(2024年06月14日更新)
「ジェンダーギャップ指数」という言葉を聞いたことがありますか?世界各国の男女平等に関する状況を数字で示したもので、世界経済フォーラムが毎年発表しています。持続可能な開発目標(SDGs)の目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を達成するためにも、この指標はとても重要です。ここではジェンダーギャップ指数からわかる世界の課題や私たちにできることを一緒に考えていきたいと思います。

誰もが平等な社会を目指して
もくじ
ジェンダーギャップ指数とは?
ジェンダーギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)
とは、世界経済フォーラムが毎年発表する報告書「グローバル・ジェンダーギャップ・レポート」に基づいて算出される指数のことです。146の国と地域を対象に性別による格差を「経済」「教育」「健康」「政治」の4分野、14項目から測定しており、各国の男女平等に関する状況を数値化しています。
ジェンダーギャップ指数は0から1までのスコアであらわされ、0が完全なジェンダー不平等、1が完全なジェンダー平等の状態を示しています。数値が1に近いほど性別間における格差が小さいことを意味しています。

Global Gender Gap Report 2024
2024年のジェンダーギャップ指数の結果からわかること
2024年に発表されたジェンダーギャップ指数の結果を見てみましょう。ヨーロッパ、特に北欧の国々ではジェンダー平等が進んでいます。1位のアイスランドは15年連続で首位を維持しており、教育や福祉の制度が整っているヨーロッパの3分の1の国が上位20カ国にランクインしています。
| 順位 | 国名・地域名 | ジェンダーギャップ指数 |
|---|---|---|
| 1 | アイスランド | 0.935 |
| 2 | フィンランド | 0.875 |
| 3 | ノルウェー | 0.875 |
| 4 | ニュージーランド | 0.835 |
| 5 | スウェーデン | 0.816 |
一方、ジェンダーギャップ指数が低い国には、南アジアや中東、北アフリカ、サハラ以南のアフリカなど途上国などが含まれています。最下位は、長引く紛争により混乱状態が続いているスーダンです。ジェンダーギャップ指数が低い国は、男女間で教育格差や賃金格差が生まれたり、社会進出や政治参加への制限がかかったりしがちです。
順位 国名・地域名 ジェンダーギャップ指数 142 ギニア 0.601 143 イラン 0.579 144 チャド 0.576 145 パキスタン 0.570 146 スーダン 0.568
世界における日本のジェンダーギャップ指数
2024年の日本のジェンダーギャップ指数は、146カ国中118位。依然として主要先進国(G7)のなかでは最下位ではあるものの、過去最低を記録した前年から7つ順位を上げました。順位を上げた大きな要因は、政治分野における女性の参画の進展によるものです。経済分野では、56.8%の経済的男女格差が解消されていないものの120位となっています。労働人口に占める女性の労働参加率は低くはないものの、職場における女性管理職の割合の低さや男女間の所得格差などが依然として大きな課題です。厚生労働省の2022年の調査によると男性の育児休暇の取得率は上昇傾向ではありますが、17%に留まり、2050年までに取得率50%を掲げる政府目標の達成にはまだ大きな開きがあります。
なぜ途上国と先進国でジェンダーギャップ指数の差が生まれる?
途上国と先進国との間で、なぜジェンダーギャップ指数に差が生まれるのでしょうか。
途上国のジェンダーギャップ指数が低い要因のひとつには社会的な慣習があげられます。男女格差はその国の文化や慣習が反映されることが多く、女性の声が社会や政治に届かないと、男女格差の解消は進みません。途上国の一部では男性優位の考え方が根強い地域もあり、女性だからという理由だけで差別や偏見の対象になっています。

水くみをする女の子(ラオス)
また途上国では、男の子に比べ、女の子の教育が後回しにされている現実があります。学ぶ機会がない女の子の就業率や識字率は低いままです。貧困や地域に根づいた慣習によって早すぎる結婚(児童婚)を強いられた女の子は、社会に参加したり、仕事に就いたりといったさまざまな機会を奪われ、家庭内での発言権が弱く暴力や差別を受けるケースもあります。

家事労働をする女の子(ルワンダ)
ジェンダーギャップ指数の改善につながる!プラン・インターナショナルの活動
ジェンダーギャップ指数を改善するためには、女の子や女性が直面している課題に焦点を当てた支援やサービスが必要です。ここではプラン・インターナショナルが行っている活動を紹介します。
女性が差別なく学べるように「ジェンダー平等推進のための教育」プロジェクト
ネパールのマデシ州は経済・社会の両面で発展から取り残された地域で、「排除されたグループ」と呼ばれる少数民族マデシの人々が多く暮らしています。特にマデシの女性は、少数民族の差別、ジェンダーやカーストに基づく差別などに直面しています。マデシ州の女性の識字率は男性の74%に対し、47.4%と大きな格差が生じています。教育を受ける割合も女の子の方が低い傾向で、小中学校の多くには女子トイレがないなど、学習環境にも男女格差が出ています。
プラン・インターナショナルは、2023年からこの地域で活動を開始。女の子にも配慮した教室や衛生設備の建設・修繕を行い、地域住民や教員などの学校関係者、子どもたちへジェンダー平等や子どもの保護に関する知識を普及する活動をしています。

スキルを身につけて自立を目指す「先住民族の女の子の収入向上」プロジェクト
グアテマラでは4人に1人の若者が学校に行けず、働くこともできない状況です。先住民族が多く暮らすアルタ・ベラパス県はより深刻な状況で、若者の多くは就職できず、家族の農業を手伝ったり、日雇い労働をしたりしていますが、十分な収入を得ることができません。また、「マチスモ」という男性優位の考え方が強いため、特に女の子は職業訓練の機会が少なく、経済的に自立することが困難です。
プラン・インターナショナルは、起業クラブ、小規模農業クラブといったグループを設立し、農業技術や事業管理の知識を身につけられるように支援しました。収穫した農産物の販売収入は1年間で約536万円にのぼり、小学校卒業以降、家事手伝いをして過ごし、自分で収入を得る経験をしたことが一度もなかった女性たちにとっては、働いて収入を得る初めての機会となりました。

ジェンダーギャップ指数の改善にむけて私たちにできることを考えてみよう
ここまでの解説で、ジェンダーギャップ指数から読み解く、世界の状況や格差の原因について考えていけたと思います。世界経済フォーラムの報告によると、このままの進捗では、世界全体の男女平等が達成するためには134年かかるとも言われています。達成までの年月を少しでも縮めるために、私たち一人ひとりにできることを行っていきませんか。

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運営団体
国際NGOプラン・インターナショナルについて
国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。











