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「子育て・家族計画サポートプロジェクト」報告~コロンビア~
コロンビア
性と生殖に関する健康と権利
(更新)
Girl’s Project2016年度活動報告
思い込みや差別を乗り越え、思いやりのある関係をつくりあげるために
「高校復学を目指す17歳のシングルマザー」
ダニエラさん(17歳・一児の母)
高校への復学を目指すダニエラさん
高校1年の時、ダニエラさんの人生が一変した出来事が起こりました。妊娠です。その結果、結婚はせず未婚の母となりました。学校を辞めざるを得ませんでした。大好きだった趣味の音楽やダンスも諦め、今は息子と自分の家族と暮らしています。そんな時にプロジェクトのことを知り、参加しました。「プロジェクトに参加したおかげで、自分の人生は自分で決められるんだ、という気持ちになり、新しい世界が開けたような気がします」とダニエラさんは語りました。たくさんのワークショップは同じ境遇の女の子たちと出会い話し合うことができる場所であり、偏見や差別から彼女を守ってくれる場所でした。
コロンビアの10代の若い女の子たちの多くは、性と生殖に関する健康についての知識が欠けています。ダニエラさんもプロジェクトを通じて、はじめて性と生殖に関する健康と自分の権利について、深く理解することができました。そして自分の心も体も大切にしようと思うようになりました。今、ダニエラさんには明確な目標ができました。高校に復学して卒業し、大学に進学することです。大学では医療関係のコースを専攻して自分と息子のために良い仕事に就きたいと考えています。そして一番大きな夢は「自分の時間をつくり、大好きな音楽やダンスをまたはじめたい」とダニエラさんは言います。「私は一度、つまずきました。でも立ち上がって前に進みます。若い私たちには失業や早すぎる妊娠など沢山の問題を抱えています。でもプランのように応援してくれる人たちも少なくありません。一度立ち止まったとしても、そのおかげでもっと強くなれます。夢をあきらめてはいけません。これが私の同世代のみんなへのアドバイスです」
実施地域 | スクレ県シンセレホ市 |
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実施期間 | 2015年7月~2016年6月 |
対象 | 18歳未満の妊娠中の女の子とそのパートナー 30組~50組、またその同年代の若年層1380人とその家族など、合計4150人、地域保健員30人、保健行政担当者30人など |
背景 | アフリカ系コロンビア人が多く暮らす地域では、妊産婦死亡率や15歳~19歳の女の子の妊娠率が国の平均を超えています。妊婦や夫への正しい育児法や第2子以降の家族計画指導を通じて、18歳未満の女の子たちが、パートナーや家族とともに育児や性と生殖に関する十分な知識を得ることを目指しました。 |
今期の主な活動 |
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活動のハイライト | 10代の妊娠率の高さの背景には、「伝統的な男らしさ」を強調する男性優位の思想(マチスモ)による男女間の格差との関係が窺えることから、ジェンダー平等について考えるワークショップを10代の思春期の女の子と男の子を対象に実施しました。妊娠や性感染症、責任感をもって相手と人間関係を築いていくという問題についても学びました。また、保護者である大人たちにも子どもたちと同様に性別に基づく役割や男女の力関係について考え直すきっかけとしてもらいました。さらにすでに親になった10代の親たちには子どものお風呂の入れ方から愛情を与えることの重要性まで、様々な育児の心構えなどをトレーニングしました。また第2子の妊娠・出産について慎重に考えるようにアドバイスしました。育児全般は女性の責任とする考え方が根強く、男女が協力して行うことの大切も強調されました。また正しい避妊方法について保健所のスタッフが説明しました。参加した15歳~17歳の母親たちからは自分のパートナーとよく話し合って、一緒に育児をしたいという声が多く聞かれました。また、保健所との協力を強化し困った時には相談にのってもらえるような体制を整えました。一方で妊娠や避妊の問題を公に話すことへの抵抗や、育児は女性の問題であるといった男性側の反発も根強くあり、多くの参加者を得るために、観客も参加できるお芝居を通じたトレーニングなどの工夫を凝らしました。 |