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【おしえて!プラン】日本の女の子たちが抱える「生きづらさ」。いま必要な支援とは
(更新)
「おしえて!プラン」は、プラン・インターナショナルの活動や報告に出てくる用語をわかりやすく説明するシリーズ記事です。
今回は、日本国内の女の子や若年女性が抱えている「生きづらさ」と、いま必要な支援について考えます。
Q.現代の日本の女の子たちが抱える「生きづらさ」。その根底には何があるのでしょうか?
A.日本社会にこれまで存在しながらも見過ごされてきた、「男女間の賃金格差」「固定的な性別役割分担」「教育の男女格差」といった、さまざまなジェンダー不平等があります。
コロナ禍以降、こうしたジェンダー不平等が顕在化し、とりわけ社会的・経済的に弱い立場にある女の子や若年女性たちが生きていくうえで多くのリスクに さらされている現状が浮き彫りになっています。
ドメスティック・バイオレンス(DV)、不安定な雇用、経済的困窮、若年妊娠などの問題を抱えていても、誰にも相談できず一人で苦しんでいる女の子たちが大勢います。
家庭や学校、社会から孤立し、安心できる居場所や心の拠り所を失ってしまっていることも「生きづらさ」につながっています。
日本の女の子・若年女性を追いつめる5つの問題
日本に生きる女の子や若年女性を取り巻く問題や彼女たちが抱えている悩みには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここでは以下の5つを挙げました。
孤独・孤立
- 学校や職場などで、うまく人間関係を築けない
- 親や家族との不和、暴力、虐待
- 社会的支援の不足
- 相談先の少なさ
貧困・生活困窮
- ワーキングプア(非正規・低収入労働)※1
- 生活保護など福祉利用の難しさ
- 物価・学費の上昇
- ヤングケアラー
メンタルヘルスの不調
- 将来の希望が持てない
- 不安、無力感
希死念慮(死にたい気持ち)の高まり
※3- うつ、適応障害、発達障害
ジェンダーに基づく暴力
- 性的虐待、性暴力(オンライン上の被害も含む)
- デートDV※2
性と生殖に関する健康と権利にかかる問題
- 性、妊娠、身体、生理に関する悩み
- 望まない性交渉
- ※1 15-24才(在学中除く)女性の非正規雇用は27%で、同年代の男性より5%高い(参考:男女共同参画白書 令和3年版)
- ※2 デートDV:恋人など親密な関係にある、またはあった人から振るわれる暴力のこと(身体的・精神的・経済的・性的など、パートナー間のあらゆる形態の暴力を含む)
- ※3 コロナ禍の影響で20代女性では自殺件数が72%増加した(参考:横浜市立大学附属病院化学療法センター 慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室、Trends in suicide in Japan following the 2019 Coronavirus Pandemic (JAMA Open Network 2022年3月29日)
特に思春期・青年期の若者たちに共通しているのは、自分の窮状を他人に隠す傾向が強く、一人で問題を抱え込んでしまいがちということです。孤立してしまう女の子や若年女性たちの多くが、「本心を話せる人がいない」「安心できる居場所がない」「将来に希望を見い出すことができない」という状況に置かれています。悩みを気軽に相談できるサポート体制は、十分整っていないのが現状です。
コロナ禍で顕在化した日本社会における「ジェンダー不平等」
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以降、これまで潜在的にありながら見過ごされてきた日本社会におけるジェンダーの不平等が、さまざまな形で顕在化しています。
- 休校、休職、失業などによって家族が家にいることで精神的なストレスが増し、女性へのドメスティック・バイオレンス(DV)や家事負担が増加
- 長引くコロナ禍で、非正規雇用の女性が多く働いている宿泊業や飲食サービス業は大打撃を受け、アルバイトやパートで日々の暮らしをどうにかつないでいた多くの女の子や女性たちが失職し、生活が困窮
雇用・賃金の男女格差、家庭や社会における性別役割分担、ジェンダーに基づく暴力など、コロナ禍前から存在していた日本社会の問題が、特に社会経済基盤の弱い若年女性をさらに追いつめている現状があります。
プランが実施した調査からも、コロナ禍で女の子や若年女性たちが経済的、精神的にいっそう困難な状況に置かれている姿が浮き彫りになりました。
日本の女の子・若年女性の「生きづらさ」に寄り添う支援を開始
ジェンダーに基づく暴力や貧困により、健康面や精神面で課題を抱えた女の子や若年女性は、金銭的な負担への不安や周りへの信頼の欠如などから、周囲に自身の悩みや問題をなかなか相談できず、またサポート体制も非常に少ないことからより深刻な状況に置かれています。
誰にも相談できずに苦しんでいる女の子と若年女性を支援するため、プランは2020年6月からガールズ・プロジェクトのパイロット事業として日本国内の女の子支援を開始。
2023年からは広く寄付募集を開始し、「女の子のための居場所・相談」プロジェクトが本格稼働しました。支援を必要とする女の子たちに、社会福祉士・精神保健福祉士、臨床心理士、助産師などの有資格者が寄り添い、きめ細やかな対応のもと、ともに解決策を考えていきます。
現在実施中の活動
「女の子のための居場所・相談」プロジェクトを通じて実施中の活動をご紹介します。
「誰一人取り残さない」社会の実現にむけて
世界では、貧困・分断・差別・偏見などによりさまざまな不平等が生み出されています。これはプランが活動してきた途上国だけの問題ではなく、日本でも同様です。多くの女の子や女性たちが貧困、ジェンダーに基づく差別や不平等、暴力にさらされており、困難に直面しています。
日本の女の子や若年女性の問題は顕在化しにくいため、サポート体制が脆弱で支援も不十分です。多くの女の子たちが声をあげ、必要な支援がいつでも受けられるような体制づくりが必要です。
プランは長年の途上国での活動を通じて培った経験と知見を、日本国内の女の子や若年女性たちへの支援に活かし、社会から取り残され、生きづらさを抱える女の子一人ひとりに寄り添った活動を展開していきます。
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国際NGOプラン・インターナショナルについて
プラン・インターナショナルは、女の子が本来持つ力を引き出すことで地域社会に前向きな変化をもたらし、世界が直面している課題の解決に取り組む国際NGOです。世界75カ国以上で活動。世界規模のネットワークと長年の経験に基づく豊富な知見で、弱い立場に置かれがちな女の子が尊重され、自分の人生を主体的に選択することができる世界の実現に取り組んでいます。
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「生きづらさ」を抱える15〜24歳の女の子と若年女性の保護と心のケアを目的に、安心して過ごせる居場所「わたカフェ」 を東京・池袋に開設。
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