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「女の子が安心して学ぶ寄宿舎建設プロジェクト」報告~ジンバブエ~
ジンバブエ
教育
(更新)
Girl’s Project2016年度活動報告
学び続ける環境づくり。女の子をサポートする寄宿舎が完成
「寄宿舎で安全と勉強する時間を手に入れる」
シフェサンガニさん(18歳)
シフェサンガニさん
寄宿舎ができる前、シフェサンガニさんは村の中心から離れたところに母親と一緒に暮らしていました。家のドアはしっかり閉められず、窓ガラスは割れていて、壁には大きなひびが入っています。加えて、電気も来ていません。母親はこのような状況から、シフェサンガニさんの安全面に不安を感じていました。また、家から学校までの道のりは往復20キロ近くあり、通学のための費用が月平均12ドルかかっていました。これはシフェサンガニさんから勉強をする時間を奪うとともに、家計を圧迫するものでした。
彼女の状況は、寄宿舎ができたことによって一変しました。通学距離、経済的に困難を抱えている家庭といった基準によって、シフェサンガニさんは寄宿舎の寮生に選ばれたのです。また、学校長との話し合いの結果、母親が学校の用務員として働くことによって、シフェサンガニさんの授業料と寄宿舎の料金を免除してもらえることになりました。
寄宿舎では他の女の子たちとの共同生活です。役割分担を決めながら、全員で寄宿舎を清潔に保ち、みんなが気持ちよく生活し、勉強することのできる環境を整えていきます。共同生活を通して、チームワークや時間管理が向上してきました。そして、自由時間にお互いの夢などを語り合うことで、寄宿舎での生活を楽しく過ごすとともに深い友情を育んでいます。
「この地域には私のように貧しい家庭出身の女の子がたくさんいます。そうした女の子の多くは、お金を得るために売春を選ぶようになりやすい傾向があります。やがて妊娠し、学校を退学せざるを得なくなるのです」とシフェサンガニさんは語ります。彼女は学校に通い続け、将来良い仕事に就き、母親を助けたいという夢を持っています。シフェサンガニさんは力強く言いました。「私にはたくさん困難があります。しかし私は学校を続けていくことを心に誓っています。これからも、何とか困難を乗り越えながら、夢を叶えたいと思っています」
実施地域 | ミッドランズ州クエクエ郡 |
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実施期間 | 2015年7月~2016年6月 |
対象 | 中学校~高校に在学する女の子80人 |
背景 | プロジェクトの対象地域の女の子たちは、学校に通うために平均往復約20キロの道のりを歩かなければなりません。学校が遠すぎる場合、貧しい親たちは学校に近い場所に粗末な家を借りて、女の子たちを住まわせています。しかし、こうした非公式な寄宿舎は、学校が運営に関与しておらず、教育省の管轄指導の対象にもなっていません。不衛生な環境が放置され、安全への配慮が欠けるなど、特に年長の女の子にとって安全な場所とは言えず、中途退学したり、妊娠してしまう女の子も多く見られます。プロジェクトでは、女の子の安全を確保するとともに、中等教育を受け続けられる環境づくりを目指しました。 |
今期の主な活動 |
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活動のハイライト | 対象校4校で寄宿舎が完成しました。入居する女の子80人は、生徒で構成される子どもの権利保護委員会、学校開発委員会と話し合いを重ねながら、通学の距離、家計状況等を考慮に入れて学校関係者により選考されました。設計は、教育省のアドバイスのもと地方行政が担当しました。資材は、近隣を流れる川の砂利など、地域で調達できるものが中心です。また地域の人々の協力を得て、建設に必要な労働力をまかなうことができました。こうした連携は、プロジェクトの初期に実施した関係者全てを対象としたミーティングや、地域の人々に向けた啓発活動により促されました。完成した寄宿舎には、ベッドやベンチといった生活に必要な家具が運び込まれ、女の子たちの新生活が始まっています。 |