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不平等は家庭から 女の子の復学までの道のり~ウガンダ~
世界の各地から
女の子だから
(更新)
ウガンダのように貧しく、かつ性教育が行き届いていない国で、貧困家庭の女の子たちが生きていくには、必要なもののために、しばし切羽詰った手段に出ざるをえません。保護者が、男の子の通学を優先する結果、女の子はより苛酷な性的取引に頼らざるをえず、早すぎる結婚にもつながります。
プラン・インターナショナルの2017年のレポートは、女の子へむけられる不平等と差別は、家庭のなかで男の兄弟と違う扱いを受ける経験から始まると指摘しています。女の子がジェンダー差別の改善に挑んでも、家庭内での支援の欠如もあり、日々打ちのめされています。彼女たちには協力者が必要なのです。
ウガンダ東部のトロロの田舎では、13人にひとりが電気も水道も引かれていない小屋に住んでいます。アシャさん(仮名)の家族は、学校で必要なものが買い揃えられず、ましてや生理用品はなおさらです。そうした家庭の女の子にとって、足りないものを買ってくれるという男性からの申し出は断りにくいものです。アシャさんは14歳のとき、教科書と生理用品を買ってくれるという男性の申し出を受けました。
プランの職員に、これまでのことを語るアシャさん
アシャさんは、どうしたら妊娠をするのか知りませんでした。
当時を振り返り、「初めはその申し出に気分が悪くなったけど、2度目には受け入れてしまいました」と語ります。その後間もなく妊娠し、2年が過ぎた今、16歳のアシャさんは小さな女の子のお母さんです。
アシャさんのような例は、珍しいことではありません。心身が整っていない早すぎる妊娠により、子どもから一足飛びに母親になる女の子が多くいます。 妊娠後、学校ではクラスメートに「妊娠などせず学校で勉強をしろ」とからかわれ、家では親に冷たく当たられました。中絶は許されず、学校を続けたくとも、妊娠した娘の学費は出さない保護者の判断で、妊娠3カ月で中途退学しました。
息子の世話をする19歳の母親
アシャさんは状況を改善するためにも、復学する決意をしました。幸いなことに、兄弟は協力的で、新しい教科書を買い、励ましてくれました。制服を買い揃えるために、アシャさんは庭仕事をしてお金をつくり、2017年2月、2年間の休学を経て復学しました。
インタビューの様子
また、自分と同じような体験をほかの女の子たちにさせないために、プランの“チャンピオン・オブ・チェンジ”プロジェクトに参加しました。これは学校で実施している、女の子が望まない妊娠や性感染症から自分自身を守り、同世代のほかの女の子たちのための大使として、彼女たちを助ける活動です。アシャさんは、女の子が尊厳をもち勉強を続けられるよう、学校の教科書や生理用品を買うための支援も受けています。
“チャンピオン・オブ・チェンジ“グループのメンバー
アシャさんはいま、自分が受けられなかった支援を娘は受けられるようにすると決心しています。
「わたしは娘に、私のような若い年齢で子どもをもってほしくありません。娘には教師か看護師になってもらいたいです」
ウガンダのプランの事務局長 ラシッド・ジャヴェドは「アシャさんは、女の子が自身の人生に変化を起こすことを証明しましたが、ひとりで成せることではありません。政府、市民社会、企業、指導者、両親、そしてほかの女の子、男の子たちからの支援が必要なのです」と語ります。
プランは引き続きウガンダで、「ジェンダー平等」と「性と生殖に関する健康と権利」についてのトレーニングと意識啓発に取り組んでいきます。
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