【経過報告】差別をなくすジェンダー教育~ルワンダ~
Girl’s Project 2017年度活動報告
女の子と男の子がともに学校や社会を変える取り組み
生理のときに汚した服を着替えたり、休憩することができる「女子部屋」を設置しました。さらに、経済的理由で生理用品や学用品が買えない女の子たちに、必要なものをそろえた「ガールズ・キット」を支給し、より多くの女の子が学校に通学できるようにしました。
男の子の意識を変えるために設置した「ボーイズ・フォー・チェンジ」クラブでは、「女性の仕事」とされる掃除を男女で一緒に行ったり、性と生殖に関する健康について学ぶことで、典型的な男らしさや性別に基づいた思い込みや差別感情を見直すことに取り組みました。今後も、メンバーたちはクラブの活動を続け、学んだことを同級生や家族などの周囲の人々に伝えていきます。

「ボーイズ・フォー・チェンジ」クラブの活動について説明するスタッフ / ©プラン・インターナショナル

ジェンダーに基づく暴力防止、性と生殖に関する健康と権利について啓発劇を上演 / ©プラン・インターナショナル

トレーニングを受けた男性教師。プロジェクトの成功には男性教師の理解が欠かせません / ©プラン・インターナショナル

家計の安定のために、ヤギを支給。増やして市場で売れば現金収入にもなります / ©プラン・インターナショナル

女の子の仕事とされている掃除に一緒に取り組みました / ©プラン・インターナショナル

「女子部屋」で部屋を管理する代表メンバーと教師 / ©プラン・インターナショナル

「女子部屋」には、必要なものが備えられています / ©プラン・インターナショナル

貯金について学ぶクラブのメンバー。教師がメンターとして指導します / ©プラン・インターナショナル

対象校で建設した男女別トイレの外観 / ©プラン・インターナショナル

障がいのある子どもが利用しやすいトイレも建設しました / ©プラン・インターナショナル
主な活動内容
地域 |
南部州ニャルグル郡 |
期間 |
2年間(2016年7月~2018年6月予定) |
対象と支援内容 |
中学校3校の男女生徒750人
- 「ガールズ・キット」(生理用品やノート、ペンなど学用品のセット)を支給(342人)
- 経済的に貧しい世帯の女の子と男の子に家畜を支給(200人)
- 夜間の学習用のソーラーランプを支給習(605人)
- ジェンダーに基づく暴力防止、女の子の教育促進の路上劇(地域住民2550人)
- 「ボーイズ・フォー・チェンジ」クラブメンバー(181人)
- 性と生殖に関する健康と権利に関するトレーニング(15人)
- お金の管理や金融に関する知識トレーニング(18人)
- トイレの建設(対象2校)
|
背景
ルワンダでは「暴力は男らしさである」との伝統的な考えが根強いため、女性への暴力が許容されやすく、多くの女の子が男の子や男性から暴力の被害にあっています。子どもたちが安心して通えるはずの学校でもそれは同様です。生理について男の子から受けるいじめが、女の子を学校から遠ざける一因にもなっています。
現地の声
このプロジェクトが始まる以前、私は生理が始まるといつも学校を休んでいました。私には両親がいなくて、祖母と暮らしています。祖母は貧しくて私のための生理用品を買う余裕がありません。生理の時にスカートに血がついたらきっと笑われるだろうなと思うと怖くて仕方なかったのです。でも今は「女子部屋」に行けば女の子にとって必要な用品がそろっています。女子専用の部屋があるおかげで、生理のときでも安心して学校に通えるようになりました。もう学校を休まなくても大丈夫です。今は「ボーイズ・フォー・チェンジ」クラブメンバーとしても活動しています。みんなで貯金をしながら、あるときは生理用品を買うためにお金を借りることもできます。
(ウィネザさん 14歳)