(2024年11月18日更新)
世界の多くの国々でたくさんの人々が貧困に陥っています。特にアフリカでは、長年にわたり貧困から抜け出せない人が非常に多く、飢餓や感染症で亡くなる人も後を絶ちません。
貧困の定義は、国際的には2つの種類に分けられます。アフリカを含む途上国で多くみられる貧困は、水、食料、住まいといった生きていくために必要な最低限のものを手にいれることが難しい状態であり、「絶対的貧困」と呼ばれています。これに対して、先進国における貧困は「相対的貧困」と呼ばれ、その国の中の大多数の人々と比べて、生活水準が著しく低い状態を指します。

SDGsの目標1「貧困をなくそう」は、「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」ことを目指しています。しかしながら、世界で貧困に苦しむ人々は増え続けています。この記事では、命の危険にもさらされる「絶対的貧困」に苦しむ人々が集中するアフリカの現状とその原因、そして私たちにできる支援について解説していきます。
もくじ
アフリカの貧困の現状
2023年にユニセフと世界銀行が発表した報告書によると、世界で3億3300万人の子どもたちが、「極度の貧困状態」で暮らしていることがわかりました。「極度の貧困」とは、最低限の栄養、衣類、住まいのニーズが満たされていない状態で、世界中の6人に1人の子どもが、生きることすら難しい状況に直面していることを意味しています。

栄養不良の子どもの腕周りを図る保健スタッフ(ニジェール)
それでは、世界のどの地域に貧困に苦しむ人々が多くいるのでしょうか。
世界銀行によって定められた貧困のボーダーラインである「国際貧困ライン※」に基づく、地域別の貧困率を見てみましょう。
国際貧困ラインに基づく地域別貧困率(2015年)
地域 貧困率(%) 貧困層の数(百万人) サブサハラ・アフリカ地域 41.10 413.25 中東・北アフリカ地域 5.01 18.64 ラテンアメリカ・カリブ海地域 4.13 25.90 東アジア・大洋州地域 2.32 47.18 ヨーロッパ・中央アジア地域 1.47 7.15 南アジア地域 データなし
2015年のデータからは、サブサハラ・アフリカ地域の貧困率が他の地域に比べて突出しており、世界の貧困層の半数近くが、ここに集中している傾向がわかります。サブサハラとは、アフリカ大陸のサハラ砂漠以南のことで、最貧国である南スーダンや中央アフリカ、ソマリアなどのほかに、マダガスカルやモーリシャスなどの島嶼国(島々から構成される国)も含まれます。
2013年から2022年の間には、貧困ライン未満で暮らす子どもの数が13%減少したにもかかわらず、新型コロナウイルス感染症の経済的影響や紛争、気候変動などにより、3年分の進展が失われたといわれます。アフリカ諸国のSDGsの達成状況からも、貧困と関係の深い3つの目標(目標1貧困、目標2飢餓、目標3健康と福祉)の状況は改善されておらず、深刻な課題が残っていることが指摘されています。
- ※2015年の国際貧困ラインは1日1.9ドルでしたが、2022年に「1日2.15ドル」へと変更されています
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【出典】
- 「国際貧困ラインに基づく地域別貧困率(2015年)」(世界銀行)
- 「ユニセフ・世界銀行 新たな推計公表 世界の子どもの6人に1人が極度の貧困 SDGs達成は困難か 国連総会を前に警鐘」(UNICEF)
- 「アフリカのガバナンスと 開発の見通し 国連開発計画 2024 p6」(UNDP)
世界の貧困率を知る|各国の貧困の現状とわたしたちにできること
アフリカの貧困の原因
アフリカの人々が貧困から抜け出せずにいる原因はひとつではありません。複数の政治的・社会的要因が複雑に絡み合い、解決が困難な状況を生み出しています。ここではどのような原因があるのかについて考えてみます。
教育が不十分
初等・中等教育の修了率が低く、識字率が低いことが挙げられます。文字の読み書きや計算などの基礎的なスキルがないために就業することが難しくなり、大人になっても経済的に自立できず、貧困の連鎖が続いてしまいます。貧困家庭では教育継続に必要なお金を工面することが困難なため、子どもを学校に通わせることができません。高等教育を受けた人は非常に限られているので、国の発展に必要な人材育成がなかなか進まないという問題もあります。

授業を受ける子どもたち(ソマリア)
アフリカの教育問題|学校に行けない子どもたちへの支援の現状
インフラ整備の遅れ
電気や水、通信、道路、医療サービスなど、人々の生活に必要なインフラの整備が不十分です。安全な水や食料、ワクチンなどが十分になければ、多くの人が感染症や栄養不良などにさらされ、健康面に問題が起きやすい状況になります。また、これらの基礎的で不可欠なサービスが欠如していると、諸外国からの投資を呼び込むことも難しくなり、経済発展を促すビジネスチャンスを逃すことになってしまいます。

洪水で水浸しになった村(ニジェール)
競争力のある輸出品がない
アフリカの多くの国が一次産品に依存していることも理由のひとつです。一次産品とは、自然のなかで採取・採掘された未加工の産出品で、農産物や鉱物資源などがあります。アフリカの輸出品は、原油や天然ガスなどの天然資源が大半を占めていまが、多くの利益を生み出せずにおり、外貨を獲得する手段が不足しています。
不安定な政治
国民に不利益な政策の実施や不正や腐敗の横行などがみられ、多くの国で政治が正常に機能していません。一部の富裕層だけが恩恵を受け、利益や権利が不正に利用されることもあります。そのうえで、内戦やテロなどの社会的混乱が起きると、人々は避難を余儀なくされ多くの難民が発生する場合もあり、貧困はさらに加速してしまいます。

20万人を超えるスーダン難民の一時保護施設(チャド)
アフリカで紛争が多い原因は?争いの背景や現状、求められている支援
アフリカの貧困を改善するために求められている支援
「貧困をなくそう」は、SDGs目標の1番目に掲げられており、その達成のためにこれまでさまざまな取り組みが行われてきました。プラン・インターナショナルでは、人々が生計手段を確保し、自立して生きていくことができるよう生活基盤を整えるための支援を行っています。ここでは、アフリカにおけるプランのこれまでの取り組み事例をご紹介します。

地域の人々から聞き取りをするプラン職員(ザンビア)
十分な食料の確保
極度な貧困から抜け出すために不可欠なもののひとつに、十分な食料が挙げられます。十分な食料の確保と生計の安定ができれば、飢餓や子どもの栄養不良を防ぎ、人々が健康な状態を保つことができるようになります。
「栄養不良の子どもの食料支援」プロジェクト
ニジェールでは、気候変動による干ばつと洪水のため、以前から生産性が低かった農業が打撃を受けました。そのために十分な収入や食料の確保ができず、多くの乳幼児に発育阻害や栄養不良が見られ、深刻な事態に陥っていました。
プラン・インターナショナルでは、2018年から2021年にかけて、「栄養不良の子どもの食料支援」プロジェクトを行い、栄養指導や農業技術の向上に取り組みました。

子どもたちの発育状況を確認し栄養不良児を特定
支援内容
- 食料支給、栄養不良児の特定と医療機関との連携
- 農業生産性向上のための技術指導および農業用具・資材の支給
- 学校菜園および家庭菜園の普及
- 収入増加のための家畜の導入。農作物市場の機能と動向の把握など

ヤギを受け取り笑顔の女性たち
「栄養不良の子どもの食料支援」プロジェクト ニジェール
女の子や子どもへの教育
アフリカでは教育を受けられない子どもが多くいます。学習環境の整備が不十分であるうえ、貧困のために学費を払えない場合や、親が教育の必要性を理解していない場合もあります。教育機会を失うことによって、子どもたちはそれぞれがもつ可能性を狭めるだけでなく、詐欺や搾取に遭うリスクを高め、将来の経済的自立が難しくなります。
「干ばつ危機下の子どもの教育」プロジェクト
世界最貧国の一つであるソマリアでは、内戦や相次ぐ干ばつにより国土が荒廃し、多くの人々が困難に直面していました。干ばつの影響で教育が後回しにされ、多くの子どもたちが長期間学校に通えず、家計の負担を減らすために女の子が早すぎる結婚(児童婚)を強いられる事例も報告されました。
プラン・インターナショナルでは、2022年から2023年にかけて、2700人の子どもを対象に「干ばつ危機下の子どもの教育」プロジェクトを行い、安全で質の高い教育の実施に取り組みました。

本を受け取り喜ぶ子どもたち
支援内容
- 学用品の支給と補習授業の実施
- 学校の給水施設や男女別トイレの修繕・設置
- 子どもの保護、思春期の子どもたちへの性と生殖に関する健康と権利についての意識啓発および心理社会的支援
- 月経衛生キットの支給
- 水と衛生、栄養などの政策、ガイドラインの策定支援など

新しく設置されたトイレと給水タンク
干ばつ危機下の子どもの教育 ソマリア
あなたも私たちとともに、アフリカの子どもたちを支える人になりませんか?
アフリカの貧困状況や格差の改善に向けて、あらゆる国や地域、国際支援団体、企業などが長年にわたり、多くの寄付やさまざまな支援を行ってきました。しかしながら、多くの課題が山積しているため、解決に向けて長期的視野で幅広く行動し続けることが求められます。
私たちプラン・インターナショナルは、アフリカの多くの人々が知識とライフスキルを習得し、レジリエンス(回復力)を身につけ、自らの力で貧困から抜け出せるよう後押ししています。女の子や子どもたちが潜在能力を最大限に発揮し、健やかに成長できるように、これからも支援を行っていきます。

編み物の技術を学ぶ女の子(タンザニア)
皆さんも私たちとともに、アフリカで貧困に直面する子どもや若者たちを支える人になりませんか?
アフリカの貧困問題から女の子や子どもたちを守るための支援はこちらから
運営団体
国際NGOプラン・インターナショナルについて
国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。









