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働く子どもたち~ネパール~
ストリート・チルドレンと働く子どもたち
ネパール
(更新)
プラン・マンスリー・サポーター2016年度活動報告
最悪の形態の児童労働ゼロに向けて
「姉妹で縫製ビジネスをスタート!」
インディラさん(職業訓練に参加した女の子・17歳)
インディラさん
インディラさんが産まれた後、父が家を出ていってしまい、母も出稼ぎのために外国に行ってしまったため、残された姉妹(姉とインディラさん)は、幼いころから働かなくてはなりませんでした。生活費を稼ぐために家事手伝いの仕事と工場での仕事を掛け持ちしていたため、学校には週に2~3日しか通うことができませんでした。運よくプロジェクトの支援を受けることになったインディラさんは喜び、子どもクラブに参加することになりました。子どもクラブの活動に積極的に取り組み、子どもの権利について知るとともに、自分に自信が持てるようになりました。
以前から裁縫に関心があり、いつか自分たちで服の仕立てビジネスをはじめたいと思っていた彼女は、プロジェクトが提供する職業訓練プログラムの裁縫コースを受講しました。そして裁縫器具をプロジェクトから支援してもらえることになり、姉妹で服の仕立てのビジネスをはじめました。インディラさんは当時13歳でしたが、授業料を支援してもらうことができたため、学業も継続し10年生が受ける中等教育修了者資格の試験に無事受かることができました。
縫製業で生活が改善
現在17歳になり、姉妹2人ではじめたビジネスは順調で、家族が暮らしていくための生活費を稼ぐことができています。「プロジェクトの支援がなかったら今もきっと家事手伝いと工場労働に従事していたでしょう」と支援への感謝の気持ちを語りました。いまインディラさんは、もっとよい服を作れるように努力を重ねつつ、そしてかつての自分と同じような境遇に置かれた子どもたちを支援していきたいと考えています。
実施地域 | ネパール中部と東部(ヘタウダ、ビラトゥナガール、イタハリーダラン間ハイウェイ周辺、カマラマイ) |
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実施期間 | 2009年7月~2016年6月 |
対象 | 子ども 約6800人 |
背景 | ネパールでは児童労働が深刻な問題で、多くの子どもが劣悪な環境で働いています。ほとんどが貧しい農家や少数民族の出身で、読み書きも十分にできません。こうした働く子どもたちを暴力や搾取から守り、教育、職業訓練、貯蓄などの機会を提供し、法や政策の整備を政府に働きかけてきました。今回は活動の2016年1月から6月の活動と4年間の活動成果を報告します。 |
今期の主な活動 |
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活動のハイライト | 4年間のプロジェクトの終盤にあたり、今期はとくに対象地域5つの市(ヘタウダ、ビラトゥナガール、イタハリ、ダラン、カマラマイ)において「最悪の形態の児童労働ゼロ」の達成に向けた取り組みに注力しました。地域行政、労働局、児童福祉局、警察、NGOや住民組織が連携し、戸別訪問による子どもの救出や子どもの権利を守るための合同モニタリング活動を実施。子どもたちも意識啓発活動を通じて、同世代の子どもたちへの働きかけを行いました。またラジオや新聞などのマスメディアは広報を通じてこうした取り組みを後押ししました。その結果、これまでに対象地域5市のうち計32の地区が「児童労働ゼロ」を宣言。今後、残りの地区も「児童労働ゼロ」に向けた取り組みを続けていきます。 |
成果のまとめ | プロジェクト開始当初、「我々は仕事の見返りに食事と寝る場所を提供することで、働く子どもたちを助けている」と誇らしげに語る児童労働の雇用者の姿がありましたが、プロジェクトを通じて、子どもの権利や児童労働の違法性と雇用者の責任について徐々に知られるようになると、それが恥ずかしいことで不名誉な行為であると認識されるようになりました。こうした意識の変化は、現地行政、警察、NGO、住民組織や子どもクラブによる地道な働きかけの積み重ねによってもたらされたものです。プロジェクト終了後もこうした児童労働を根絶、予防する地域のネットワークが継続的に活動を行い、「児童労働ゼロ」の地域づくりを行っていきます。 |