(2021年03月05日更新)
「おしえて!プラン」は、プラン・インターナショナルの活動や報告に出てくる用語をわかりやすく説明するシリーズ記事です。
遠い国の多くの女の子たちが直面している「早すぎる結婚(児童婚)」。具体的にどのような状況を指すのか、なぜ起こるのか、なにが問題なのか、事例を交えてご紹介します。

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「早すぎる結婚」とは?
「早すぎる結婚」は女の子たちの未来を奪う
途上国では約3人に1人の女の子が18歳未満で結婚しています※。そもそも、早すぎる結婚(児童婚)は何が問題なのでしょうか。大きくは、以下の3点が挙げられます。
教育の機会を奪う
女の子たちは家事のすべてを担わされることが多く、学校を中途退学するリスクも高まります。自分が望む生活を選択することや、収入を得る機会を失うことにもつながります。
「早すぎる妊娠」の危険
体が未発達な状態で「早すぎる妊娠・出産」をするため、女の子本人と子どもに深刻な身体的ダメージを与えます。健康が損なわれる場合や、命を落とす危険もあります。
配偶者による暴力・虐待
幼い妻は家庭内での地位が低く発言権がありません。夫やその家族から、虐待や暴力を受けることも多く見られます。
- ※Marrying Too Young(UNFPA, 2013)
こうして「早すぎる結婚(児童婚)」によって、女の子たちは自分の人生を自分で選ぶことが難しくなってしまいます。貧しい国で多くの女の子たちが幼い時に持つ夢、「先生になりたい」「お医者さんになってみんなを助ける」…こんな未来がすべて奪われてしまいます。
13歳の花嫁(ニジェール )/ プラン・インターナショナル(3分21秒)
慣習だけではない「早すぎる結婚(児童婚)」の背景
根強く残る慣習のなかで、幼いうちに結婚させられる女の子は後を絶ちません。背景には貧困、理解不足、不十分な法律など、さまざまな問題があります。
貧困
女の子は社会的地位が低く家計の助けにならないと思われています。生活に困り嫁がせる場合や、結婚持参金が少なくて済むからと幼いうちに結婚させることもあります。
不十分な法律
国によって結婚年齢にばらつきがあり、法律の施行に問題や抜け道がある場合も。また法律の知識がない住民もいます。
伝統・慣習
18歳未満での結婚が、伝統や慣習により「当たり前」である地域もあります。学校の友だちが次々と結婚すれば、そういうものだと思ってしまいます。
名誉のため
結婚前の誘拐や性暴力による望まない妊娠を防ぐことができると考え、名誉を守るために「早すぎる結婚」をさせようと考える親もいます。
つらい暮らしから逃れるため
家庭に居場所がなく、家を出るために自ら「早すぎる結婚」をしてしまう場合もあります。
共通する問題点は、「早すぎる結婚(児童婚)」が女の子の心身に与える悪影響を、周囲の大人、そして子どもたち本人も理解していないことです。
親や地域・宗教リーダーたちが、本人の意思を無視して強制的に「早すぎる結婚」をさせることは、あってはなりません。
毎月の寄付で女の子を守るすでに選択しています。
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「早すぎる結婚」防止に向け、周囲の理解を育む
「早すぎる結婚(児童婚)」から子どもたちを守るためには、大人たちが理解すること、本人たちが声をあげられるようにすること、そして子どもたちが18歳まで学校に通い続けること、の3つが重要です。
プランは、親や地域の大人たち、国や行政、そして当事者である女の子と男の子たちに対して、多面的な活動を行っています。女の子だけではなく男の子と活動することで、お互いの理解を深めることができます。
人々の意識を変える、プランの活動
課題の解決には法改正といった国全体の理解も必要です。政治家や行政官、警察といったさまざまな人々を巻き込み、自分たちの問題として話し合い、互いに見守り合い、意識を変えていくアプローチを行います。
「早すぎる結婚」を阻止した女の子たち
プランの活動に参加し、「早すぎる結婚(児童婚)」を免れた女の子たちをご紹介します。

シャワナさん/ネパール
15歳で結婚させられた姉に、勉強を続けるように助言を受けていたシャワナさん。早く結婚させるために、3歳も年齢を詐称して出生登録されていましたが、辛抱強く家族を説得し、結婚を阻止しました。貧しい人を助ける医者になる夢をかなえるために勉強を続け、自分の人生を守ろうとしています。

シャルミラさん/ネパール
シャルミラさんが住む地域では、生理が始まる前に結婚する慣習があるため、15歳で結婚話が持ちかけられました。プランの活動に参加していたので、「早すぎる結婚」の弊害や15歳の結婚は法律違反という知識があり、両親を説得して結婚を取り止めることができました。

アイシャさん/カメルーン
アイシャさんの暮らす村では父親同士が約束を交わすだけで結婚が決められる伝統がありました。12歳で結婚させられ、最初の子を死産で亡くした経験のある母親とともにプランに相談し、結婚の代わりに職業訓練に参加することを父親に納得させました。服の縫製で自立し、いずれ自分の意思で結婚したいと思っています。
子どもたちに出生登録がない?
「子どもが生まれると出生届を提出する」ことは、日本では一般的な手続きです。しかし途上国には出生登録をしない親たちが多くいます。手続きを行う役所が遠く、申請にはお金もかかるためです。保健サービスや就学に必要なだけでなく、児童労働や「早すぎる結婚(児童婚)」の防止にもなるため、出生登録を普及させることも大きな課題です。
1人でも多くの女の子が自分の人生を歩めるように
プランの活動で「早すぎる結婚(児童婚)」の問題を共有すると、女の子だけでなく、男の子もコミュニティ全体のことを考えて積極的に行動していくようになります。理解と活動を通じて仲間を作り、希望と自信に満ち、自尊心を高めていく様子はプランのスタッフたちをも奮い立たせてくれます。
しかし、現在世界中に影響を与えている新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの地域で「早すぎる結婚」防止への取り組みが中断しています。今後10年で1300万人の女の子が「早すぎる結婚」をさせられるといわれています。
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「早すぎる結婚(児童婚)」のような長く続く慣習を変えていくことは、どの社会においてもとても難しいことです。1人でも多くの女の子に明るい未来が届くように、さまざまな立場の人々との対話から理解を深め、社会全体で連携した取り組みが必要なのです。
- Impact of the COVID-19 Pandemic on Family Planning and Ending Gender-based Violence, Female Genital Mutilation and Child Marriage (UNFPA, 2020)
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国際NGOプラン・インターナショナルについて
国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。
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