(2025年07月15日更新)
世界の人口は増加の一途をたどっています。日本やドイツ、中国などでは少子化による人口減少が問題となる一方、アフリカ地域では人口が急速に増えています。世界の人口は、2024年の82億人から、約50年後の2080年代半ばには103億人に達すると予測されています。
人口の爆発的な増加によって、すでにアフリカの都市部ではインフラの不足や貧困の深刻化など、さまざまな社会・経済的課題が顕在化しています。この記事では、アフリカの人口動向の現状とこれからの課題、そして必要とされる支援について詳しく解説します。

もくじ
アフリカにおける人口増加の現状
アフリカの人口は急速に増加している
アフリカの人口は増え続けており、今世紀末までに世界人口の約40%を占めると予測されています。2024年の国連発表によると、アンゴラ、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、ニジェール、ソマリアなどでは、2054年までの30年間に人口が倍増する
と推計されました。

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アフリカの人口が増加しているのはなぜ?
なぜアフリカの人口が急速に増加しているのでしょうか。その背景には、前向きな要因も含まれています。ここでは大きく3つの理由について考えていきます。
医療と公衆衛生の進歩
医療技術と公衆衛生の進歩は、人口増加の理由のなかでも良い側面として挙げられます。特に予防接種の普及や栄養状態の改善、感染症の予防と治療法の向上などが、乳幼児の死亡率を大幅に低下させました。若年人口の生存率が高まった結果、健康に成長できる子どもが増え、平均寿命が延びたことが人口増加につながっています。

ウガンダの病院に建設された新生児集中治療室
文化的・社会的要因
多くのアフリカ社会では、子どもが家族の労働力や老後の保障として重要視されてきました。特に農村部では、子どもを多く持つことが豊かさや社会的地位の象徴とされ、高い出生率を維持する一因となっています。
世界全体の女性一人あたりの平均出生数が2.25であるのに対し、サハラ以南のアフリカでは1割以上の国と地域で出生率が4を超えています
。中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ民主共和国、ニジェール、ソマリアなどで特に高い出生率が見られます。女性の社会的地位が低いことや早すぎる結婚(児童婚)・出産も大きな影響要因です。
家族計画に関する情報格差
教育機会が限られている地域では、住民の識字率が十分ではないため、文字情報を通じて避妊に関する正しい知識を得ることが難しい場合があります。
さらに性教育が政府の政策や補助の不足により限定的であるほか、文化・伝統・宗教的な価値観が避妊についての議論を妨げていることも少なくありません。
加えて、避妊具や関連医療サービスへのアクセスが限られていることやコストの負担などが重なり、結果として望まない妊娠が生じやすい状況が続いています。

妊娠のために中途退学した自分の子どもを抱く18歳の女の子(マラウイ)
識字率とは?国別の現状や識字率が低い原因、生活にもたらす影響
人口増加がアフリカにもたらす課題
アフリカの人口爆発が多くの課題をもたらしているなかで、特に子どもや女性が直面する困難は深刻です。生きていくために不可欠な水や食料の確保に時間を取られたり、学校へ通うことが難しくなったりと、将来にも関わる影響をより受けやすいためです。

徒歩で移動中に暴力を受ける女の子や女性も多い(ウガンダ)
インフラの不足
水道、電気、道路などの基本的なインフラの需要も急増しています。供給が需要に追いつかない地域では衛生環境が悪化し、疾病の蔓延など深刻な公衆衛生リスクが生じています。
安全な通学路や衛生的なトイレが不足しているため、多くの女の子が月経期間に学校を欠席したり、通学自体を諦めたりせざるを得ないケースもみられます。インフラの不備は、教育機会の公平性やジェンダー平等の実現にも直結する問題です。
アフリカの教育問題|学校に行けない子どもたちへの支援の現状
食料・水問題の深刻化
食料と水への需要も急激に高まっています。気候変動の影響による干ばつや洪水がアフリカ各地で頻発し、農業生産性の低下や水資源の枯渇などに拍車をかけています。食料不足や水不足が深刻化し、結果として多くの子どもたちが栄養不良や飢餓の危機に直面しています。

支援物資を受け取る避難民(スーダン)
貧困の悪循環
人口増加がもたらすもうひとつの大きな課題として、社会格差の拡大による貧困問題が懸念されています。貧困層の子どもは、十分な教育を受けることが難しく、特に女の子は学校よりも家事やきょうだいの世話を優先させられがちです。教育の中断は将来的な自立と安定した収入を得る機会を奪い、貧困の連鎖を生みだします。

妹を学校に連れていき世話をする13歳の女の子(ソマリア)
貧困に苦しむアフリカの現状|貧困の原因や求められる支援
人口が増え続けるアフリカで求められる支援とは
今後も人口増加が続くアフリカでは、特に教育と保健分野での持続可能な対策強化が急務です。
教育とジェンダー平等の推進
教育は、経済的自立を支える重要な鍵です。男の子だけでなく女の子も学校に通うことができれば、仕事を得るチャンスが増え、本人だけでなくコミュニティや国全体にとってもプラスの影響をもたらし、貧困の連鎖を断ち切ることにつながります。
女の子が学校に通い続けることができるように、安全な通学路や衛生設備の整備、ジェンダー基づく暴力からの保護、教育の重要性を地域社会に浸透させる活動など、多面的な支援が求められます。

学習センターで学ぶ女の子たち(ソマリア)
ジェンダー平等を実現しよう!SDGsの目標達成に向けた世界の取り組みについて」
正しい性教育と家族計画の支援
早すぎる結婚(児童婚)や望まない妊娠は、人口増加の一因であるだけでなく、女の子の心身の健康を損ない、教育の機会を奪うなど、さまざまな問題を生じさせています。サハラ以南のアフリカでは、18歳未満の出産がなくなれば、2054年の人口が4.3%減少し、増加率も鈍化すると予測されており
、18歳未満の女の子の出産がいかに多いかが分かります。
低年齢での妊娠・出産には高いリスクが伴うだけでなく、医療施設や医療従事者の不足によって、多くの女性と子どもが適切な医療を受けられない状況が生じています。正しい性教育と家族計画の普及は、人口増加対策としてとても重要です。
女性が自らの健康を管理し、妊娠・出産を主体的に選択できるようにすること。ジェンダーに関わらず、若者が性と生殖に関する健康と権利(SRHR)を学び、家族計画を考え、行動するようになること。これらは人口増加を抑制するうえで、不可欠な支援と言えるでしょう。

SRHRについて学ぶ若者たち(ベナン)
母になる女の子たちがいます。早すぎる結婚(児童婚)をさせない。
アフリカの女性が直面する性差別問題 根絶に向けた取り組み
アフリカの人口増加:課題をチャンスに変える支援を
アフリカの人口増加はさまざまな課題を生み出す一方で、長期的な可能性も秘めています。日本企業をはじめとする多くの企業がアフリカ市場の経済成長に期待し、今後のビジネスの発展に注目しています。そのためには、政治・治安の安定、基本的なインフラ整備に加え、教育とジェンダー平等の推進が不可欠です。人口増加に伴う課題を成長のためのチャンスと捉え、持続可能な発展を目指すことが国際社会に求められています。

モザンビークの子どもたち
私たち国際NGOプラン・インターナショナルは、アフリカの子どもや女性の権利を守り、持続可能な発展を支える取り組みを行っています。各国政府や地域の人々と協力し、文化やニーズに配慮しながら、人口増加に伴う課題解決に取り組んでいます。
私たちと一緒に、アフリカの人々の未来を支えていきませんか?

「プラン・インターナショナル・ジャパン」が行うアフリカの課題解決に向けた取り組みを応援する
運営団体
国際NGOプラン・インターナショナルについて
国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。










