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(2023年02月21日更新)

プログラム部の鈴村です。「少数民族の子どもの教育」プロジェクトの担当としてラオスに駐在していましたが、3年間のプロジェクトを終え、2023年1月に日本に帰国しました。今は、無事プロジェクトを終えることができた安堵感と達成感、そしてラオスで出会った人々との別れの寂しさが入り混じった気持ちでいます。3年間の活動を振り返り、活動を通して変わったこと、苦労したこと、そして、未だ残る現地の課題などをご報告します。

子どもの学力が向上。村の人々の意識や行動にも変化が

新しい幼稚園の教室で学ぶ子どもたち

新しい幼稚園の教室で学ぶ子どもたち

2019年12月よりラオス北部ウドムサイ県のパクベン郡にて、少数民族の子どもたちが、小学校就学前に公用語であるラオス語の基礎的な読み書きを習得し、規則正しい生活習慣を身につけられるよう、学習環境を整備しました。3年間の活動を通して見られた大きな変化は、子どもたちの学力や教室内外の学習環境、村の人々による学校運営への貢献度です。例えば子どもたちの学力は、これまで村に幼稚園がなくラオス語を学ぶ機会のなかった地域で特に大きく伸びました。就学直前に行った10週間の就学準備コースに参加した子どもたちの学力は、活動実施前の18点から56点に伸びました。また、小学校1年生終了時の学力にも伸びが見られました。これはコースに参加して身につけた基礎的な学力が、就学後の授業の吸収力を高めたためだと教師たちは言います。
また、学校の運営を支える各村の村落教育開発委員会のメンバーが活発に活動するようになったことも嬉しい変化です。多くの教師から、校舎の修繕や不登校の児童へのサポートなどに村の人たちが積極的に関わってくれるようになったと聞きました。また、村の代表者から「自分たちの村をよくしていこう」という意気込みを感じられる村もみられるようになりました。

試行錯誤を繰り返して

プロジェクトではたくさんの課題にも直面しました。苦労したことの一つは、活動に参加してもらう人をいかに増やすかということ。保護者向けの啓発活動の一環として、家庭学習の方法やジェンダー平等、子どもたちとの接し方を伝えるセミナーを開催した際に、保護者の参加数が少ない村や、男女での参加率に大きな差異のある村がありました。参加してもらえなければ伝えたいメッセージを伝えることができません。チームメンバーと話し合いを重ね、開催時間や場所を変更したり、教師や村の代表者に各家庭を訪問して呼びかけてもらったりと、試行錯誤を繰り返しました。

給水パイプを皆で修理する様子

給水パイプを皆で修理する様子

また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響も大きな障壁となりました。プロジェクト開始後4カ月目、これから本格稼働しようと思った矢先にラオスにも感染が広がり、学校は閉鎖。活動も一旦停止しました。その後も状況に応じて活動の再開と停止を繰り返しました。学校再開に向けて衛生用品を支給したり、給水設備が故障し手洗いができない学校に修理部品を支給したりするなど、活動を見直し、追加しながら進めました。次々に訪れる課題にチームメンバーと向き合う日々は大変ではありましたが、充実した日々でした。写真は、支給した給水パイプを修理する村の大人たちです(子どもたちは手伝っている?!)。

残る課題の解決には、関係機関との連携が必要

新年度の学校開発計画を策定する教師と村の人々

新年度の学校開発計画を策定する教師と村の人々

3年間のプロジェクトを終えた今、活動は地元政府および各村が進めています。活動中、さまざまな変化が見られましたが、課題も残ります。例えば、ボランティア教師の問題。活動地パクベン郡では、幼稚園の教師の約4割はボランティアで、無給で子どもたちを教えています。教師たちは食べていくために畑仕事などもしなければならず、そのために学校を休むことがあります。教師の度重なる不在は子どもたちの学習意欲を下げ、保護者からの信頼を失うことにつながります。プロジェクトでは、各村でボランティア教師をどのように支えることができるか村の代表者と話し合ったり、代表者が一堂に会する会議で成功例を共有して学びあいを促したりしたほか、現状を政府関係者に度々伝えるなど働きかけてきました。けれども、簡単には解決できない大きな課題です。
また、近年、活動地域では増え続けるバナナ等のプランテーションに家族で住み込んで働く人が多くいます。プランテーションは劣悪な労働環境であることも多く、また近くに学校がないため、学校教育を受けられない子どもたちも増えています。今後もこのような課題を改善するために、プランは地元政府や関係機関と連携を密にして取り組みを続けていく必要があります。

ラオスの人々からの感謝を皆さまへ

来客の幸せや健康を祈るラオスの伝統的な儀式バシー(鈴村職員は中列左から3人目)

来客の幸せや健康を祈るラオスの伝統的な儀式バシー(鈴村職員は中列左から3人目)

3年間の活動を通して、現地の人々からは数えきれないほどたくさんの感謝の言葉をいただきました。「子どもが読み書きできるようになって誇らしい」という保護者、「教授法のトレーニングを受けて、自信が持てるようになった」という教師。そして、学校が楽しくて仕方がないことを全身で表してくれる子どもたち。たくさんの感謝の気持ちを受け取りました。私たちのこれからの幸せや健康を願う言葉もたくさんかけてもらいました。代表して受け取ったラオスの人たちの温かい感謝の気持ちを、この場を借りて、プロジェクトを支えてくださった皆さまにお届けします。コー コプチャイ(ありがとうございました)。

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