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災害に強い学校の完成を心待ちにする子どもたち~フィリピン~
フィリピン
教育
(更新)
2013年11月、観測史上最大の台風ハイエンにより500万人の子どもを含む1500万人の被災者、6000人の死者を出したフィリピン。教育施設においても公立の小学校・中学校5898教室が全壊するなどの大きな被害を受けました。プランは、自然災害に強い、子どもたちが安全に学べる環境づくりを進めるために、東サマール州リョレンテ市スーン村とピリウ村にある小学校2校で災害に強い小学校校舎建設プロジェクト」を実施しています。2015年後半からは、学校建設作業が順調に進んでいます。
子どもたちも参加する学校建設
2015年8月に行われたプロジェクト説明会では、教育省の担当者、校長、児童と保護者などが参加し、プロジェクトの目的とそれぞれの役割を確認し合いました。教育省は完成後の校舎維持への協力、校長は防災教育や訓練の実施、子どもたちはさまざまな活動への参加と建設期間中の安全ルールに従うこと、保護者は工事の進捗管理などに協力することを約束しました。
その後、公平な入札を経て建設業者を決定。校舎の設計段階では、子どもたちの意見の聞き取りも実施しました。「教室の入り口の段差をなくし、スロープをつけるのはどうか」「トイレは必ず男女別にしてほしい」など、子どもたちから重要な意見がいくつもあげられました。学校側と子どもたち、保護者が集まり、建設中の子どもの安全を守るためのルールづくりも行いました。
ピリウ小学校でのプロジェクト説明には子どもたちも参加
念願の新しい校舎とタイムカプセル
2015年11月には、両小学校による合同起工式を行うことができました。式には子どもから大人まで336人が参加。式典では、新しい校舎の起工を記念して、子どもたちが将来の夢を描いた紙をタイムカプセルに埋め、皆が大人になったときに集まって掘り出すことに決めました。合同起工式では教育省とプランの正式な「覚書」が交わされ、現在、建設は順調に進捗しています。台風から2年を経て、ようやく校舎の再建が実現しようとしていることに、子どもや地域の人たちの喜びもひとしおです。
自分たちの理想の校舎を描く子どもたちピリウ小学校
スーン小学校
「よい学校は、子どもにとって、より良い未来を切り開く鍵です」~こどもの声
ジェシー(9歳)はピリウ小学校に通う4年生で、4人きょうだいの2番目です。ジェシーは家の皿洗い、水汲み、床掃除、裏庭の掃除など、家事手伝いをよくしますが、竹やヤシの葉でつくられた教室での勉強は苦痛で、勉強にはあまり興味を持てませんでした。雨になれば雨漏りがして、床は泥だらけ。壁は薄く、暑さや寒さをしのぐことができなかったためです。そのせいで体調を崩す子どももいました。
ジェシーは、新しい校舎ができると聞いてとても喜びました。「長い間待ちましたが、ようやく新しい校舎ができることになりました。清潔に綺麗に使うように率先して心がけたいと思います。これを機会に、学校をもっと良い場所にしたい、と思うようになりました。校舎の横に学校菜園をつくって、野菜を植えたらどうかと思っています。給食で食べると栄養になると思います。よい学校は、わたしたち子どもにとって、より良い未来を切り開く鍵です」と笑顔で語るジェシーは、新しい学校での生活に期待で胸をふくらませています。
ピリウ小学校で起工式
ピリウ小学校の建設工事
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