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「水の確保と衛生改善プロジェクト」報告~ラオス~
ラオス
水と衛生
(更新)
プラン一般プロジェクト2016年度活動報告
清潔で安心して利用できる水が村で手に入るように!
「汚染されていた川の水で皮膚病に」
リーさん(20歳)
新しくできた給水所
対象村の一つのバンタン村では、10年ほど前に政府によって給水施設が作られたものの、劣化が進んだことと地域の人口増に伴い利用者が増えたことで、水の供給量が不足しがちでした。このため地域の人々は近くの川の水に頼らざるを得なくなっていました。「私の夫はこの川の水で体を洗っていたところ皮膚病にかかってしまいました。近くのバナナとスイカ農場からの農薬が流れ込んでいるのが原因ではないかと思っています。でも私たちにはこの水しかないのです」と20歳のリーさんは話しました。10歳のウンは「僕はなるべく体を洗わない。川の水で体を洗うとかゆくなることがあるから」と不満を言いました。川の水が体に悪いことを知っていますが、それでも多くの人々は洗濯や沐浴にこの川の水を使っていました。飲み水や料理に使う水は比較的安心と思われる川まで、30分かけて水汲みに行っていました。
この状況をうけて新しい給水システムを作ることになりました。バンタン村では新しい9つの共同水栓が設置され、バンタン村の人々は以前よりも家の近くで安心して利用できる水が手に入るように。9歳のモネは「私の家の隣に共同水栓ができて、水汲みがとても楽になりました」と笑顔を見せました。また、夫の体を心配していたリーさんも「ようやくあの汚い川の水で体を悪くする心配がなくなりました。とても嬉しいです」と満足げに語っています。
実施地域 | ウドムサイ県フン郡の4村 |
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実施期間 | 2015年7月~2016年12月 |
対象 | 地域住民 3197人 |
背景 | プロジェクトの実施地域である、ラオス北部ウドムサイ県フン郡の3分の1の村々には、安全な水を利用できる設備がなく、屋外排泄の蔓延や石鹸を利用した手洗いなどの正しい衛生習慣の欠如から、子どもたちは下痢などの水を起因とする感染症の危険にさらされています。こうした状況を改善するために、ウドムサイ県フン郡の4村で、給水設備の改善と水と衛生に関する意識啓発トレーニングを行い、地域全体の衛生環境の改善を目指しました。 |
今期の主な活動 |
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活動のハイライト | 山岳地帯という特徴を生かし、土地の高低差によって生じる重力を用いた維持管理コストが低い給水システムを完成させました。ウドムサイ県保健局とフン郡保健局の専門技術員が地域の保健ボランティアと協力しながら、具体的な調査を経て敷設場所や設計図を決めました。さらに地域の人々と一緒に役割分担をしながら活動をすすめたことで、その後の維持管理体制もスムーズに決まりました。利用に関する村のルール、維持管理のための費用負担(住民一人当たり年間約80円)、ルール違反の罰則、さらには水管理委員会への蛇口の交換方法などを含めた修繕トレーニングや必要な備品の支給などを通じて、地域の人々が自分たちで今後も長くこの給水システムを使えるように工夫しました。水管理委員会の女性メンバーには維持管理に関わる会計トレーニングを実施することで、女性たちに新しい知識とスキルを提供しました。 |