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ベトナム少数民族の早すぎる結婚の防止~駐在員がみた若者たちの変化~

プログラム部
石丸 晴菜

石丸 晴菜

アジア

ベトナム便り

更新)

シンチャオ(こんにちは)!プログラム部の石丸です。2021年7月から始まった「早すぎる結婚の防止」プロジェクトの担当として、ベトナムの首都ハノイに駐在しています。新型コロナウイルス感染症の影響で、プランが活動する北部ハザン省やライチャウ省への出張が制限されていましたが、昨年末より徐々に再開され、活動地域を訪問できるようになりました。現地で見て、感じたことを駐在員の目線からお伝えします。

首都ハノイから活動地域への遠い道のり

ハザンのコミュニティにつながる道にて

ハザンのコミュニティにつながる道にて

近年、経済発展が著しいベトナム。首都のハノイでは高層ビルが立ち並び、中心部は東京のようにスーツを着てオフィスに出勤する人たちでにぎわっています。広い道はきれいに舗装され、坂道もほとんどないため、多くの人は徒歩や自分のバイク、配車アプリを利用して街中を移動します。

それに対してプランが活動するベトナム北部の道は険しく、曲がりくねった細い道ばかりです。ハノイからハザンやライチャウまでは車で片道6時間ほど。そして、獣道のような場所をプランのスタッフが運転するバイクの後ろに乗って1時間ほど移動します。バイクが進めなくなる場所からは、さらに2~5キロの道のりを徒歩で進みます。プランの活動地域の多くは標高1000メートル以上の高所にあるため、徒歩での移動中はすぐに息があがってしまいます。しかし、地域住民の方々が温かい笑顔で迎えてくださる姿を目にした瞬間に、それまでの疲れは吹き飛んでしまいます。

少数民族に多くみられる早すぎる結婚(児童婚)

研修参加後、農園を始めた女性たち

研修参加後、農園を始めた女性たち

ベトナムにおける早すぎる結婚(児童婚)の割合は、全国平均が11%であるのに対し、特に北部に住む少数民族の間で高くなっており、ヌン族、テイー族、ターイ族では22.4%、モン族では53.4%にも上っています。背景には、貧困や女性の限られた就労機会、男性優位の慣習や価値観などがあります。プランはこうした現状を変えるために、地域の人々が女の子への差別的な社会規範に気がつき、意識と行動を変えられるよう、ジェンダー平等研修や意識啓発活動などを行っています。また女の子が自らの意思で人生の選択ができるよう、職業技術訓練や起業支援も行っています

女性の自立がジェンダー平等実現への一歩

起業を支援するトレーニングの様子

起業を支援するトレーニングの様子

活動地域への出張では、活動に参加する人々の自宅を訪ねてインタビューを行います。民族によって、家の構造や着ている服、話す言語もまったく異なります。そんななか共通しているのは、女性参加者のほとんどが「活動に参加するまで意見を言えなかった」、あるいは「意見を聞いてもらえなかった」と口を揃えて話してくれることです。ハザンやライチャウに住む女性の多くは10代のうちに結婚し、家事を一手に担いながら家業の手伝いをすることが多く、経済的に自立することを許されていません。プランの活動に参加して初めて、女性が生まれながら持っている可能性に気がつき、意見を聞いてもらう権利があることを知り、家族にも意見を言えるようになります。なかには、夫にもジェンダー平等研修に参加するよう説得できた女性もいました。今後はこの活動に参加した女性たちがロールモデルとなり、地域の女の子たちの意識に変化をもたらすことが期待されています。

若者たちの変化「地域を変えるためにはまず自分から」

ジェンダー平等研修の様子

ジェンダー平等研修の様子

ライチャウを訪問した際には、ユースクラブが実施していたジェンダー平等研修の一環である、ジェンダー規範に関する話し合いに参加しました。話し合いのなかで、ベトナム国内、特に少数民族の間では女の子と女性が軽視されがちで、ライチャウでもこの傾向が強いこと、どこから意識啓発を進めればいいのか分からないことが問題としてあげられていました。これに対してユースクラブのリーダーの若者が「地域を変えるためには、まず自分から変わらないといけない。その姿を見ている人が一緒に変わってくれる」と話してくれました。「当たり前と思っていることも違う視点から考えてみることで、固定観念やジェンダー規範を変えていこう」というプランの発するメッセージが、地域の若者にしっかりと伝わっていることが実感できた瞬間でした。ジェンダー平等への意識や理解がさらに多くの人々に浸透するよう、これからも研修を継続していきます。

活動に参加する少数民族の女性たちと

活動に参加する少数民族の女性たちと

活動地域へ出張すると、これまでの活動が地域にどのような変化をもたらしているかを実際に目にすることができます。同時に、活動に参加する住民たちから、現時点でまだ十分に取り組めていないことや問題点なども直接聞くことができます。今後も人々の生の声をもとに、より良い成果をもたらせるよう取り組んでまいります。引き続きプロジェクトへのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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