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「安全な妊娠・出産支援プロジェクト」報告~ネパール~
ネパール
母子保健
(更新)
プラン一般プロジェクト2016年度活動報告
女性たちが助け合う妊婦グループの活動を立ち上げ
「保健ボランティアが地域の妊婦と赤ちゃんを守る」
サンギタさん(女性保健ボランティア)とサビトラさん(妊婦グループメンバー)
妊婦たちに話をするサビトラさん
サビトラさんは地域の保健ボランティアとして働き、女性の妊娠・出産に関するケアをする重要な役割を担っています。このプロジェクトでも妊婦グループの形成に関わりました。サビトラさんは妊婦グループの結成日にファシリテーターとして参加し、妊婦たちに対して、産前産後の注意事項と健診の重要性について話しました。「プロジェクトのおかげで女性と赤ちゃんを様々なトラブルからもっと守れるようになると思います」とサビトラさんは語りました。
サンギタさんはサビトラさんと同じ地域に暮らす妊婦で、今回初めて妊婦グループに参加しました。妊娠に関する不安はありますが、保健ボランティアからのサポートをはじめ、自分でも様々な知識を吸収することができたので心強く感じています。妊婦健診の重要性に関するオリエンテーションにも参加しました。サンギタさんは、これまで2回保健所で健診を受け、毎月1回の妊婦グループの集会には必ず参加するなど、自分と赤ちゃんの健康のためにできることを始めています。
実施地域 | ジャナクプル県シンズリ郡 |
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実施期間 | 2015年12月~2017年2月 |
対象 | 約4500人の妊婦と新生児 |
背景 | 妊娠しても健診に行く回数が少なく、妊婦と新生児の命が危険にさらされています。保健所までアクセスが困難な上、家族の理解が得られないことが問題です。保健所などへ携帯型の超音波健診装置(エコー)を支給し、巡回健診を行うとともに、健診の重要性を地域の人々に訴えることを目指しました。 |
今期の主な活動 |
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活動のハイライト | 2015年4月に発生した地震の影響で、活動を見直しながらすすめました。プロジェクト地域も被災したため、最初の6カ月間は地震の緊急・復興支援を優先させ、妊婦と新生児を対象とした本来の活動は6カ月遅れて開始しました。活動の再開後には、まず妊婦グループを立ち上げました。これは妊婦や新生児のいる女性の自助グループで、女性保健ボランティアの指導を受けながら産前産後健診や予防接種、栄養管理についてなどを学びます。またグループのメンバー同士で健康状態や妊娠周期を把握し、お互いに助け合うことができる仕組みで、プランは過去に活動の実績がありますが、この地域での導入は初めてでした。このため、行政や保健ボランティアなど様々な関係者へのトレーニングも重要でした。さらに女性による「村落貯蓄組合」への参加を促進するためにメンバーたちにもトレーニングに参加してもらい、健診に必要な交通費や医療費を女性が工面する手段として協力するための体制を整えました。一方、困難だったのはエコーを利用した健診の実施です。高度な技術トレーニングが実施できる施設は国内に一カ所しかなく、さらに保健省との協議や許可が必要なことから大幅に実施が遅れました。2016年9月に22日間にわたる技能トレーニングを実施し、2016年10月以降、エコーを用いた産前健診を行い、より多くの妊婦にとって健診が受けやすい環境を整えます。 |