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SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」とは?世界の現状や取り組み

(2025年03月31日更新)

「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」は、途上国だけでなく先進国も含めたすべての国が、2030年までの達成を目指して取り組むべき17の目標と169のターゲットを定めた国際目標です。
SDGsの目標達成には各国政府や国際機関だけでなく、NGOやNPO、市民社会、民間企業等を含むあらゆる人々が参加することが大切です。ここでは、SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」について詳しく解説します。

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SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」とは?

SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」とは?

世界のすべての人が、平等に学ぶ機会を得て、質の良い教育を受けられるようにするこの目標では、学校や学習の場で必要な知識や技術を身につけることで、貧困や不平等を減らし、持続可能な社会を作る手助けを目指しています。

たとえば、教育を受けるための環境を整備したり、性別による不公平を取り除いたり、さまざまな人が学びやすいような仕組みづくりです。また教員の育成や指導法を改善し、どのような環境下にいる学習者でも能力を伸ばせるように取り組んでいます。
さらに、今ではインターネットやオンライン教育の活用など、新しい形の学習手段も広がりつつあります。こうした努力によって、誰もが学び続けられ、将来の選択肢を広げられる社会を目指しています。

ターゲット(具体的な達成目標)
4.1 2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。
4.2 2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達支援、ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。
4.3 2030年までに、すべての人々が男女の区別なく、手頃な価格で質の高い技術教育、職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。
4.4 2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。
4.5 2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子どもなど、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。
4.6 2030年までに、すべての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。
4.7 2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。
4.a 子ども、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、すべての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。
4.b 2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、ならびにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。
4.c 2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員養成のための国際協力などを通じて、質の高い教員の数を大幅に増加させる。

SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」によって解決したい世界の問題

残念ながら、現在すべての人が平等に教育を受けられる環境が整っているわけではありません。農村部や紛争地域、女子教育の遅れなど、地域や性別による格差が顕著で、学習の機会そのものが不足していることも課題です。ここでは世界が直面している問題と解決のためのポイントを解説します。

教育機会の不平等

世界では、2023年時点で約2億5,100万人もの子ども(6歳~17歳)が学校に通えていません。特に、農村部や紛争地域の子どもたちは、都市部の子どもたちよりも教育を受ける機会が限られています。児童労働や児童婚などが原因で学ぶ機会を奪われている子どもたちも多く存在します。
こうした背景から、障害者や先住民族など社会的に弱い立場にある子どもたちにも学習の場を提供したり、女の子が安全に学べる環境を整えたりすることが求められています。

写真:通学する姿を見つめる16歳の若い母親(ネパール)

通学する姿を見つめる16歳の若い母親(ネパール)

画像:アフリカの教育問題|学校に行けない子どもたちへの支援の現状

アフリカの教育問題|学校に行けない子どもたちへの支援の現状

画像:女子教育の重要性と課題|世界の現状と普及に向けた取り組み

女子教育の重要性と課題|世界の現状と普及に向けた取り組み

教育の質の低さ

途上国では、小学校や中学校へ通っていても基本的な読み書きや計算能力を十分に身につけられていない子どもたちが大勢います。学校に子どもたちが学べる設備や教材が足りず、トレーニングを受けた教員も不足しており、教育の質を確保するうえで大きな課題となっています。
したがって、単に就学率を上げるだけでなく、質の高い教員の育成や配置、乳幼児期からの発達支援とケア、職業訓練や技術教育の充実化といった取り組みが欠かせません。

写真:難民キャンプでの教員トレーニング(チャド)

難民キャンプでの教員トレーニング(チャド)

画像:世界が抱える教育問題の現状|原因や途上国の子どもたちへの支援の例

世界が抱える教育問題の現状|原因や途上国の子どもたちへの支援の例

生涯学習機会の不足

世界では、15歳以上の人口のうち、約7億7,300万人が読み書きができず、そのうちの3分の2が女性であるといわれています。また、デジタル社会が急速に進むなか、技術的なスキルを身につける機会も十分に確保されていません。
これらの問題を解決するためには、大人を対象とした読み書き、計算能力向上プログラムの提供や、技術的・職業的スキルを学べる機会の充実、地域コミュニティと連携した学習の場をつくることが不可欠です。

写真:電子工学の職業訓練コース(カンボジア)

電子工学の職業訓練コース(カンボジア)

画像:識字率とは?国別の現状や識字率が低い原因、生活にもたらす影響

識字率とは?国別の現状や識字率が低い原因、生活にもたらす影響

SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」の達成に向けた取り組み

持続的な活動なくして、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」を実現することはできません。プラン・インターナショナルは、これまでに自然災害や紛争の影響下にある子どもたちに教育機会を届ける活動を行い、ジェンダーに基づく暴力の防止や差別のない学校づくりにも取り組んできました。ここではプラン・インターナショナルが行っている取り組み事例をご紹介します。

「ロヒンギャ難民の識字教育」プロジェクト(バングラデシュ)

バングラデシュ南部のコックスバザール県では、読み書きや計算の基礎を習得できないまま難民キャンプでの生活を強いられているロヒンギャ難民の若者たちへの支援が行われています。紛争や迫害によって故郷を追われ、さらに長年国籍を認められず教育の機会を奪われてきた若者たちは、読み書き計算ができないために、薬や食品のラベル、配給情報が理解できなかったり、詐欺や搾取に遭ったりするリスクを抱えています。
このプロジェクトでは学習教室を開設し、現地語やロヒンギャ語を軸に基礎教育を提供し、自立に必要な知識と技術を身につける活動を行います。さらに、啓発活動を通じ、技能開発の重要性を訴え、主体的な学びの場を増やすことにも注力しています。

画像:ミャンマー語を楽しそうに学ぶ女の子たち

ミャンマー語を楽しそうに学ぶ女の子たち

画像:「ロヒンギャ難民の識字教育」プロジェクト(バングラデシュ)

「ロヒンギャ難民の識字教育」プロジェクト(バングラデシュ)

「障害のある子どもの教育支援」プロジェクト(トーゴ)

トーゴの中央州モー県とカーラ州バサール県では、身体に障害のある子どもたちが安心して学べるよう、地域社会と学校の両方で教育環境を整える活動が行われています。障害を「恥ずかしい」と捉える考え方や、バリアフリーの設備が不足していることから、障害のある子どもたちが差別を受けたり、学校に通えなかったりすることがあります。
このプロジェクトでは、地域の人々にインクルーシブ教育の大切さを伝え、障害のある子どもたちが安心して過ごせる場所を増やす取り組みを実施しています。さらに、学校では障害の特性に合った教え方を導入したり、車いすの通れる道を作ったりするなど、バリアフリー環境を整備しています。こうした活動を通じて、子どもたちは安心して通学し、質の高い教育を受けられるようになり、将来的な自立や社会参加を促すことを目指しています。

画像:障害のある子どもへの教材支給

障害のある子どもへの教材支給

画像:「障害のある子どもの教育支援」プロジェクト(トーゴ)

【活動レポート】トーゴの人々の力で育むインクルーシブ教育の実現

「ジェンダー平等推進のための教育」プロジェクト(ネパール)

ネパールのマデシ州では、ジェンダーを理由に教育機会が制限されないよう、子どもたちが抱える学習環境の不備や差別を解消する活動が進められています。具体的には、教室やトイレなどの衛生設備を建設、修繕することで、全員が安心して学べる環境を整えています。
また、ジェンダーや障害に関する研修を行い、教員の理解と実践力を高めています。さらに、地域の若者クラブが中心となり、ジェンダー平等や子どもの保護の重要性を共有する仕組みづくりを推進し、より多くの人々にこの問題への関心を広げる取り組みも行っています。

画像:4つの教室を備えた2階建ての新校舎

4つの教室を備えた2階建ての新校舎

画像:「ジェンダー平等推進のための教育」プロジェクト(ネパール)

「ジェンダー平等推進のための教育」プロジェクト(ネパール)

SDGs目標4を支えるために、私たちにできる行動は

世界が直面している教育格差の課題を解決し、SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」を達成するためには、個人や企業がそれぞれの立場から行動を起こすことが重要です。プラン・インターナショナルでは、前述のように難民の若者や障害のある子ども、ジェンダー間格差をなくす教育に取り組む横断的な活動を続けています。

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こうした活動を継続、拡充していくためには、企業によるCSR(企業の社会的責任)に基づいた支援や、個人による継続的な寄付が欠かせません。たとえば、企業がマッチングギフト制度を導入するなど、社会的課題に関心のある従業員を後押しする仕組みを整えることで、教育支援の輪が職場から地域へと広がります。また、個人でも、毎月の定額寄付や教育支援につながるフェアトレード商品の購入、クラウドファンディングへの参加など、多様な選択肢を通じて身近ところから支援を始めることはできます。

あなたの寄付や協力が、教育の機会を広げ、子どもたちが学び続けられる環境づくりに大いに役立ちます。世界各地の学校や地域社会に変化をもたらし、子どもたちが自分らしく成長できる道を、ぜひ一緒に切り開いていきましょう。

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国際NGOプラン・インターナショナルについて

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

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