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「安全な妊娠・出産支援プロジェクト」を開始しました~ネパール~
ネパール
性と生殖に関する健康と権利
(更新)
プラン・ジャパンは、ネパールで「安全な妊娠・出産支援プロジェクト」を開始しました。プロジェクトでは、保健サービスの充実を通じた妊産婦の健康維持を目的とした支援を行います。
妊婦健診の低い受診率
ネパールでは、出産・妊娠を理由に命を落とす女性の割合が10万人中229人*という高い水準にあります。その背景には、産前産後ケアに関する理解不足、過酷な家事労働、健康診断を受ける経費が準備できないこと、健康診断を受けられる保健所が遠くにあること、看護師など医療スタッフの能力不足などさまざまな要因があります。
プロジェクト実施の予定地域であるジャナクプル県シンズリ郡は伝統的な価値観が根強く、またアクセスが難しい遠隔地域で、母子保健に関するデータが最も悪い地域の一つです。WHO(世界保健機関)が奨励している妊婦健診を4回受ける女性は全体の25%、産後健診を最低1回でも受けたことのある女性は22%、保健所などの医療施設で出産した女性はわずか17%に留まります。
*「ネパール保健セクター戦略プログラム実施計画 II(Nepal. Health Sector Programme Implementation Plan 2(NHSP-IP2))(2010-2015 年)
家が点在する山間の村々
シンズリ郡の女性たち
巡回健診と女性同士の助け合い
携帯型の超音波健診装置を利用して、トレーニングを受けた看護師などがエコーを使い、山間部の村々にある簡易保健所まで出向いて巡回健診を実施します。これまで遠方で健康診断が受けられなかった女性たちも近くで健康診断が受診できるようになります。また、妊娠中の女性の体をいたわり、健康診断に行けるように周囲が協力するためには、その重要性を夫や姑の理解していることが不可欠です。このため、夫や家族、さらには地域の人々に妊婦健診の大切さを訴えます。
また、健康診断に必要な交通費を工面できない女性のために、女性による「村落貯蓄組合」との連携を図り、長期的な解決策を講じます。「村落貯蓄組合」は、村人により組織され、自発的でインフォーマルな預金貸付を行う相互扶助的な小グループのことです。組合への女性の参加促進や、「村落貯蓄組合」の持続的な支援の検討なども進め、女性同士の助け合いの仕組みづくりを応援します。
現地担当者からの声
ババドゥール・ラナ/保健コーディネーター
「日本の皆さんこんにちは。私は国統括事務所で保健コーディネーターとして働いています。ネパールでは、特に高地や山岳地帯の女性たちが妊婦健診を受けて、安全な出産に備えるための保健サービスシステムが整っていません。この結果、多くの赤ちゃんや妊産婦が命を落としています。日本からの支援で行うこのプロジェクトで、多くの赤ちゃんと女性の命を救うことができます」