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「女の子のための教育推進プロジェクト」報告~インド~
インド
教育
(更新)
Girl’s Project2016年度活動報告
奨学金がつなぐ女の子の未来。全員で勝ち取った修了試験合格
「プランの奨学金で、エンジニアになる夢に向かう」
ランジタさん(10年生・女の子)
ランジタさん
指定部族出身のランジタさんは、読み書きのできない両親に育てられました。ランジタさんはとても勉強が好きな女の子ですが、家庭が貧しいため、これまで学用品や参考書など、10年生修了試験を受験するために必要なものを買うことができませんでした。
プロジェクトによる支援で得た奨学金を、学用品や参考書などの購入に充てるとともに、課外授業を受けて修了試験に備えた勉強を続けることができました。その他、参考書のポイントをノートにまとめ、疑問点は教科担当の先生や学校長から指導をしてもらいました。
こうした努力を重ねたランジタさんですが、試験の当日はとても緊張していました。試験が終わると気持ちが落ち着いてきましたが、合格発表が行われるまで不安で仕方ありませんでした。しかし、そうした不安は杞憂に終わり、彼女は600点満点中、502点(83.2%)という高得点で修了試験に合格することができたのです。
10年生を修了したランジタさんは、夢であるエンジニアになるために技術学校へ進学することを決めました。ここでも奨学金が役に立ちました。ランジタさんは、進学する学校の入学費に充てるために、奨学金が支給された時に一部を貯金していました。
これからランジタさんは、故郷から離れたところにある技術学校で学びます。学校から教育給付金をもらっていますが、下宿先への支払いなど家計的には苦しい状況です。しかし、10年生修了試験に合格することによって得たチャンスを最大限に利用して、勉強を続け、将来は家庭の経済状況をよりよくするために働きたいと語っています。
実施地域 | アンドラ・プラデシュ州ヴィシャカパトナム県、オディシャ州ケーンドゥジャル県とマユールバンジ県 |
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実施期間 | 2015年7月~2016年6月 |
対象 | 指定部族※1の女の子と男の子600人(82%にあたる492人が女の子) |
背景 | アンドラ・プラデシュ州とオディシャ州はインド社会で最も疎外され、虐げられた人々である指定部族が多い地域です。2つの州とも農村地域の女性識字率は国の平均を下回っています。この背景には指定部族の女の子の中途退学率が高いことがあげられます。プロジェクトでは、「指定部族の出身者である」、「経済的事情により学業を続けることができない」といった基準によって、支援対象者600人を選考。奨学金を支給し、中等学校10年生の修了試験に備えました。 |
今期の主な活動 |
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活動のハイライト | インド社会では、中等学校の最終学年である10年生を修了し、修了資格試験という公的な統一試験を受け、合格した場合のみ上級中等学校に進むことができます。インド社会では、10年生の修了資格が高等教育や就労へのアクセスを左右する重要な鍵になります。プロジェクトは当初、対象となる指定部族の生徒の75%がこの修了資格試験に合格することを第一の目標としていました。そのために、まず通学や教材などにかかる経済的な負担を軽減するために奨学金を支給しました。また英語、数学、理科教師のトレーニングを通して、教授法の質の向上を目指しました。トレーニングを受けた教師たちは、課外授業を自主的に実施しました。こうしたプロジェクトの支援によって、600人(うち82%が女の子)のうち531人(89%)もの生徒たちが試験に合格することができました。 |
※1 インドの先住民族