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- [特集]「早すぎる結婚」の現実 ~幼い年齢で奪われる未来~
[特集]「早すぎる結婚」の現実
~幼い年齢で奪われる未来~
幼い年齢で結婚を強制される「早すぎる結婚(児童婚)」。
子どもの権利の侵害を防止するため、プラン・インターナショナルは多角的に活動しています。
幼い年齢で結婚を強制される「早すぎる結婚(児童婚)」。
子どもの権利の侵害を防止するため、プラン・インターナショナルは多角的に活動しています。
早すぎる結婚(児童婚)とは
幼い年齢で結婚を強制されることを「早すぎる結婚(児童婚)」といい、途上国では約3人に1人の女の子が18歳未満で結婚しています。「早すぎる結婚」をした女の子は教育を諦め、自立の機会を失うことになります。
早すぎる結婚の背景には、貧困、理解不足、法律の未整備など、さまざまな要因が絡んでいます。
早すぎる結婚(児童婚)が起こる背景
- 貧困
- 伝統・慣習
- 法律の未整備
- 名誉のため
- つらい暮らしから逃れるため
早すぎる結婚(児童婚)の問題点
- 教育の機会を失う
- 「早すぎる妊娠」の危険
- 配偶者や家族による暴力・虐待
早すぎる結婚(児童婚)が起こる背景
お金のために娘を結婚させる場合もあれば、早く結婚させることを名誉と考える地域も。背景はさまざまで、一概に語ることはできません。
遠隔地の暮らしと困難
ベトナム中部のクアンビン省に暮らす少数民族の女の子トゥイさん。地域の慣習や社会規範が根強く残るコミュニティでは、経済的困難に加え、女の子が教育を受ける重要性が正しく理解されていません。
貧困から学校に通えず、結婚へ
ザンビアの貧困家庭の多くは、子どもたちを学校に通わせることができません。特に女の子は働かされるか、結婚させられる可能性が高いのです。将来の夢を抱き、よい未来を築きたいと願う女の子にとっては、大きな障壁です。
結婚は親が決めるものと考えられている
ある日、シンタイェフさんの家に客が訪れ、父親が客からお金を受け取りました。そのお金は結婚を決めるもので、拒むと「親に逆らうのか」と声を荒げられたといいます。
教育費が高く支払えないため
ジンバブエでは、「早すぎる結婚」をする女の子は全体の3分の1にものぼり、その多くは貧しい地域や農村部で暮らしています。教育費が高く、学校に通い続けることができないことが原因と考えられています。
アジア3カ国で「早すぎる結婚」を調査
プランは「早すぎる結婚」が伝統的慣習として根づいている実態を、バングラデシュ、パキスタン、インドネシアの3カ国で調査しました。複数の地域で親や地域のリーダー、子どもたちへの聞き取り調査を行い、背景と求められる対策を分析しています。
早すぎる結婚(児童婚)の弊害
女の子は、幼い年齢で結婚すると教育を受けられなくなり、自立の機会を失います。幼い年齢での妊娠・出産は危険が伴うほか、嫁ぎ先で暴力にあいやすいなど、さまざまな弊害があります。当事者の女の子が弊害を知り、声をあげることが重要です。
子どもたちが描く、早すぎる結婚の現実
カンボジアのプランの活動地域の子どもたちが、「早すぎる結婚」がもたらす悲劇を描いた映像を作成しました。子どもたち自身の手による脚本と演出は、地域の現実を映し出しています。
プランの支援で「早すぎる結婚」の悪影響を学ぶ
サハラ砂漠以南を指すサブサハラ・アフリカ地域は、「早すぎる結婚」の発生率が特に高い地域です。貧困や、慣習を守らずに村八分にされることへの恐怖心などが背景にあります。
「性と生殖に関する健康」に対する知識不足
「誰も正しい知識を教えてくれませんでした。」知識がないまま妊娠し「早すぎる結婚」をした10代の夫婦。教育を諦めることになり、後悔していると語ります。
地域全体の理解が必要不可欠
「早すぎる結婚」を防止するためには、多方面への働きかけが必要になります。当事者である女の子だけではなく、地域全体の理解を得て取り組んでいくことが大切です。
地域の「常識」に立ちむかう男性教師
ケニアのマサイ族のコミュニティでは、「早すぎる結婚」をすることが当たり前とされています。「女の子が学校に通い、将来自立した人生を送れるようになるためには、人々の意識から変える必要があります」
アフリカの国々で「18+プログラム」を実施
プランが実施する「18+プログラム」。当事者である女の子はもちろん、男の子や男性、親たちに働きかけることで、コミュニティ全体が「早すぎる結婚」の弊害に気づき、変化を起こす行動につなげていく取り組みです。
各方面への働きかけが重要
プランの活動を通じて、行政リーダー、宗教リーダー、警察官も相互の連携を強化し、「早すぎる結婚」を禁止する法律を守るよう住民へ働きかけを行いました。
ラジオを通じて当事者に情報を届ける
ラジオは低コストでありながら、世界で最も多くの聴衆がいる強力なコミュニケーションツールです。マラウイでは女の子たちが、ラジオを通して「早すぎる結婚防止」の啓発放送を行っています。
「早すぎる結婚の防止」活動の成果
プランは、世界各地で「早すぎる結婚」を防止するための活動を続けています。地道な活動が実った例をご覧ください。
若者たちの活動により「早すぎる結婚」が違法化
早すぎる結婚をなくそうと法改正のキャンペーンに取り組むマラウイの若者たち。「早すぎる結婚」を完全に違法化するための、歴史的な憲法の改正を勝ち取りました。
「早すぎる結婚は違法」女の子たちに届けたい
新しい法律により、結婚可能な年齢が男女とも18歳に引き上げられました。女の子たちは「早すぎる結婚」がいつか過去のものとなるように、地域社会、学校、家族のなかでこの新しい法律を推し進めています。
グアテマラの女の子グループが#HearMyVoice賞を受賞
グアテマラでは、3人に1人の女の子が18歳未満で結婚しています。「早すぎる結婚」の防止に取り組んできたグアテマラの女の子グループは、受け取った賞金を新しいプロジェクトにあてることにしました
未来をひらく「18+」クラブ
「18+」クラブのリーダーであるガートルードさんは、早すぎる結婚と出産を経験し復学した一人です。「私たちが課題に直面したとき、その課題について共有し助けあいます。」活動の様子をご覧ください。
早すぎる結婚(児童婚)に直面した女の子たちのストーリー
さまざまな背景のなか、女の子の数だけ「早すぎる結婚」のストーリーがあります。
結婚をまぬがれ、勉強を続けられた女の子たち
シーラさん(バングラデシュ)
2018年の国際ガールズ・デーには、「早すぎる結婚」を退け教育を受け続けたシーラさんが来日しました。幼い頃からプランの活動に参加していたシーラさんは、結婚式の2日前に村を逃げ出し、教育を続けることができました。
シャワナさん(ネパール)
2018年の広告に登場したシャワナさんは、ネパールに暮らす女の子。1年前、両親から結婚の話を持ちかけられました。結婚をまぬがれ勉強を続けることができました。
アイシャさん(カメルーン)
難民キャンプで暮らす15歳のアイシャさん。経済的な事情から、父親に「早すぎる結婚」を決められてしまいましたが、話し合いを重ねて結婚を取りやめることができました
エカバさん(エチオピア)
エカバさんは、12歳のとき、倍以上歳の離れた男性との結婚の話があがっているのを知りました。「法律を知り、自分の権利を守って」とエカバさんは訴えます。
結婚後に自由を取り戻した女の子たち
ヒルダさん(マラウイ)
14歳で、祖母が決めた相手と結婚したヒルダさん。プランの手助けで「早すぎる結婚」をなくす活動を行っている若者グループに参加するようになり、自由を取り戻しました。
ザイナブさん(スーダン)
17歳の時に結婚したザイナブさん。彼女の村では結婚の手配は親の責任とされており、女の子が断ることはできません。結婚が決まった当時、強い希望で進学した大学で、学期末試験を終えたところでした。
「早すぎる結婚」を阻止するために活動する女の子たち
バクルさん(バングラデシュ)
バクルさんは、経済的事情で学校をやめざるを得ませんでした。プランは「早すぎる結婚」の防止にむけて、地域の女の子を対象とした職業訓練や起業支援コースを運営しています。
ゲティさん、イェシワクさん、デイナットさん(エチオピア)
エチオピアの農村地域に暮らす3人の女の子たち。「早すぎる結婚」を強制され悩んでいましたが、プランが村で進めていたガール・パワー・プロジェクトを通して結婚を逃れる道を見出しました。地域の取り組みをご覧いただけます。
シャリーナさん(バングラデシュ)
2年前に、伯父と夫の祖父の決定によって強制的に結婚させられたシャリーナさん。産まれてきた娘の幸せのために、「早すぎる結婚」をせず教育を受けさせたいと考えています。
「早すぎる結婚の防止」プロジェクト報告
プランでは、ガールズ・プロジェクトの一環として、「早すぎる結婚の防止」プロジェクトを実施しています。
終了したプロジェクト
活動レポート
- 2018/07/05
- 「早すぎる結婚の防止」プロジェクトを開始しました~ネパール~
- 2019/04/16
- 【経過報告】「早すぎる結婚の防止」プロジェクト~ネパール~
- 2019/10/29
- 【経過報告】「早すぎる結婚の防止」プロジェクト ~ネパール~
- 2020/04/21
- 【経過報告】「早すぎる結婚の防止」プロジェクト~ネパール~
- 2020/10/26
- 【経過報告】「早すぎる結婚の防止」プロジェクト~ネパール~
- 2021/04/23
- 【経過報告】地域一体で根絶に取り組む~「早すぎる結婚の防止」プロジェクト~
プラン・ラウンジ 職員による活動報告
女の子の健康を損ない、自立した未来をも阻む「早すぎる結婚」。職員が早すぎる結婚の弊害を解説し、ネパールで実施したプロジェクトを解説しました。
さまざまな人を巻き込み、地域から「早すぎる結婚」をなくす
「早すぎる結婚(児童婚)」をなくすためには、多角的な取り組みが必要です。女の子自身が弊害を知り、「結婚したくない」「学校を続けたい」と声をあげること。知識を広め、慣習だからと強制する大人をなくすこと。貧困が背景にある場合は、地域全体が経済的に自立していくように支援することも必要になります。
「早すぎる結婚(児童婚)」で未来を奪われる女の子を
なくすために、プランは活動を続けていきます。
国際NGOプラン・インターナショナルについて
プラン・インターナショナルは、女の子が本来持つ力を引き出すことで地域社会に前向きな変化をもたらし、世界が直面している課題の解決に取り組む国際NGOです。世界75カ国以上で活動。世界規模のネットワークと長年の経験に基づく豊富な知見で、弱い立場に置かれがちな女の子が尊重され、自分の人生を主体的に選択することができる世界の実現に取り組んでいます。
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