人の教師を育成しています。4人は他の教師の指導や障害のある子どものサポートのために各校を巡回することから、巡回教師と呼ばれています。
巡回教師として勤務しているクラバさんは、聴覚障害を専門として、耳の聞こえない子どものいる学校15校を巡回しています。巡回する学校で障害のある子どもを初めて受け入れたとき、「これは大変だ」と感じたそうです。なぜなら、子どもたちが障害のある子どもを避け、仲間外れにしていたからです。
また、障害のある子どもはこれまで教育を受ける機会がなかったことから、鉛筆の持ち方すら分からなかったのです。巡回先の学校では、教師にインクルーシブ教育の指導をする予定でしたが、教師の知識や能力以外にもさまざまな課題が見つかり、その業務量は予想以上でした。障害のある子どもが他の子どもと一緒に遊べるような環境を作ったり、学校長や他の教師とともに補習を行ったりもしました。クラバさんのサポートもあり、障害のある子どもたちは、学校で徐々に楽しく過ごせるようになりました。

現地の声

写真:この仕事に就けてうれしいと語る巡回教師のクラバさん

この仕事に就けてうれしいと語る巡回教師のクラバさん

クラバさん(巡回教師)
「忙しい毎日を送りつつも、自分の知識の幅を広げることができてうれしいです。私がサポートすることで、障害のある子が直面している障壁を取り除けますし、とてもやりがいを感じています」

子どもたちが支えあう学校現場

写真:放課後に補修を受ける弱視の女の子

放課後に補修を受ける弱視の女の子

トーゴの小学校では、放課後に子どもたちが教室の掃除をすることが一般的です。ある小学校では、掃除の時間に、3人の女の子が教室で勉強していました。教師に聞いたところ、弱視の女の子が授業後に補習を受けているとのこと。
2人の女の子は、弱視の子のサポートをするため、一緒に補習を受けていました。また、2人の女の子の代わりに、他の子どもたちが掃除をしていました。皆が協力して障害のある子どもをサポートする環境が当たり前のようにできているのです。

写真:授業に積極的に参加する聴覚障害のある女の子(右端)

授業に積極的に参加する聴覚障害のある女の子(右端)

他の授業では、聴覚障害のある女の子が手話で発言していました。この学校では、彼女が入学した直後から、担任の教師と同じクラスの子どもたちが手話を学ぶようになりました。
教師によると、まだ手話ができない子どもも、彼女とジェスチャーでコミュニケーションをとろうと頑張っているそうです。初めはなかなか他の子どもたちの仲間に入ることができなかった彼女も、今では多くの友だちに囲まれて、楽しく通学しています。

完璧でなくてもいい、知ることが大事

教師トレーニングを実施して分かったことは、「完璧でなくてもいい」ということです。教師や子どもは、点字や手話を完璧に習得しているわけではありません。ただ、トレーニングを通して、「障害のある子どもとともに生きる世界」を知り、相互に支えあう環境を作り出しているのです。
たとえ手話や点字を忘れることがあっても、自分とは異なる視点で捉えた世界があることを知り、お互いを支えようとする気持ちをずっと持ち続けるようになることでしょう。

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